日本の漁業が崩壊する本当の理由 片野歩

世界中で魚類資源が増えているのに、日本だけが減っている。
この現実を、恥ずかしいと思うべきである。

日本の漁業が崩壊する本当の理由.jpg

すべての漁協組合長、理事、参事、そして、任意の漁業団体の会長以下すべての役員たちは、この本を読むべきだ。
読みたくないならば、「日本の漁師は大バカものだ」を参照すること。
これを認識できないならば、役職に就く資格はない!

2019年03月24日

いさだ漁業許可の「失効に係る許可」、その後

再び、こんばんは。

懸案のいさだ漁業の許可、もうバカくさくなった。
水産振興課のあのバカ課長連合のおかげで、今漁期を逃すことになった。
その後、いろいろな方面からの談判があり、新規の許可をもう一度だすそうだ(そこまで追い込まれるくらいなら、最初から許可を出せよな。時間の無駄とエネルギーの無駄)。

次の問いに、彼らは満足な回答をすることができない。

昨年の漁業者の要望より、16年前の漁業者の要望のほうを重視するのは、なぜか?

答えられないから、私は、「頭がおかしいんじゃないの?」と言うしかない。

16年前には、いさだ漁業者の組合は、岩手県沿岸漁船漁業組合(沿岸組合)とは別の組織であった。
その数年後に、現組合のいさだ部会としてスタートすることになるが、別組織の時代の要望を聞く、という水産振興課の態度は、どう考えてもおかしい。
「おかしい」と思うから、簡単に同意した沿岸組合の組合長と何か関係を疑いたくなるのは、誰もが思うことである。
もし、何もない、というのなら、この判断を下した課長連合は、無能である、と考えてよい。

先日、海区違反(昨年の事件)の聴聞が終わったあとで、担当した県職員にも、このことを言ってきた。
彼も、県庁で私に対応した職員の一人である。
私は性格が悪い。
「16年前の紙切れより、オレたちのほうを見ろよ。こっちは、生身の人間なんだよ。」と言ってきたが、少しきつかったかな。
違反の聴聞で、逆に私のようにガンガン言う人も、珍しいかもしれない(私も頭がおかしいのだろう)。

彼の上司が、例のM課長であり、その上にまた、総括課長というのがいて、それがI課長と言われる。
I課長は、宮古出身だそうで、たぶん、宮古高校出身だろうから、私の先輩にあたることになる。
ぜひ、顔をみて、談判したかった。
が、残念なことに、定年退職だという。
そして、その他は、揃いも揃って、全員転勤だそうだ。
もう、笑うしかない。

その新規許可の申請でも、県の水産振興課は、20歳の替え玉不正取得を認めるような発言をしている(いさだ漁業許可の「失効に係る許可」を再読してほしい。20代の漁師の名義を使う替え玉取得のこと。これは前年のこうなご漁業許可から始まったという噂である)。
彼らは、これを「不正ではない」というが、私は不正だと思う。
不正には、徹底的に、正直に闘う。
だから、聴聞を担当した職員にも、宮古水産振興センターの職員にも、「私は、54歳で申請しますからね」と宣言してきた。

これで、水産振興課の態度が変わるだろうか。
結果は、いずれ報告する。

再度、書いておく。

常識ある人間なら、16年前の漁業者の要望と昨年の漁業者の要望の両方を選択するとしたら、昨年の要望の方にするだろう。
そうしなかったということは、裏があるのか、それとも、課長連合が、よほどの無能であるのか、のどちらかと考えていい。

誰もがわかる誤りの指摘をされても、彼らは、謝罪することを知らない。
無意味な回答をして、しらを切るのみである。
posted by T.Sasaki at 22:02| Comment(0) | 漁業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

理解しにくい鮭漁業の制度

こんばんは。

先日、漁民組合の組合員と少し話をした。
話をしたら、もちろん、鮭の話も出る。
まだ裁判をやっていて、近いうちに判決が出る予定のようだ。

漁業法は、慣習法である。
だから、「今さら、鮭を獲らせろ、というのには、無理があるんですよ」と言っても、なかなか理解してくれないけれど、彼らの言い分にも一理ある。

岩手県で鮭を獲ることのできる漁法は、河川捕獲、定置網漁業、そして、個人で獲るための鮭延縄漁業。
この3つである。
私は、定置網漁業というのは、岩手の場合、今や、ほとんど各漁協で営んでいるものと思っていた。
重茂、宮古、田老、小本浜の各漁協は、すべて、漁協経営であるが、ほかは違うらしい。
個人で営んでいる定置網もあるそうだ。
山田から南にあるという。
しかも、三陸やまだ漁協の場合、組合長が自分の定置網で、鮭を獲っているそうだ。
私には、その神経が理解できない。

昔々から、定置網漁業を営んでいること自体に、異論をはさむつもりはない。
それは、慣習法に従う行為だからである。
しかし、漁民組合の言うように、税金を使って増殖事業をやっているのを、個人の定置網で獲っていいのか、という疑問にぶち当たる。
同じ定置網でも、漁協でやる場合、その収益は、何らかの形で組合員に還元されている。
これは、本当のことだ。
しかし、個人の定置網で獲った場合の収益は、どこへ行くのだろう。
関係地区の漁民に、いくらかでも還元されているのだろうか。
もし、全く還元されていない、というのなら、漁民組合の主張を聞かないわけにはいかないだろう。
個人で獲るなら、定置網ではなく、延縄で獲れ、と言われてもしかたがないように思う。

一方、ずっと昔から、定置漁業権を更新してきた人にすれば、人工ふ化放流事業は、勝手に周りがやったものだから、そう言われる筋合いはない、と言うかもしれない。
このあたりを、どう考えていいのか。

漁民組合の鮭に対する不満は、沖合底曳網漁業にも言える。
かけまわしのトロールでは、鮭をそれほど獲ることはできないようだが、2そう曳きはたくさん獲る。
昨年は大漁だった。
何万尾か獲ったといわれる。
私は、その数字を知りたい。

本来獲ることのできない漁法で、この混獲を認めている国や県に対し、漁民組合が不信感を持つのは、自然のことではないか、と思うのである。
このあたりを考えると、大元の法律や制度のほうに、問題があるのではないか。
posted by T.Sasaki at 21:42| Comment(0) | 漁業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月05日

どんこのウロコ

こんばんは。

いさだ漁業をできなくて、やけくそになって船を動かしている今日このごろ。
いさだ漁業は、2日で100万円の水揚げだそうだ。
私が100万円水揚げするとなると、1ヶ月もかかる。
今年、乗る予定だった人たちは、ため息をしていると思う。
私は、もっともっと深いため息である。

どんこ8入れ.JPG

かごに入るどんこ(エゾイソアイナメ)は、安い。
なぜか、というと、ウロコがはがれていて、延縄のどんこのように、黒くないから。
ウロコがはがれるということは、鮮度が落ちている、と評価されるのである。
したがって、延縄のどんこは、かごのどんこよりも高いの当たり前なのである。

私は、自分で包丁を握る人間だから言わせてもらうが、ウロコの無いほうが、さばく側は楽なのだ。
だから、知り合いの買い人には、「かごのどんこは、ウロコをはがず手間ななくて、楽だよ」と宣伝しておいた。

生き物は何でもそうだと思うが、死後硬直するまで、すなわち、ピクピクしている間は(笑)、鮮度はいい。
かごのどんこは、もちろん船上に上げても、しばらくはピクピクしているから、鮮度がいい。
ただ、ウロコがないだけなのだ。
だから、ウロコのない分、かごのどんこはお得だよ。

しかし、本当のところ、やはりウロコがついているから、落とさなければならない(笑)。



余談になるが、もう春鮭鱒をやめてから20年以上経つが、春鮭鱒の延縄漁業をやっていた。
春鮭鱒には、流し網漁業もあり(北海道)、岩手では、延縄漁業しかなかった(流し網の許可を出すことができない)。
流し網は、網だから、当然、かかった魚には、ウロコが少ない。
延縄の魚の価値は、ウロコである。
ウロコがある、ということは、鮮度がいい、という評価なのである。
30年前は、私はもちろん、飯炊きであり、船頭から雷を落とされていた人間だ。
シロ(トキシラズ)しろ、鱒(カラフトマス)にしろ、デッキの上でバタバタさせれば、怒られた。
魚が上がったらすぐに、頭を叩いて、動かなくさせなければならない。
したがって、キラキラしたウロコは、もちろん付いている(内臓をとっても付いている)。
そうして箱入れした魚は、市場で水揚げしても、ピンとしている。

