日本の漁業が崩壊する本当の理由 片野歩

世界中で魚類資源が増えているのに、日本だけが減っている。
この現実を、恥ずかしいと思うべきである。

日本の漁業が崩壊する本当の理由.jpg

すべての漁協組合長、理事、参事、そして、任意の漁業団体の会長以下すべての役員たちは、この本を読むべきだ。
読みたくないならば、「日本の漁師は大バカものだ」を参照すること。
これを認識できないならば、役職に就く資格はない!

2015年01月17日

排気温度計

みなさん、こんばんは。

今日もエンジン関係の話です。
私って、優しいと思いませんか(笑)。
ちゃんとタダで情報公開しているんですから。

前回のエンジンは、ヤンマーの6KXZP-GTで、今回のが、同じヤンマーの6KXZP-WGT。
ほぼ同じエンジンです。
何が変わったか、というと、排気ガス規制なのか、とにかく燃焼が良くないとダメらしいんです。

新エンジンからは、小型船舶機構で「国際大気汚染防止原動機証書」というのを発行しています。
この中に、「原動機取扱手引書」というのがあって、「窒素酸化物放出基準値」が7.7g/kWhとあり、「原動機の窒素酸化物放出値」が6.9g/kWhであり、基準をクリア。
たぶん、これが「国際大気汚染防止原動機証書」の理由付けかな。

エンジンの燃焼が良いと、排気温度も下がります。
一昨年、新潟で、排気温度が高くなり黒煙が煙突から出るので、原因は何だ、といろいろ考えました。
エンジン屋さんに電話で聞き、他船の船頭からも聞き、結論は単なる空気不足。
燃料噴射量に比べ、空気(酸素)が足りなかったため、排熱ばかり上がって、馬力が出ていなかったのです。
ターボのエレメントを中性洗剤で洗ったら、排気温度が普通に戻りました。

この排気温度計は、ヤンマーのエンジンには付いてきません。
新造の時、コマツのエンジンを入れ、そのオプションで付けたものをずっと使っているのです。

排気温度を気にしていると、いろいろなことがわかってきます。
前にも書いたように、燃料消費と排気温度の関係、「プロペラの選択」の良し悪し、もちろん、燃焼の良し悪しもわかります。
新潟での出来事の場合、排気温度が上がっているのもわからず、ブンブンエンジン回していれば、燃料噴射ノズル(チップ)の先が溶けて、噴射の穴がでかくなり、燃料が霧で噴射されずジョロジョロ出る感じ。
これだと不完全燃焼で、煙は出るし燃料は食うし、いい所は一つもありません。

ですから、排気温度計は、お金を払ってでも付ける価値がある、と私は思いますよ。
ただし、そういう興味や観察力のある方のみ。
そして、「私、失敗しないので」という人(笑)。
まるっきり機械屋さんまかせの人には、無用の長物。
posted by T.Sasaki at 19:33| Comment(2) | TrackBack(0) | 漁船設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月16日

プロペラの選択

みなさん、こんばんは。

さかのぼりますが、10日に造船場から船を下ろし、新エンジンの試運転をやりました。
ちょっとガクっとしました。
プロペラに。

私、失敗しないので」のはずが、「私、失敗したのです」

船の振動対策に、少しプロペラを小さくしたのですが、やっぱりほんの少しだけ速力が落ちています。
小さくしたといっても、元々ついていたプロペラのダイヤ1270mm(直径みたいなもの)を40ミリほど削っただけです。
つまり、ダイヤ1230mm。
代わりに、ピッチを20ミリ立てて、それをカバーしようとしましたが、やっぱりただ削るということは、展開面積が小さくなり、スリップしているのだと思います。
プロペラ形状は、通常のプロペラとハイスキュープロペラの中間、俗にいうセミスキュープロペラ。
これを削ってただ小さくしただけですからね。
その証拠に、空船試運転で最高回転(2200rpm)に達しても、排気温度が380度までしか上がらず、燃料と飲料水を満載にラインホーラーを積んだ毛がにかご艤装状態で400度どまり。
前のエンジンだと、同じ艤装でも、2100rpmで460度でした。

ただ、排気温度が低いということは、それだけ燃料を食わないことになります。
排気温度と燃料消費は、ほぼ比例します。

振動に関しては、エンジン交換前、ちょっとばかり気になり、船が古くなったのか、それともバイタが減ったのか、と考えていましたが、原因は、エンジンとクラッチの間のゴムみたいなプラスチックみたいな緩衝材?が、消耗していたことにもあったようです。

ピッチがわかれば、一応、速力の理論値が計算できます。

ピッチ(m)×回転数(rpm)×60(分)÷減速比÷1852(m)

単位を間違えないで入力すれば、そのエンジン回転数の速力がノット(kt)という単位で出てきます。
ノットという単位は、1時間あたり何マイル走れるか、という速力の単位です(1マイルが1852m)。
そして、同じ回転数での実測値を理論値で割った数字がスリップです。

私のプロペラはピッチが930mmですから、1200rpmでの理論値が11.8kt、実測値が試運転で9.8kt、かご艤装で9.3kt。
1500rpmでの理論値が14.8kt、実測値が試運転で11.3kt、かご艤装で11kt。
1800rpmでの理論値が17.8kt、実測値が試運転で12.8kt、かご艤装で12.4kt
最大2200rpmでの理論値が21.7kt、実測値が試運転で16.5kt、かご艤装で15.5kt。
これからわかることは、低回転ほどスリップが小さい、ということです。

前沖の操業だと、低速でばかり走るので(私は1200rpmぐらい)、高回転の速力や排気温度などを気にしても意味ないんですよね。

ちなみに、前の前のエンジン用のプロペラを予備として倉庫にしまってあり、これがダイヤ1250mmピッチ850mmの通常プロペラ。
これの理論値が、1200rpmで10.8kt、1500rpmで13.5kt、1800rpmで16.3kt、2200rpmで19.8kt。
通常プロペラだから、展開面積は明らかに大きく、スリップは小さいはず。
そして、ピッチも小さいから、振動は少ないはず。

モノは試しだから、今年の秋にこれを付けてみようと思っています。
意外に理想的だったりして。

何が理想的か、って?

それは、排気温度が上がらずに、速力が出ること。
posted by T.Sasaki at 21:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 漁船設備 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする