こんにちは。
宮古魚市場は、この季節、つまり、トロール漁業が休みの時は、たくさんの市場休日を作る。
したがって、今月は、公務員と同じ、土日がすべて連休となる。
労働基準局の指導なのか何なのか知らないが、年間の休場日数があるらしく、しわ寄せは、トロール漁業以外に来ている。
彼らに言わせれば、「トロールの口銭のほうが大きいだろ!悔しかったら小型船で、それくらい稼げ」だ。
いつまでも、こういう態度でいいのだろうか。
そんなわけで、宮古入港船は連休しているが、するめいかを水揚げする他の市場は、そんな休み方はしていない。
八戸沖から岩手県北部沖では、近年に比べると、いか大漁だ。
昨日の金曜日には、私の友船は250箱近く獲った。
彼は天才的で、小さく並べることもない人である。
だから、正真正銘の大漁船だ。
内訳は、25入れが3箱、30入れが24%、残りの75%がバラいかである。
一方、この日の八戸魚市場公表水揚げは、平均水揚げが105個。
内訳が、25入れが14%、30入れが52%、残りの34%がバラいか。
このとおり、八戸入港船は、青森県規格など無視の小さく並べる船が主流であり、真面目に規格を守っているのは、ほんの一部になってしまった。
私など、乗組員がまだ乗ったばかりの新人なので、少しいかが揚がってくれば、泡を食って、すべてバラにしてしまう。
もう苦笑いするしかない。
したがって、八木魚市場に130箱水揚げした時など、30入れは3個のみで、あとはすべてバラいか。
しかも、バラいかは、宮古魚市場基準のため、重い。
7kg、いや、8kg入っているのもあるかもしれない。
超ケチな船では、氷が表面に見えるバラいかを水揚げしているそうだ。
それらを一緒くたに買われるのだから、真面目な人ほど損をする、という構造である。
したがって、こんなことをやっていれば、単価は自ずと下がっていく。
該当する市場では、市場職員や仲買人たちは、値決めで苦労しているだろう。
消費者への販売において、食品表示法というのがある。
生鮮食品についてもあるようで、必ず表示しなければならないのは、名称と原産地。
その他は、個別に表示指定されている。
https://hyouji.maru-sin.net/display-rules/fresh-rules/(「食品表示.com」
https://hyouji.maru-sin.net/)
したがって、魚市場から買い付けた魚屋さんや加工屋さんたちが、一般消費者に製品を売る場合、これらを正直に表示しなければ罰せられる。
ところが、その仲買人たちが、漁師が魚を買う場合、特に、現在主流のいか箱のように、故意に内容量を少なくされた魚を仕入れた場合、泣き寝入りしかない。
罰則事項も何もないものだから、あとは、仲買人たちが、良いものと悪いものとで、極端に価格の差をつけるしかない。
ところが、今度は、セリ販売の場合、仲買人どうしの駆け引きにより、そういう値決めにはならない。
だから私は、宮古魚市場のような、入札制のほうがいいと思う。
気に入った製品に高い値段を付け、残は、それなりの安値を付ける。
故意だとわかったら、叩く。
それでいい。
そもそも、この故意による内容量のごまかしは、良心のある日本人がやることだろうか。
近年、乗組員不足で、インドネシア人を小型船も雇うようになっている。
来日した彼らは、日本という国は、その勤勉制で、一時アメリカをも凌ぐくらいの経済力を持ったことに敬意を払っていただろう。
それが、こんな内容量をごまかそうとするいか釣り船に乗って、幻滅を感じているだろう。
まるで、ケチな中国人たちと一緒じゃないか!(もちろん、ちゃんとした人間性のある中国人もたくさんいる)
インドネシア人たちは、帰国してからきっと、「日本人って、尊敬できないよ」と言うだろう。
でもね、ちゃんとした日本人も、まだたくさんいるからね!