しかし、宮古魚市場では、あまり評価されなかった。
北海道産の鮭鱒には、かなわないのである。
これには、非常に不満である。
なぜか、というと、北海道産の鮭鱒は、カメ(船倉)にバラ積みしてくる、というのを知っていたから。
バラ積みしてきた魚は、下の方ほど潰れている。
一方、宮古に水揚げされる魚は、ほぼすべて箱入れである。
しかし、単価は、北海道産に負けるのである。

日本全国の消費者は、当時、「北海道産」という名前だけで、買っていたのだろう。
宮古産の鮭鱒は、どうでもいい扱いだったのである。
posted by T.Sasaki at 20:17| Comment(0) | 漁業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月09日

かご修理

再び、こんばんは。

かご漁業で、ボロかごを使っていると、修理で忙しい。
しかし、修理するごとに、かごは使い勝手はよくなる。

かご1.JPG

これは、餌をつける針金の、差し込み受けのほうである。
古くなってくると、透明のビニールホースは硬くなり、針金は腐って太くなってきて、餌をつけた針金が入らなくなる。
そこで、この差し込み受けを交換するのだが、私の場合、このように、90度に曲げたままにし、それ以上は折り曲げない。

かご2.JPG

理由は、かごを重ねて積んだ時、他のかごの網に、引っ掛からないようにするためである(餌をつけるほうの針金も同じ)。
たぶん、やったことのない人は何のことかわからないだろうが、どうせ修理するなら、こうやったほうがいいと思う。

次の写真は、新品のかごの骨の付け根。

かご3.JPG

骨も壊れるから修理する時、ホックをかける骨の向きも変える。

かご4.JPG

なぜ、このように変えるか、というと、重ねてあるかごを組み立てる時、下のかごの網を骨の付け根が引っ掛けてしまうから。
もちろん、少しかごを上げて組み立てれば、引っ掛かることはないのだが、逆向きに付けておけば、そのまま組み立てても、トラブルは起きない。
posted by T.Sasaki at 21:07| Comment(0) | 漁業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

安すぎる毛がに

こんばんは。

操業中の毛がには、予想通り、まるっきりダメである。
8cm以上のみの漁獲となれば、来年以降に期待するしかない。
しかし、なぜか、大槌沖より南のほうで大漁だ。
羨ましい。

そのせいか、浜値も下落し、平均単価が2000円を切ったりしているとか。
私はあまり値段を見に行かないため、本当のところ、仕切書をもらってくるまでわからない。
でも、北海道と同じ8cm以上のサイズにしたからには、それなりに買ってもらいたいものである。
北海道は、2017年で平均単価が3889円であり、2018年で4305円である。
水産新聞社には悪いが、転載させていただく。

北海道毛がに水揚げ推移.JPG
(2019年2月4日付「週刊水産新聞」1面)

宮古の仲買人、しっかりしろ!

採捕できる毛がにの甲長を7cmから8cmにする時、資源増殖と平均単価の上昇を謳っていたと思うが、岩手の場合、地元の消費需要しか計算できないようだ。
価格形成は、7cmのときと同じと言える。
毎日、1トン以上も揚がるようになれば、8cmでも、1000円を切るのではないか、と思ってしまうほどだ。
これならば、閉伊埼以北の浅い海域で操業する私たちにとって、7cmのほうがいい。
浅い海域には、小さい毛がにしかいない。
7cmクラスの毛がにを馬鹿にしないでほしい。
かにみそは、7cmクラスが一番美味しい。

それから、資源増殖という考えを持ち出すならば、4月以降の特別採捕などやめたほうがいいし、かご漁業の周年操業もやめたほうがいい。
ここでは書かないが、他県のかご漁業は、厳しい措置を受けている。
なぜなら、かご漁業は、効率が良すぎる漁業だからである。

posted by T.Sasaki at 20:43| Comment(0) | 漁業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月02日

かごの保護綱の再利用

再び、こんばんは。

再び、見せびらかします(笑)。

かごのすべり台.JPG

かごのすべり台。
これにより、間違ってもロープに足をとられることはない。
安全装置である。

最初は、木と合板で作って、いろいろとやってみたが、やっぱりいろいろとトラブルがあった。
トラブルがなくなってから、あらためてFRPで作ったもの。
一昨年すでに完成していたが、裏からプラを貼るのを忘れていて、しかもペンキも塗っていない。
プラは、ペンキをのせないと、劣化する。

労災保険を使ったりすると、労働基準監督署から、安全指導をされるという。
事故が起こる前に、安全策を施すほうが、ずっと楽である。
特に、年寄り相手だと、この効果は抜群である。
私は、かごのホック掛け。
この方式だと、一人でも楽にかごを投入できるのだが、できれば、一人操業はやるべきでない。
何かあったとき、SOSも発信できないから(というわりに、今年、日本海へ一人で行く気でいる。笑)

今日も暇だったので、もやいロープのすれ巻き。

すれ巻き.JPG

この黒い巻き綱は、お釈迦になったかごをばらした時に出てくる保護綱(本当の呼び名がわからない)。
最終的に、産業廃棄物扱いになり、有料処分となるが、その費用も今や払へないような状態なので、ロープに巻いてみた。
素材が軽いので、意外にも好評である。
岸壁のすべてのもやいロープに巻いてみようと考えている。
posted by T.Sasaki at 17:33| Comment(0) | 漁業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月24日

いさだ漁業許可の「失効に係る許可」3

再び、こんばんは。

宮古漁協の発行した文書に、いさだの新規許可を出す旨が書かれてある。
これは、各地方振興局(宮古地区の場合は、宮古水産振興センターという)に、新規許可数が割り振られ、許可申請数が多ければ、優先順位を定めた文書にしたがい、新規許可が決定される。
新規許可数は、失効許可数に知事の定める係数を掛け算した数字である(文書参照)。
この知事の定める係数というものがくせ者で、0.05であり、失効数が20隻あって、ようやく新規の許可が1つ出るという代物である(掛け算して1に満たない場合、1つは出るが、それらの数字は、ある程度、県に裁量があるようだ)。
ただでさえ、高齢化でどんどん船が減少している最中であるというのに、こんな掛け算をしている。
まるで、水産振興課は、許可数を少なくすることを仕事としているようなものである。

私はこのことに食ってかかった。
許可数を少なくする、ということは、一つの漁業、例えば、かご漁業ならかご漁業のみをやれ、ということになる。
一方で、県は、魚類資源を増やさなければならない方針ではあるが、一つの漁業ばっかりやらせるようにすれば、その漁業の目的の魚種は減少の一途をたどることになる。
しかも、現在、いさだ漁業以外、岩手県の小型船漁業は、壊滅的である。
これでは、小型船漁業は成り立たない。
こういうことを言い出せば、県職員は、「おっしゃるとおりです」と返答したり、沈黙するしかなかった。

県庁に行ったときなど、毛がに資源のことに言及した。
昨年3月からすでに甲長8cm未満の毛がには、放流することになっていて、これは、毛がに資源を増やすための取り組みである。
「それならば、特別採捕もやめるべきだ」と、対応したM課長以下の3人に私は言った(かご担当職員のT氏には、いつも言って困らせている)。
特別採捕とは、本来3月末までの毛がに採捕を、4月末まで延長した措置である。
しかし、彼らは、「漁業者(かご部会)の要望ですから」というのだ。
「え?資源を増やしたいんでしょ!」と再び問うと、沈黙するのである。
しかし、一方で、いさだ部会の要望書に応えようとしないのには、閉口するしかない。

「頭おかしいんじゃないの?」

宮古水産振興センター管轄は、田野畑漁協から船越湾漁協までであり、今回の新規許可枠は、2であった。
この地区での実際の失効許可は、前回示した数に、田野畑漁協1隻、重茂漁協1隻を加えて、11隻であった。
新規許可は、この田野畑漁協1隻と重茂漁協1隻に割り当てられた。
どちらも、20歳くらいの人たちである。
こうなると、私みたいな50歳を越えた人間には、新規許可など縁がないことになる(先ほどの文書参照)。

重茂漁協1隻は、ちょっと首を傾げるような状況にあったが、重茂漁協を責めるべきでない。
問題の根っこは、岩手県水産振興課と岩手県沿岸漁船漁業組合の態度にあるのだ。
だから、重茂漁協のT丸を責めるのは、やめてほしい。
巷間では、彼らの悪口を言ったりしているようだが、そもそも、県と沿岸組合が、漁業者の幸せをしっかり考えていれば、このようなことは起こらなかったし、重茂漁協のT丸も非難されることはなかったのである。
posted by T.Sasaki at 20:54| Comment(0) | 漁業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

いさだ漁業許可の「失効に係る許可」2

こんばんは。

前回の更新で、次の文を記した。

「ただし、あみ船びきあみ漁業にあっては、この限りではない」というのは、つまり、関係者の意見を聞いてから、県が判断する、ということである。前回の文書参照)

県は、実際に、関係者の意見を聞くことにしている。
これは、一昨年7月に発行された岩手県から各漁協宛ての文書である。

岩手県発行の文書1.jpg

これに対応するため、昨年の漁期前に、いさだ部会で決定した次の文書が、沿岸組合(岩手県沿岸漁船漁業組合)を通じて、県宛てに出されている。

沿岸組合発行の文書.jpg

しかし、県は、これを考慮せず、「失効に係る許可」を認めない方針を貫き、最終的な文書を、昨年6月に各漁協宛てに送信した。

岩手県発行の文書2.jpg

この文書の中にある関係者というのは、沿岸組合の志田組合長である。
“いつの間にか”、組合長も昨年変わっていて、県の提案に対し、そのまま同意したようだ。
ここで、志田組合長が、昨年の県に対する要望書を踏襲して、粘って説得していれば、「失効に係る許可」は出たかもしれない。
東京電力からの損害賠償を、勝ち取るくらいの交渉術を持っている人間だからである。
ところが、あっさりと同意した。

この点を、私は、電話で直談判したら、「県の決めたことだから、しかたないだろ」という返事であった(ものすごい威張り口調で言っていた)。
「いや、そうでないでしょう。あなたは、組合長なんだから、何とか粘ってみたらどうですか。一応、私は、水産振興課のM課長と話をしたら、再考するという返事をもらいました。ただし、私個人ではダメだから、団体で要望してほしいと言ってました。」と言ったら、「お前一人がオレに頼んで、オレが動けってことか?そんなの、できるわけないだろう」という、ぜんぜんありがたくない返事をもらった。
それから、「それでも、私、頑張りますから」と伝えて、終話。

ちなみに、これらの文書には、「許可方針改正の要否」とあるが、現在の許可方針でも、「失効に係る許可」は十分に出すことができる。
前回紹介した許可方針の文書には、「この限りではない」とあるから、許可を出すことができるのである。
もし、まったく許可を出するつもりがないならば、「ただし、あみ船びきあみ漁業にあっては、この限りではない」としないで、「ただし、あみ船びきあみ漁業を除く」と記すべきである。
そうしなかったのだから、現行の許可方針をいちいち改正しなくても、許可を出すことは可能である。

志田組合長への直談判のあと、それならばと、いさだ部会の地区幹事たちへ、この文書を示して、声を上げてもらおうと思い、小本地区から山田地区幹事へ、一連の文書を配布するように私は車を走らせた。
もちろん、宮古漁協の参事や指導課にも伝え、それから、宮古漁協は、岩手県にかけ合ってくれた(宮古漁協の大井組合長はすでに県へ許可を出すように要望したが、拒否された)。

だんだん嫌気がさすことがあったが、重茂漁協を訪れたときのことである。
その漁協の若い職員が、すばらしいことを私に言ってくれた。
純粋に勇気付けられ、しばらく、粘ることにした。

その後、前出、船越のT丸と話をして、さらに南下し、釜石地区の友だちに、釜石地区幹事との面会を取り計らってもらったが、残念ながら、会ってもらえなかった。
いくら、私を嫌いでも、話を聞くくらいの態度は、大人として、持ってもいいと思うのだが。
それから、あるルートを通じて、いさだ部会の部会長に、これらの文書は届いていると思う。
もっと南下しようと思ったが、「無駄足かもしれないよ」という有難くない忠告を受け、釜石から南の役員には、伝えるのやめた(T丸は顔が広いから、それより南の人たちに、この文書のことを伝えたようだ)。

さて、いさだ部会は、この話をこのまま無視するのだろうか。
無視するような団体ならば、腐っているとしかいいようがないのである。
じっくりと観察させてもらうことにする。

県の水産振興課に何度も電話したが、取次ぎの人に、「ごめんさい。何度も怒っている宮古の漁運丸です」と言ったりするくらい、厳しいことを言った。
まさか電話でばっかり言うのも都合が良すぎるかなあ、と思い、県庁まで足を運んだのは、すでに書いたとおりである。
話をしていると、どうどうめぐりになってしまう。
「それは、さっき言ったことじゃないですか。もう何度も何度も!」
まるで、バカみたい。

この話を、いろいろな人に言ってみた。
そうすると、「県と沿岸組合が、何かやっているんじゃないの?」と言いたくなるそうである。
素直に考えれば、そうなってしまうのである。

最後に、次の宮古漁協の文書を載せる。

宮古漁協発行の文書.jpg

沿岸組合発行の文書は、私が事務局に送ってもらったものだが、その他の県の文書とこの文書の3枚とじを、偶然、年末に見つけてから、私は動けるようになったし、T丸も確実な文書を持ったから、県議会議員や市議会議員たちと行動することができた(私がいか釣りで旅歩きしている時期の文書なので、山積みになっていたもの)。
宮古漁協のことを、少しは、まともな漁協かな、と思ったりしている。
posted by T.Sasaki at 19:52| Comment(0) | 漁業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月08日

するめいかの厳しすぎる再生産

こんばんは。

少し暇だったので、昼食後、漁業情報サービスセンターに電話して、するめいかの産卵のことを聞いてみた。
これは、「スルメイカ資源の意見交換会」に端を発する。
会合が終わった後、私が変な発言をしたためか、後から呼び止められた。
会合の司会者であったが、その彼に、「聞きたいことはたくさんあった」と言ったら、「どうぞ、電話でもメールでもいいですから」と名刺を渡されたのである。

東シナ海の産卵場の環境変化について、一つの疑問点を問うた。
次がその結果。

するめいか産卵の好環境は、水温18から19度くらい(16度から19度くらいかも。手元に論文がないためにはっきりした回答はできなかったようだ)で、その水帯の幅が近年狭い範囲でしか形成されないのだという。
そのため、仮にするめいかが産卵しても、そのまま死んでしまうらしい。
その他もある。

するめいかの卵は、1mくらいもあり、つまり、自身よりも大きな卵を生む。
このことは、よく知られている(私でさえ知っている)。
比重は水よりも大きいから、海底に沈んでしまうのであるが、沈んでしまうと、壊れて死んでしまうのだそうだ。
つまり、湧昇流などが発生する海中を漂っていないと、するめいかは生まれない。
その辺のゴミに引っ掛かっても、卵が壊れてダメなのである。
だから、非常に条件が厳しいようだ。

したがって、資源を増やすには、親魚が多ければ多いほど、良い。
これは、理論上、彼らも認めざるを得ないのである。
TACの数値を下げて、親魚の生き延びる量を大きくすれば、資源は大きくなる。

岩手の2そう曳きの件は、彼らも、疑問であるそうだ。
先日の会合での発言は、最終的に、報告書という形で、水産庁に送られるらしい。
期待はしていないが、それでも、みんなで声を上げることは意義があるのではないか、と思う。
posted by T.Sasaki at 19:36| Comment(0) | 漁業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月02日

