こんにちは。
改正漁業法シリーズをお休みしてたが、再開しようと思う。
これをぜひ書いてしまって、「
今後のこと」にも記したように、保存版として残す。
なぜ、そんなことをするか、というと、わかりやすい漁業法の解説、というのがないからだ。
本にしても、Webにしても。
会社組織で、余裕のある重役たちは、それでも本を読めばわかるかもしれないが、弱い立場の一般漁民は、そういう余裕はないと思う。
しかし、法律のことを少しでもわかっていれば、いざ、権力と闘う時、力となるだろう。
法律だからといって難しく考える必要はない。
基本である目的などの根幹を頭に入れておくだけでよい。
連なる条文は、その目的から考え出されたものだからである。
私が書いた「
漁業法の理解」シリーズは、わかりやすい言葉で書いているから、根気強く読めば、一助になると思う。
もし、もっとわかりやくてよい表現があるならば、連絡してほしい。
それでは本題に移り、今日のは、改正漁業法第1条から「漁業調整」の文言がなくなった理由を書く。
この問題は、一度、「
漁業調整について」で、私は、
漁業法は、「漁業調整」を基本的に定める法律であるから、改正前の第1条の条文のほうが、私は適していると思う、と書いている。
しかし、改正漁業法では、「
漁業調整委員会制度が漁業法における基本的な仕組みとして既に定着していることも考慮し」として、削除している。
(※)まあ、言っていることはわからないではないが、一般の漁業者や漁業者以外の人へ理解を促すには、一発目に、この法律は、大きな意味での漁業調整を定めたものとやらないと、理解が遠くなる。
「
漁業調整機構」の「
機構」という言葉はなくてもいいが、「
漁業調整」という言葉だけで、みんなが理解できるのだ。
2項目に、改正漁業法第1条の「
水産資源の保存及び管理」「
水産資源の持続的な利用を確保する」という言葉を持ってくる。
私は、改正前の第1条のほうが良かったと思っている。
(※)
改正の前後を通じて重要な変更点の一つは、第1条の条文から「漁業者及び漁業従事者を主体とする漁業調整機構の運用」と「民主化」という文言が消えたことです。この点について、水産庁ホームページの「水産政策の改革について」と題するWebページでリンクが張られている「漁業法等の一部を改正する等の法律 Q&A」と題する文書では、「今回漁業法の法律を改正した理由は何ですか」という質問に対する回答という形式で、次のように記載されています。
1 現行漁業法の制定当時、自ら漁業を営まない羽織漁師といわれた者による漁場利用の固定化といった漁業慣行の解消が大きな課題となっていたことから、漁業者主体とする漁業調整委員会を創設し、目的規定にも「漁業者及び漁業従事者を主体とする漁業調整機構の運用によって水面を総合的に利用し」、「漁業の民主化を図る」ことが定められてたところです。
2 一方、漁業法の制定から約70年の間の運用によって、当時の課題となっていた慣行は解消され、当初の目的である民主的な漁場の利用形態の構築は既に実現されています。
3 このため、現時点でなお漁業の民主化を法の目的とする必要はなく、漁業調整委員会制度が漁業法における基本的な仕組みとして既に定着していることも考慮し、目的規定の改正を行ったところです。なお、漁業者を主体とする海区漁業調整委員会の組織・機能は維持していますので、引き続き重要な役割を果たしていただけると考えています。
(http://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/kaikaku/attach/pdf/suisankaikaku-13.pdf)
(「改正漁業法註解」p23)
posted by T.Sasaki at 10:17|
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