こんにちは。
台風の影響で、大雨が心配。
本当は、明日の晩、操業しようと思った。
台風でも南風なら、閉伊埼で操業できるが、近海は茶色の川水で覆われるため、漁はよくないだろう。
したがって、乗組員には、早々と一週間の盆休みを伝えた。
トロール中心の市場休みを設定する宮古魚市場は、土曜日から休んでいる。
天気予報の悪さを勘案して、土曜日の開場を決めてもよさそうなものだが、そこまで考えてくれる市場の親分たちなら、私たちも救われる。
二言目には、労働基準監督署が厳しく言ってくる、ということを聞くが、魚市場なんてものは、われわれ漁師の水揚げがあって、初めて仕事をしているようなもの。
天候に左右されるのであるから、時化の時は開店休業状態で、現場は、ボーっとしているだけ。
そんな労働環境で、なぜ、労基署が口を挟んでくるのか、理解に苦しむ。
日本の労働生産性が低いと指摘されるのは、このことも含まれるだろう。
無駄な時間を費やしているのだ。
だから、天候に左右される漁業に関しては、休日を柔軟にするべきである。
仲買人の中にも、休日に関して、柔軟に対応しようともしない人がいる。
「経営が大変だ」という声を聞くわりに、頑張ろうとしない。
2そう曳きトロールの低価格の魚で、宮古の仲買人たちは、今まで楽な商売をやってきた。
そのトロールでさえ、水揚げはかなり減少し、魚の価格は上がった。
高価格の魚を買わざるを得なくなっているから、経営が大変になるのは当たり前のことである。
彼らは、楽な商売をやってきた体質が染み付いていて、自分たちの変化を求めない。
変化を求めない、と言えば、共和水産である。
するめいかの資源減少は、目に見えるほどで、経営状況はかなり悪くなっていたのは自覚していたはずだ。
なぜ、取扱う魚種の転換をしなかったのか、理解に苦しむ。
「いか王子」は、いつだったか、テレビに出て、海の変化に、自分の失態の責任転嫁をしていた。
悪いのは、環境の変化ではなく、環境変化に対応できない経営者なのである。
近年、「いかが高い」と文句を言ってくる人もいるが、私はそれに対して、「私が悪いのか?悪いのは資源を減少させるトロールじゃないのか?文句を言うなら、2そう曳きに言ったら?」と返す。
さんざんトロールの安い魚で儲けてきて、いい家に住んで、いい車に乗って、今さら何を言っているのか。
見当違いの不満を受け入れてくれるほど、私がバカに見えるのだろうか。
資源減少の原因を作っているトロール漁業の操業期間に合わせて市場休日を設定しているのだから、ますますトロール漁業の操業日数を有利にし、「魚を獲り尽せ」と誘導しているようなもの。
目先の水揚げしか見ない宮古魚市場にも、幻滅を感じてしまう。
確かに近年の高単価に支えられたトロールの水揚げは、宮古魚市場に貢献している。
しかし、宮古魚市場を経営する本体の宮古漁協にとっては、2そう曳きトロールの水揚げが仮にゼロになっても、経営努力でやっていける(宮古漁協の職員たちは、比較的、しっかりしている)。
漁協の損益計算書を見れば、それがわかる。
したがって、2そう曳きトロール有利の休日設定はやめて、特に、漁のない時は、操業を自粛してもらうとか、とにかく、魚を獲りすぎないような施策を、漁協自体が考えていかなければならない。
魚がいなくなれば、漁業関係の経営体は、すべて苦しくなるのは、わかっているのだから。
いちいち、私みたいなボロ漁師が、こんな指摘をしなくちゃならないなんて!
バカみたい!
閉伊川は、北上山地の大部分を占める流域面積を持つ。
雨予報が非常に良くない。
宮古の市街地が、水没しないことを祈る。