スルメイカ資源の意見交換会

こんにちは。

これまた、昨年暮れの話であるが、12月20日、八戸市水産会館で漁業情報サービスセンター主催の意見交換会が行われた。
「スルメイカ冬季発生系群の資源状態と漁況予報をめぐって」というテーマ。
冬季発生系群というのは、太平洋回りの群れで、東シナ海で生まれたスルメイカは、はるばる常磐沖から三陸沖、北海道沖まで北上し、秋から南下をはじめ、八戸沖から三陸沖にウロウロしているスルメイカは、津軽海峡から日本海へ抜け、再び、東シナ海の産卵場へと南下するのだという。
東シナ海で生まれるスルメイカは、スルメイカ資源の8割を占めるとされ、残り2割はローカル群である。
冬に各地にいるスルメイカはローカル群であり、これらも重要な資源である。

発表した研究者は、北海道区水産研究所、青森県産業技術センター水産総合研究所、岩手県水産技術センターである。
主に、東シナ海の水温低下による産卵場の環境変化と大和堆での北朝鮮船の違法操業などの影響で、スルメイカ資源は減少しており、資源量は、ほぼ史上最低に近いことなどを話していた。

この意見交換会は、毎年行われているようで、今回、初めて、岩手県沿岸漁船漁業組合から案内が届いた。
もちろん、出席も初めてなので、質問のタイミングがわからず、一番最後に質問した(ただ騒いだだけかも)。

要旨は、資源減少要因を、環境変化と北朝鮮ばっかりに押し付けて、日本でできる取り組みをしていないことを指摘し、特に、岩手の2そう曳きトロールの悪質な操業への非難である。
これに対し、研究者は、TACという取り組みが、積極的な方法である、とした。
そのTACは、近年、スルメイカでは、上限に達することはなく、TACの設定が高すぎることも言ってきた。
それでも、今回の設定は、資源回復措置で低めに設定するそうだ。
私は、TAC配分でも、漁獲圧に応じて、各漁法の減少割合を考えるべきだと、特に、2そう曳きトロールの漁獲圧は、とんでもなく高いのだから、これらの漁法に対しては、もっと低く抑えるべきであると言ってきた。
来場者は、ほぼ9割方、青森県の関係者だと思うが、私の目の前に座っている人たちだけでも、何人かうなずいていた。
この点に対しては、「水産庁に伝えておきます」と言っていた。

関連して、今、思いついたことなのだが、型のいいサバ資源が増加しているし、イワシ資源も回復していることを考えると、まき網漁業のスルメイカTACは、ゼロでいい。
もともと、闇混獲以外は、まき網漁業の漁獲対象とはなっていなかったからである。

北朝鮮、韓国、中国の船が、漁獲しているスルメイカは、10万トンから20万トン獲っているのではないか、という話もしていたが、はっきりわからないようだ。
それにしても、けっこう莫大な量である。
海洋環境の変化や外国船の漁獲などの外的要因は、そう簡単に解決できるものではない。
したがって、できることから、やらなければならない。
どの魚種についても同じことだが、親魚の確保である。

研究者は、スルメイカの資源回復措置水準にするためには、親魚を5.3億尾必要なのだという。
つまり、獲りすぎるな、ということなのだ。
2そう曳きトロールを私が非難するのは、獲りすぎる漁法だからである。

意見交換会の冒頭で、会合ではつきもののエラい人たちの挨拶があったが、そこで良いことを言った人がいた。
「今だけ」「オレだけ」「カネだけ」
この、3だけ主義が、魚類資源減少を促すのだと。
岩手県の2そう曳きトロールは、この3だけ主義そのものである。

今回の会合では、GFWというサイトを紹介していた。

Global Fishing Watch

これにより、膨大な数の韓国や中国船の数を追跡できるそうだ。
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2018年08月05日

するめいかローカル群を大事にする施策を

こんにちは。
私は、自分の腕の悪さに感動している。
太平洋昼いかに来て、まだ100箱という数字を見ていない。
岩手県に水揚げされたするめいかは、昨年同期比で、4.8%である。
昨年の何割減というのではなく、95%減である。

http://www2.suigi.pref.iwate.jp/research/20180802fishery_during

非常に深刻な大不漁である。

青森県の統計はどうなっているのかわからないが、八戸の最初の漁が遅く、また、昨年より最初の漁も悪かった。
だから、こちらも、かなりの減少となっているはずだ。

日本海も、石川県をはじめ、昨年より不漁であり、北海道も、沖合い漁場(凍結船)の不漁から、稚内なども単発的な漁となるのではないか、と噂されている。

こうなると、太平洋ローカル群や新潟、山形沖のローカル群が重要だ。
八戸前沖のするめいかは、たぶん、ローカル群である。
早い段階から、バラいかを八戸のトロールが獲っているから。
もし、冬生まれ群が回遊してくるのなら、もっと水温が高くなってからのはずであり、実際に、水温の低い時期の三陸いさだ漁で、するめいかの稚魚が混じることがある。
3月に、東シナ海の冬生まれ群がここに到達しているとは考えられない。
したがって、1月以降は、太平洋ローカル群に産卵機会を与えるために、するめいかの禁漁を実施すべきである。
特に、トロール漁業は、そうすべきである。

今年の新潟、山形沖の漁は、かなり遅く始まった。
先発隊は、5月初日から操業しているが、初日は皆無だったらしい。
その後、ヒラ瀬と呼ばれるところで少し釣れたが、その後は、するめいかの顔を見るのが大変だったようだ。
私は5月13日から操業しているが、その日、知っている船に連絡をとってみると、ベタ凪だから、しかたなく中瀬で針を下げているだけだという。
こうなると、沖合いの瀬の調査しかなく、その日は、鎌瀬で7尾、向瀬で2尾、瓢箪瀬で8個であった。

ここで尊敬すべきは、C丸である。
彼は、とにかく広範囲に調査することで有名である。
今年も、誰も出漁しない時に、すでに佐渡島を一周している。
こういう人が、漁模様を作るのである。
実際、かすかな8個という模様で、その数日後、彼だけが瓢箪瀬に出漁し、数十個獲ったのをきっかけに、翌日から急に漁が出たのだ。
それでも、彼のことをよしとしない人間がいるらしい。
そういう人間が、世の中の憎悪を生むのである。

話が脱線したが、新潟、山形沖のバラいかもローカルではないか、と私は思っている。
先行する石川県では、すでに同時期、新潟沖のするめいかより、かなり型がよい。
また、北上群の獲れる北海道では、同時期の新潟沖のするめいかより、やはり型がよい。
これをどう説明したらよいのだろうか。
もし、東シナ海秋生まれ群が北上して、南から順番に獲れるのなら、各地、小さいサイズから、大きいサイズが順番に獲れるはずであるが、実際には、新潟、山形沖のするめいかは、他の地域より小さい傾向にある。

これは、地元のS丸さんから聞いた話であるが、佐渡島のいか釣り船は、1月と2月で、1000万円くらいは水揚げするようだ(県外船は1月から4月まで禁漁)。
ということは、新潟、山形沖の瀬で、この時期に、するめいかは産卵しているだろう。
だから、この海区で獲れるするめいかは、小さい傾向にあるのではないか。

結論。
東シナ海の産卵群に期待できない現在、日本各地のローカル群の資源を大事にするしかないのである。
この考えを基本とし、どの漁業に制限を加えるべきか、検討すべきである。

八戸昼いかは、今週末まで天候があやしい。

http://www.bioweather.net/chart/pressure.htm

今年の傾向は、悪天候が長続きする。
たった数十個の水揚げで、操業日数が減ってしまうのは、かなりの痛手である。


posted by T.Sasaki at 16:35| Comment(0) | 漁業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月15日

マグロに針をやられる

こんにちは。

この前の操業時、集魚灯を点灯して、順調にいかが釣れ出した。
1時で110個あがったから、3時まで操業すれば、もしかして200個になるかも、と期待していた。
それほど、どんどんあがりが良くなっていった。
しかし、マグロが来て、針をやられてから、1箱もあがらなかった。
噂には聞いていたが、マグロは、太平洋のアオザメより悪い。
アオザメは、針に悪さをして、落としてしまうが、いかをそれなりに釣らせてくれる。
マグロは、まるっきりダメ。

何十年と日本海に来ているが、私は初めて、マグロに針をやられた。
特に、今年は、多いようだ。

マグロが増えている、という日本の漁業者の主張は、正しいのではないか、と思う。
どこの定置網でも、マグロがたくさん入って、それを殺さないようにするために、他の魚もすべて逃がさなければならない。
各地域の台所を支える定置網がこんなありさまでは、ひどいものだ。
こんなことをするなら、まき網のマグロ割り当てをゼロにしてしまい、その分、定置網や延縄に振り分けたほうがいい。
まき網漁船は、各地の魚を水揚げするわけではなく、例えば、境港などのある特定の市場にしか水揚げしない。
日本全体のことを考えるなら、大型まき網は、どんどん減船すべきである。


posted by T.Sasaki at 14:16| Comment(0) | 漁業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月05日

納得いく説明ができない水産庁

こんにちは。
先日書いた「安いひらめとまぐろ」のことを、次の二つで、勝川俊雄さんが解説している。

https://news.yahoo.co.jp/byline/katsukawatoshio/20180629-00087280/
https://news.yahoo.co.jp/byline/katsukawatoshio/20180704-00088033/

学歴の高い水産庁職員が、なぜ、こんな判断をするのか、理解に苦しむ。
小型漁業者側に、納得のいく説明をできないでいる。
漁業者以外の人間がこの問題を考えても、納得できないだろう。
posted by T.Sasaki at 16:34| Comment(0) | 漁業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月26日

新潟漁協の行く末

再び。

「手段の目的化に注意」という言葉から、常々、新潟漁協のことで思っていることを書く。

現在、新潟漁協は、非常に苦しいのだそうだ。
今年、職員の首を3人も切ったという(表現が悪いが、言葉狩りは御免被りたい)。
新潟漁協管内の漁船数は少なく、その水揚げ手数料や購買収入などだけでは厳しい。
外来いか釣り船から落ちるカネに、かなり頼っていると言われている。
私の記憶では、多い時で80隻ぐらいは来ていて、常時50隻ぐらいは入港していたと思う。
それが、年々少なくなり、昨年は、多くて30隻、常時、15から20隻程度。
今年は、最大20隻ぐらいであり、昨年より入港隻数は少ないと思う。

原因の一つに、いか釣り漁場の遠さにある。
往復100マイルも船を走らせるものだから、燃油高もあり、ここで商売するのは大変だ。
しかし、最大の原因は、要らない法律群である。
新潟漁協は、いろいろな組織に属していて、その申し合わせ事項にがんじがらめにされている。
漁協側は、入港している船主たちから、「この制限は緩和してくれないか」と要求されるが、漁協側は、「規則ですから、どうにもならないんですよ」と諭される。
これは、ずっと続いてきたことである。
したがって、嫌気がさして、他港へ転向した船もある。
だから、たまに外来船が何かやらかせば、漁協側としては、黙認したい気持ちにもなる。
人間だから、「かわいそうだ」という気持ちにもなる。
本当は、漁協側は、黙認したいのである。

しかし、だ。
なぜか、新潟漁協だけが標的にされ、他港に水揚げしている船頭から、その黙認内容に対し、抗議の電話が入るらしい。
もっとひどいのになると、新潟入港船の中に、そういう抗議をする人もいると聞く。
ここに黙認内容を書くわけにはいかないが、腹を割って話をすれば、「この申し合わせはおかしいよな」となるほどのことだ。
このことに関して、入港している船頭たちは、みんな自信を持って言える。
ただ、県外船であるから、おとなしくしているしかない。
(本当に、新潟港入港船は、よってたかって、いじめに遭っているようなものだ)

そこで、一応、私は、組合職員に提案しておいた。
外来船から出資金を募り、準組合員にして、組合構成員の意見を上げる、という形にすれば、新潟漁協側もずっと楽になるのではないか、と。

現状では、このような原因から、新潟漁協はどんどんダメになり、いずれ、佐渡島漁協に合併されることになるだろう。
そうなった場合、佐渡島漁協の人たちは、新潟港の漁業施設をどうやって維持していくのか。
それとも、冷徹に、新潟市の漁業そのものを廃棄するのか。

この責任は、申し合わせ事項を定めたすべての組織にあると思う。
申し合わせなどの規則は、ちゃんとした目的があって、その効力を発揮する。
しかし、結果として、こんなに漁協の職員を切るほどの規則のほうに無理があるのであり、逆に考えてみれば、規則の目的自体に、意味がなくなっているのである。
つまり、外来船に規則を守らせる、というのが、目的となってしまって、それが不幸を生む原因になっているのだ。

「手段の目的化に注意」という言葉から、つい書いてしまった。
このことで、もしかして、私は、新潟県の許可を切られるかもしれない。
そうなったらなったで、しかたがない。

その時は、さよなら。
posted by T.Sasaki at 17:33| Comment(0) | 漁業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月06日

鮭を獲らせろ、の裁判について

こんばんは。

先日、「鮭を刺網で獲らせろ!」裁判があり、訴えた側は負けて控訴したようだ。

https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201803/20180324_33045.html
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201804/20180406_33022.html(「河北新報オンラインニュース」)
(今朝の岩手日報にも記事があったが、Web版にはない)

私は、「海はだれのものか」を読んでからというもの、漁民組合側は負けると思った。
「漁を解禁すると多くの漁業者が参入し、漁獲量の調整が困難になる」という裁判長の判断は正しい。
漁業法で定められている権利が、慣習に基づいているのは、漁業調整が困難になるからである。
誰もが、“平等に”鮭を獲る権利があるのなら、誰がどうやってその資源分配や漁法の設定などをやるのか、非常に難しくなる。
まき網漁業だって、「苦しいから」獲りたい、といい始めるかもしれない。
誰だって苦しくなれば、そういう。
どうやって収拾をつけるのか、逆に質問されたら、漁民組合側は、何と答えるのだろう。
海の利用で、“平等”を盾に権利を主張するには、非常に無理があるから、漁業法では、慣習を大事にするのである。

すでに、小型船漁業では、延縄という漁法で数十年も鮭を獲っているから、これは権利となっている。
許可漁業といえども、それは広義の漁業権である。
もし、10月16日以降に、延縄漁業と刺網漁業が平行して操業することになる場合、刺網漁業者は、少なくとも、実績のあるすべての延縄漁業者からの同意をとる必要がある。
彼らは、脅すことがあっても、延縄漁業者から“了解”をとる努力をしたことがないのではないか。
もちろん、河川捕獲の事業者からも、すべての同意が必要であることは言うまでもない。
10月16日以前の刺網なら、さけ延縄漁業には影響ないから、あとは、河川捕獲の事業者との同意のみである。

しかし、である。
どこにでも昔はいたと思うのだが、鮭の刺網の密漁をやっていた人の話を聞くと、「そんなに甘くない」と言う。
定置網が大漁になるような時期でなければ、刺網にも、たくさんはかからないそうだ。
10月16日以前の許可なら、意味があるのかどうか、という話である。
商売にならないような刺網なら、ただの資源減少の道具でしかない。

岩手日報紙では、「サケの乱」という特集記事を掲載している。

https://www.iwate-np.co.jp/page/sake(「岩手日報」)

第4部「4億匹を問う」というシリーズでは、現在のふ化放流事業のあり方を論じていて、ただ単に、この事業をやっていればいい、というものではないことがわかる。
この舵とりは非常に難しいと思う。

第4部の「がんじがらめ」という記事に、補助金支出で増殖事業を行っているのだから、「鮭を刺網で獲らせろ!」という裁判をやっていることが書かれてある。

https://www.iwate-np.co.jp/page/sake/page-6188(「岩手日報」)

それならば、ふ化放流事業(増殖事業という言葉を使われているが、実際には単なるふ化放流の継続事業にすぎない)に税金を一切使うな、と訴えるべきである。
記事にあるとおり、現在、この事業は曲がりかどに来ている。
もし、本当に税負担と社会的影響を考えてのことならば、そうするべきである。
簡単なことだ。
補助金がなくなったなら、各漁協でふ化場の運営経費と鮭の漁獲収入とを考え、撤退する漁協も出てくるだろう。
このほうが、スッキリしてわかりやすい。

漁民組合の主張で、青森県や宮城県では、鮭を刺網で獲っている、とはいうが、聞いてみると、青森県では、共同漁業権海域のみで、沖合では禁止。
宮城県でも、10トン未満のみの許可であり、近年の不漁で、商売になっているのかどうかわからない状態らしい。
何度も書くが、商売にならないのなら、刺網は、ただの資源減少の道具でしかない。

漁業権について」で取り上げた「海はだれのものか」の同じ引用を引く。

 判決が「慣習に基づく権利」を否定した背景には、司法界に、行政に反する判決を出さない傾向がきわめて強いことに加え、「慣習に基づく権利」を認めようとしない風潮があるように思われる。
 しかし、慣習法は、いいかえれば、司法や行政に依存せずに地域社会を運営するための規範であり、成文法ではカバーし得ないさまざまな事項についての「住民の知恵の結晶」ともいうべきものである。慣習法に基づいて地域社会が運営されるということは、いいかえれば、慣習法によって住民自治が成り立つということである。近年、地方分権が盛んに叫ばれているが、慣習法は、地方分権どころか、住民自治を実現するのである。
 また、慣習法を熟知しているのは地域住民であり、地域に住んでいない裁判官や学者ではない。慣習法の存否が当該慣習法を全く知らない裁判官によって判断され、慣習法を熟知している地域住民がその判断に従わざるを得ないというのは、実はおかしな話なのである。
(前掲書p178)


ここに「行政に反する判決を出さない傾向がきわめて強い」とあるが、行政裁判は、一般にやるだけ無駄である、とされる。
今回の場合、鮭の刺網に、過去の「慣習」も何もないのだから、どうやっても勝ち目はない。

彼らは、担当弁護士に騙されたのではないか、と思う。
担当弁護士は、漁業法がどういう法律なのか、勉強したのであろうか。
まだ裁判長のほうが勉強している、といわざるを得ない。

「鮭を刺網で獲らせろ!」と言い始めたのは、魚類資源が減少し、漁船経営が悪くなったからであり、もし、沿岸漁業が栄えていたなら、誰もこんな裁判を起こさなかっただろう。
もちろん、私には、“裁判で訴える”などという度胸はない。
その点は、「すごいことやるものだなあ」と思ったりしたが、こんな元気があるならば、2そう曳きトロールを、法律違反として告発したほうがずっと正義だし、やりがいがある。

あ〜、その情熱がもったいない。
県や各組合の組合長を敵に回してまでやるような裁判ではなかった。
posted by T.Sasaki at 20:43| Comment(4) | 漁業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月22日

法律を悪質に解釈している2そう曳きトロール

こんばんは。

雨で暇なので、今日も県庁の水産振興課に電話をし、「捕まった漁運丸です」と名乗り、それでもいろいろと教えてもらった。
岩手県のWebサイトには、「漁業取締対象」というページがあり、ここに各漁業の違反行為が列挙されている。
こういうページがあったんだなあ(取締船の電話番号まで書いてある)。

この中に、沖合底びき網漁業もある。
注目してほしいのは、「禁止漁具・漁法」である。
網口開口板の使用を禁止している。
そして、これを記載している法律は、というと、「指定漁業の許可及び取締り等に関する省令」である。
この第17条には、次のようにある。

指定漁業者は、別にこの省令で定める場合のほか、別表第二の上欄に掲げる指定漁業につき、それぞれ同表の下欄に掲げる操業の区域若しくは期間又は特定の区域若しくは期間における特定の漁具若しくは船舶を使用し若しくは特定の漁法によつてする操業若しくは特定の種類の水産動物の採捕に関する制限又は禁止の措置に違反して当該指定漁業を営んではならない。

法律の条文というのは、読むのが疲れる。
この中の別表第二に、各指定漁業の禁止事項が書かれている。
全条文の下にある。

沖合底びき網漁業の欄の、「三」に、網口開口板の使用は、禁止とある。
隣の宮城県は例外であり、北海道にもあるが、オッターライン禁止ラインというのが存在し、かけまわしより操業区域は沖合となっている。
なぜ、網口開口板の使用を禁止したのか?
おそらく、その理由は、資源保護上の観点からだと思う。
それ以外の理由は見当たらない。

岩手県は、「指定漁業の許可及び取締り等に関する省令」第17条から、もちろん網口開口板使用禁止である。
現在の2そう曳きトロールは、網口開口板を使用していない。
しかし、2そうで袖網の両側を曳くのだから、網口は閉じない。
実質は、網口開口板を使用しているのと同じであり、条文中の「網口開口板」という文字を使っていないというだけである。
法律の抜け道を利用しており、悪質と言える。。
さらに、網口開口板1そう曳きトロールよりも網口は広く、2そうで曳く馬力アップ版だから、悪質極まりない。

小型船の「鮭を刺網で獲らせろ」裁判の背景の一つには、大臣許可のトロールが鮭を網で獲っていることにもあると思う。
ここで、先ほどの「指定漁業の許可及び取締り等に関する省令」第93条を載せる。

法第六十五条第一項及び水産資源保護法第四条第一項の規定に基づき、赤道以北の太平洋の海域においては、総トン数十トン以上の動力漁船によりさけ又はますをとることを目的とする漁業(中型さけ・ます流し網漁業及び法第六十六条第一項の規定による小型さけ・ます流し網漁業を除く。)を営んではならないものとする。ただし、漁業権若しくは入漁権に基づいて営む場合又はさけ若しくはますをとることを目的とする漁業についての法第六十五条第一項若しくは第二項又は水産資源保護法第四条第一項若しくは第二項の規定に基づく都道府県規則の規定による都道府県知事の許可を受けて営む場合は、この限りでない。

これは以前、どこかで引用したことがあると思うが、トロールはもちろん10トン以上であり、獲ってはならんのだが、「さけ又はますをとることを目的とする漁業を営んではならない」と条文にあるから、混獲なら認める、ということになる。

しかし、だ。
「指定漁業の許可及び取締り等に関する省令」第17条の別表第二の、大中型まき網漁業の制限事項には、「七」として、次のように書いてある。

さけ又はますの採捕であつて大中型まき網漁業の操業に係るもの(総トン数十五トン以上の船舶を使用して行うものに限る。)は、太平洋の海域においては、禁止する。

同じ指定漁業でも、まき網漁業は禁止できて、なぜ、トロール漁業は禁止できないのであろうか。

かけまわしでは、本当のたまにしか鮭は入らないといわれるが、2そう曳きは、鮭をたくさん獲ってくる。
早期群は、水温の関係上、水面付近へ浮いてくることは少なく、海底を泳いでいるのだろう。
一度網に入れたら、その群れの行動を予測し、次回も鮭を狙って網を使うらしい。
そうやって、2そう曳きは鮭を狙う。
もし、完全に禁止だったら、鮭を狙うことはしないだろう。
その分、各河川へ鮭が帰る確率は高くなる。

法律で禁止するのが無理ならば、岩手県の増殖賦課金を、水揚げの50%以上掛けれるようにすれば、2そう曳きは鮭を狙わない。
いや、80%でもよい。
混獲ならば、こんなカネは要らないはずだ。
このカネをほしいというのならば、それは、「鮭を目的」としているのだから。

仮に間違って鮭が入ったとしても、食べるか、それとも捨てることになるかもしれない。
が、それはそれで、底魚の餌になるのだ。
何より、2そう曳きが鮭を狙わなくなるだけで、河川遡上は、いくぶん増えるのである。

法律から、いろいろぐちゃぐちゃ書いたが、結論はこうだ。

2そう曳きトロールは、法律条文を、悪質に解釈した漁業なのである。

小型船の人たちは、ここを読んで納得したら、それを武器にして論陣をはってほしい。
私たちは、海のために、悪いことをしているのではないのだ。
posted by T.Sasaki at 20:57| Comment(0) | 漁業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月21日

漁業法の目指す未来

再び。

漁業は慣習が重要である、というのが、漁業権に対する理解からわかった。
しかし、目下の問題は、魚類資源の減少である。
漁業調整の基本法である漁業法は、ここで何を目指したらいいのか。

くどいようだが、漁業法第1条には、「漁業生産力を発展させ」という目的が書かれてある。
「漁業生産力を発展させる」とは、どういうことか。

世界有数の漁場である三陸沖をはじめ、日本の海に魚があふれていた時代、「漁業生産力の発展」は、よりよい漁法の開発、よりよい漁具の開発、よりよい探知計器類の開発であり、それにより、漁業効率が良くなり、確かに生産力は発展した。
しかし、生産力だけを向上させ、効率のよい漁業の制限をあまりしなかったために、魚類資源は非常に減少したのだ。

今後の「漁業生産力の発展」とは、何を指すのか。
それは、魚類資源を増大させる取り組みではないだろうか。
魚が多くならなければ、漁業生産力は発展しない。
したがって、効率のよい漁業には、大きな制限が必要になるのは言うまでもない。
「岩手県漁業調整規則」の第1条には、「漁業法」と並んで、制限法律である「水産資源保護法」というのが書かれているが、実際には機能しているとは言えない。

大型まき網漁業は、とんでもなく優秀な探知能力のある高価な魚探類を装備し、手加減しないならば、沿岸域にある魚類は、ほぼ取り尽くしてしまうだろう。
今や、彼らはそれを自覚しているのではないか(と思うが・・・)。
漁法自体、その気になれば、生きたまま放流できるのだから、厳しく資源管理“できる”漁業である。

沖合底曳網(トロール)漁業は、網を引き揚げた時点で、ほぼ網の中の魚は、瀕死の状態である。
小さい魚を放流する、などということはできない。
放流しても、海鳥の餌となるだけである。
したがって、まき網漁業のように、資源管理“できる”漁業ではないから、制限を厳しくすべきである。

岩手沖合を操業している2そう曳きトロールは、史上最悪の漁法である。
開口板トロールの馬力アップ版と理解してよい。
概念図は、全国底曳網漁業連合会のWebサイトでリンクしてある。

http://www.zensokoren.or.jp/trawl/trawl_fisheries.html(「一般社団法人全国底曳網漁業連合」)

トロールの3つの漁法のうち、船頭の腕前がわかるのは、かけまわし、である。
かけまわしは、網を入れる位置の正確性が問われる。
開口板と2そう曳きは、そんなものは要らない。
かけまわしに比べれば、極端に言うと、バカでもできる。
魚のいる場所を経験的に覚え、魚の移動予測と季節変動を加味すれば、きっと優秀な船頭といわれるだろう。
ただそれだけのことだ。

ある船主が言っていたのが、バカでもできる漁業は、小型船では、かご漁業である。
「バカでもできる」と私が聞いたときは、「そうかなあ」と疑ったものだが、なるほど、他の漁業に比べれば、バカでもできる。
これは何を意味するか。

かご漁業は、場所に道具を設置すれば、あとは、ただの餌交換である。
燃油代や餌代を差し引いても、丸々赤字で帰ることはほとんどない。
だから、経営的に簡単な漁業であり、それゆえに、ただやっているだけでよい漁業の一つであろう。
このことから、ある船主は「バカでもできる」と表現したのだと思う。

では、なぜ、私は「商売にならない」と言って切り上げたのか。
それは、普通の賃金を乗組員に支払い、船の償却分や道具の償却分、その他を考えると赤字になるから。
この判断は、その船の大きさにもよるし、家族労賃を考えない船主なら赤字ではない。

震災前後に、ある会合で水産技術センターの人と話したのであるが、彼は、新規着業者には、かご漁業を勧めるのだという。
理由は「やりやすいから」ということだったが、これは「バカでもできる」と証明したようなものである。

「バカでもできる漁業」というのは、すなわち、経営的に楽な漁業である。
2そう曳きトロールも同じ構造であり、かけまわしのように、船頭の腕前をそれほど必要としないから、経営側とすれば、船頭を選ぶ必要もなく、経営は楽である。
したがって、両漁業とも、淘汰されにくいと言えるだろう。

一般的に、政府の補助でもない限り、魚の資源量の増減により、漁船は淘汰される。
腕前のない船頭は、淘汰されるのである。
漁船数が減少していけば、魚の資源量は増加する。
他の条件がなければ、魚の資源量と漁船数は比例し、魚の増減で、倒産と起業が繰り返される。

現在は、冷凍技術や流通の発達により、魚価が上がっているから、資源量が減少しても減額分をカバーしていると言っていいだろう。
これだと、もともと経営的にやりやすい漁業というのは、ますます淘汰されにくい。
2そう曳きトロールにしろ、かご漁業にしろ、倒産したという話は聞いたことがない。
したがって、これらの漁業では、制限を強くしないと、魚を獲り尽くしてしまう。
経営的に楽な漁業が苦しくなったら、いよいよ、本当に海に魚がいなくなった時である。
現状のままでは、未来は非常に暗い。

漁業法第1条に戻るが、目的を「漁業生産力の発展」としているから、魚類資源を増大させる取り組みが、絶対に必要となる。
私は、ブログ冒頭の「日本の漁業が崩壊する本当の理由」を読んでからというもの、「魚類資源減少について」というシリーズを書いてきた。
結論は、ずっと同じ漁業をやっているのではなく、旬の魚を目的として獲る工夫をする、ということだと思う。
漁がなくなっても、それを獲ろうとする努力は、無駄な努力であり、資源を減らすだけである。

「旬の魚を獲る」ということを優先し、効率のよい漁業ほど制限を強くするという漁業調整を行っていくことで、「漁業生産力の発展」が可能になるのである。
posted by T.Sasaki at 21:30| Comment(0) | 漁業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月19日

毛がにを獲っていい漁業

こんばんは。

昔の新造船進水式」で昔を思い出したが、良かった時の思い出ある分、私は、まだ幸せなのかもしれない。
魚類資源が復活して、また良い時代が来ればいいと本当に思う。。
それが私でなくて、後の、やる気のある若い人たちであっても。

私は落ち込んでも、ほとんど一晩寝れば回復タイプなので、すでに日本海へ行くための準備をやっている。
来月初めからは、本格的に艤装しようと考えている。
その前にいろいろ用足しがあり、今日は、そのついでに漁協へ行って、参事に「とんでもない出来事」のお詫びを兼ねた報告をし、さらに、いろいろと言ってきた。

フェリー定期航路に関すること。
外国人労働者に関すること。
そして特に、毛がにの採捕についての不満(これに関しては、下のほうに記したものを主に言ってきた)。
こうなった事件の背景には、私が「2そう曳きトロールをかけまわしに転換せよ」と言っていることにあるかもしれない、ということ(「2そう曳きトロールをかけまわしに転換せよ」というのは、私が沿岸組合いか釣り部会での会合で提案したのが始まりである)。
取り締まり船に通報していたのは、トロール漁船ではないか、という噂もあること。

この通報に関しては、取締り事務所は、尋ねても教えてくれない。
「通常の夜間パトロール」とは言うものの、宮古湾から追跡してきた写真を見せられると、どう考えても、「通常の夜間パトロール」ではない。

自営業者がこのようになったら、もう恐いものはない。
行き着くところまで行く。

ここで、毛がにに関して、一般に言われていることを書く。
毛がにを獲っていい漁業は、かご漁業、そして、固定式刺網漁業である。
ほかに、大臣許可の沖合底曳網漁業があるが、あの道具では毛がには入らない。
ただ、毛がにの甲羅をつぶすだけである。
近年、甲羅に傷が多く、また、足が片側しかないものが多く見られるようになった。
これは、2そう曳きトロールの影響ではないか、という人もいる。

毛がには、早い時期ほど深い水深にいて、春の脱皮する時期にかけて、岸よりの浅い水深へと上がってくる。
私の経験上、大きい毛がにほど、深いところに多い。

かご漁業には、沖出し禁止ラインというのが存在する。
トドが埼以南は、問題なく200mという深い水深を操業することができる。
しかし、宮古市明神埼以北は、ほぼ水深160mという浅い水深に規制ラインがあり、それより沖合で操業してはならないことになっている。
今回の私の違反行為は、このことによる。
だから、違反行為の理由は、浅い水深に毛がにがいないから、というもので、ちゃんと供述調書にも記載された。

もう一つ、小型船で毛がにを獲っていい漁業がある。
それは固定式刺網漁業であるが、毛がにを目的として操業してはならない、というような条件が付いている。
だから、毛がにの採捕を目的として操業していい漁業は、かご漁業のみである。
固定式刺網漁業には、沖出し制限があるのかないのかわからないが、とにかく、深い水深を操業できるから、大きな毛がにを獲ってくる。
昔々、私が高校生の頃、漁運丸も固定式刺網漁業をやっていて、マダラを獲っていた(マダラは300m以深)。
許可条件が変わっていないなら、沖出し制限がないのかもしれない。

明神埼160m付近の規制ライン沖のやや北側には、固定式刺網漁業の人たちも操業している。
規制ラインより1マイル以上も離れているから、その間には、何の道具も入っていない。
「誰の邪魔にもならないから、ちょっとぐらい」というのが、まあ、私のやったことだ。

でも、よくよく考えてみると、岩手県の許可の出し方がおかしい。
「正式に毛がにを獲っていいよ」というかご漁業が、正式に獲ってはならない固定式刺網漁業より、不利な操業条件になっているのだから。
しかも、南は堂々と獲っているのに、北は獲ってはならん、と言っているようなものではないか。

「県の水産部は、何も知らないのかも?」

というのは、気の使いすぎ。考えすぎ。
県は、水深160mでは、毛がにが獲れないのを知っている!
獲れたとしても、ぎりぎり7cmの小さい毛がに。
事実、北ほど、一番小さい規格の毛がにがほとんどである。
だから、毛がにを獲っていいかご漁業の許可は、県南のための許可なのである。
同じ許可で、これほど条件が不平等なものも珍しい。

県は、県北の人たちに意地悪なのか?

そうではなく、大臣許可の沖合底曳網漁業との漁業調整がうまくいっていないことに、こんな不平等な許可の原因がある。
何か、昔に定めた申し合わせみたいなものがあるようだが、県もはっきりと示さない。
何十年もこんなことを続けているのだから、県のほうにも落ち度がある。

宮古市では、市民の税金で、毛がに祭りを開催している。
このため、宮古魚市場の毛がにの相場は、県内一である。
喜んで、釜石以南の毛がに漁業者も、宮古へ搬入する。
これではまるで、宮古市の税金を、県南の漁業者のために使っているようなものだ。
宮古市の毛がに漁業者は、あまりにもかわいそうだ。

腹が立つ。
posted by T.Sasaki at 20:49| Comment(1) | 漁業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月11日

許可とは

再び。
それでは、「海はだれのものか」の続き。

正直にいうと、私は今まで「許可」というものを理解していなかった。
漁業権について」で少し触れているが、許可とは、禁止していることを解除する、という意味であるそうだ。

 漁業は、本来、免許や許可を受けずに誰もが自由に営める「自由漁業」であるが、一般公衆の共同使用を妨げてしまうような漁業は、「漁業調整」の観点から一般的に禁止されている。しかし、そのような漁業といえども全面的に禁止して一切認めないことは同じく「漁業調整」の観点から好ましくないので、特定の者に禁止を解除して認めることがある。それが「許可漁業」である。
(「海はだれのものか」p81)

法律というのは、非常にまわりくどい。
しかし、許可が禁止の解除という役割を担っているのがわかると、なるほど、謎が解けた。
例えば、あわびやかぜ(うに)である。
それらは、一般的には、採捕禁止なのだ。
しかし、各漁協の正組合員という特定の者に許可して、初めて採捕できるわけだ。
したがって、それ以外の人たちは、どうやっても採ることはできない。

ところが、わからないことがたくさんありすぎる。
いか釣り漁業で旅すると、各県ごとの許可が必要であり、もちろん、自県の許可も必要である。
5トン未満のいか釣り船は、自由漁業扱いなので、もともと、5トン以上の漁船はいかを獲ってはならない、という法律があるのかもしれない。
そのため、各県で、それを解除するために、許可を出している、という解釈なのだと思う。

こうなると、何を獲ってよくて、何を獲ってはならない、というのは、漁業法以下、すべての法律や漁業調整規則を調べなければならない。
私たち漁業者には、とんでもない話だ。

岩手県漁業調整規則は、Webのどこにあるのだろう?
探せない。
自分の足で探すしかないのか。
posted by T.Sasaki at 21:05| Comment(0) | 漁業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月08日

浜本幸生さんについて

こんばんは。

漁業権までは書き、次は、漁業法のことに触れようと思ったが、漁業権のことで、浜本幸生さんを無視するわけにはいかない。

昨日の引用に、「共同漁業権論」、正確には、「共同漁業権論−平成元年七月十三日最高裁判決批判」があったが、これは、浜本幸生さんの遺作であり、出版されてから、すぐに亡くなったらしい。

「海はだれのものか」に巻末のほうに、「付論 浜本幸生さんのこと」がある。
これを読めば、著者の熊本一規さんの先生が浜本幸生さんであることがわかり、また、浜本幸生さんがどういう人だったのか、というのもわかる。
その一端を表現した文章を載せる。

 浜本幸生さんが、99年11月4日、逝去された。水産庁に50年に入庁されて以来、ほぼ一貫して漁業法の解釈にあたってこられ、また、大分の風成裁判をはじめ、漁業法の解釈をめぐる多くの裁判でも証人として立たれた元水産庁漁業調整官である。「漁業法の神様」と呼ばれ、漁業界や中央・地方の官庁の漁業調整担当者には知らぬ人がいないぐらいの存在であった。退職後もしばしば水産庁から問い合わせを受け、氏の見解がそのまま水産庁の回答になることが続いた。漁業法に関して、最後は、水産庁も裁判所も含め誰もがこの人の判断を仰ぐ、文字どおりの「漁業法の神様」だった。
(中略)
 茶目っ気旺盛で自由奔放な浜本さんは、お世辞にも行儀のいい方ではなかった。管理されるのが嫌いで、「学校嫌い」「病院嫌い」といわれていた。中学では、教師がよってたかって放校処分にしたそうだから、また水産庁でも、入庁してまもなく、「生意気だ」と言って上司に殴って有名になったそうだから、奔放さも並み大抵ではない。訪ねていくと、よく足を机に上げて、思索に耽ったり、本を読んだりされていた。私の訪問に気付くと、ちょっと照れたような表情で足をおもむろに下ろされ、相手をしてくださった。あんな格好が許されていたのも、水産庁で別格(神様)扱いされていたからだろう。
(「海はだれのものか」p188)


1999年とは、平成11年であり、その後、平成13年に漁業法が改正されたのだから、本当のところ、水産庁は、ちゃんとした人間のいるところなのかもしれない。
熊本一規さんも、「海はだれのものか」のあとがきで、次のように書いている。

 他方、共同漁業権の総有の権利であることを守ってきたのは、明治時代以来、一貫して水産庁である。水産庁は、開発利権とは無縁であり、漁民の立場に立って行政を行っているからである。
(前掲書p196)


ところが、現実の水産行政は、「全国の小型漁船漁業」vs.「まき網漁業及び沖合底曳漁業」の構図の中にあり、各県の許可漁業と国の指定漁業と対立しているように見える。
しかも、魚類資源が減少している中、どう考えても、指定漁業側には、分がないように思う。

「海はだれのものか」に書いてあるとおり、明治時代から水産庁の漁業調整に関する部署は、ずっと漁業法を守ってきたのであろう。
水産庁の組織は、漁政部、資源管理部、増殖推進部、漁港漁場整備部に分かれていて、漁業調整課は資源管理部にある。
そして、資源管理部は、もちろんのこと、TACを受け持っている。

ここからは、私の推測になるが、きっと、資源管理部の内部は、対立しているのではないか。
なぜなら、漁業法第1条に、「漁業生産力を発展させ」る、と書いてあり、現在の指定漁業は、逆に漁業生産力を衰退させているからだ。

この事態を、浜本幸生さんは、どう考えているだろうか。
posted by T.Sasaki at 20:16| Comment(0) | 漁業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする