3回目。
「
本当は怖い税金の話」によると、現在の税法で特権階級になっているのが、キャリア官僚、大企業のほかに、もちろん政治家、そして開業医、僧侶である。
岩手の名を恥さらしにした元自民党代議士である広瀬めぐみ氏は、政治家なら、少々悪いことをやっても大丈夫、という認識だったのだろう。
しかし、おそらくは、そんな考えの議員は、彼女だけではない。
身近な地方議会議員を見ていても、「コイツ、真面目にやってんのか?」と言いたくなる。
日本人の議員は、良心的でも正直でも、ぜんぜんない!
政治家の収入は、国から給料、政治献金、党からの助成金の3つである。
政治献金と党からの助成金には、実質的に、税金はかからない。
しかし、党からの助成金は、残額があれば、それは政治家の収入とみなされ、課税されるが、実際は見逃されているようだ。
(※1)自分で青色申告または確定申告している人はわかると思うが、公益機関への寄付と並んで、政治家への寄付は、所得税の控除(政党等寄附金特別控除制度)になる。
公益機関への寄付控除(公益社団法人等寄附金特別控除)は、私にすれば、100%認めてもらいたいが、40%である。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1266.htm(「
国税庁」)
政府に認められないペシャワール会への寄付は、控除はゼロであるが、これこそ100%認めてほしい。
あのような善意の活動に対して0%なのに、政治家への寄付は、30%控除される。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1260.htm(「
国税庁」)
大企業としては、政治家からの利益誘導を期待し、さらに、政治献金が控除の対象になるのだから、やらないわけにはいかない。
このようなカネの上層還流が格差を生むのであるから、「政党等寄附金特別控除制度」は廃止すべきである。
政治家への寄付は、政治団体への寄付という形で行われる。
その寄付額は2000万円まで非課税であり、寄付なので、贈与税も何もない。
これをうまく利用して、自分の息子へとカネを受け渡せば、世襲は簡単。
毎年2000万円ずつ寄付していけば、相続税も払わずに済む。
もっとすごいのは、政治団体から政治団体への寄付である。
上限額がないため、無限に受け渡すことができる。
日本の世襲議員の多さは、この税法上の理由から生まれた。
(※2)法律を作るのは政治家だから、どうにもならない。
良い政治家もいるのだろうが、この税法を変えたくないケチな政治家が圧倒的多数なのだろう。
次が、開業医。
医師の中でも、特別に開業医が優遇されている。
(※3)日本医師会というのは、もともとは開業医の団体であったが、格好悪いのか、勤務医も参加するようになった
(※4)「特定疾患療養管理科」という項目の医療費は、開業医だけ請求できるようになっていて、国公立の大病院は請求できない。
これは、いわゆるメタボ診療のことである。
(※5)非難を浴びている降圧剤や抗コレステロール剤の過剰投薬は、その対象になるだろう。
今や、本格的に自分のメタボ原因を調べようと大病院を受診したくても、先に開業医を受診して、それから紹介状を書いてもらわなければならない。
(※6)開業医を受診した段階で、テキトーに言いくるめられて、投薬を受ければ、あとは、一生服用しなければならない羽目になる。
悪い意志のある開業医に当たったならば、紹介状など書いてもらえるはずもなく、悪いループから抜け出すことはできない。
開業医も政治家の政治団体と同様に、医療法人設立という方法で、相続税の回避ができ、これもまた世襲政治家と同様に、息子へと簡単にバトンタッチできるようになっている。
(※7)コロナ騒動でも、ほとんどの政治家はワクチン行政を反省することもないから、日本医師会や製薬会社らと密接な関係にあるのがわかる。
開業医優遇の税法を改めよ、と言っても、たぶん無視するだろう。
最後に、寺の坊主たち。
領収書など寺が発行しないのだから、脱税し放題なのは、その辺のみんなが知っている。
(※8)ただ、このことを指摘すれば、指摘した人の不幸を願うように、念仏を唱えるかもしれないから、誰も言わない(笑)。
私は、寺の和尚に「早く引退しろ!」と迫ったが、大丈夫、まだ健康で温泉に来ている。
だから、みんなも遠慮なく言った方がいい。
何も起こらないから(笑)。
寺では、税法上、8000万円以下の収入の場合、申告さえも不要なのだそうだ。
(※9)簡単だ。
「7999万9999円でした」でいい。
領収書も何も発行していないのだから、証拠も何もない。
「きっと良心もない」
と、言われても、しかたないんじゃないの?
医者と坊主の悪口を書いたから、私はもう、病気になっても、死んでも、誰も相手にしてくれない。
別にいいよ。
(※1)
政治家の収入には、大きく3つの柱があります。一つ目は国からもらう議員としての歳費(報酬)、二つ目は支持者からもらう政治献金、三つ目は党からの助成金です。
この三つの柱のうち、二つ目の政治献金と三つ目の党からの助成金には、事実上、税金が課せられていません。
というのも、支持者からの政治献金や党からの助成金というのは、現在の法律では、政治家個人が受けるのではなく、政治団体が受けることになっているからです。
つまり、政治献金や党からの助成金は、すべて政治団体の収入ということになり、政治団体に対しては、その収入(献金)には税金が課せられないのです。だから、政治献金や党からの助成金といくらもらっても、無税ということになっているのです。
しかし、党からの助成金については、プールしてはならないことになっています。党からの助成金は、「必要な政治活動費をもらっている」という建前があり、もし残額がある場合は、党に返還するか収入として計上するかしないとならないのです。
国税庁も国会議員に対して、
「政党から支給された政治活動費に残額があれば、それは雑所得となります」と明示しています。
だから、党からの助成金に残額があり、それを税務申告していなければ、「申告漏れ」「課税漏れ」ということになるのです。
(前掲書p51)
(※2)
過去20年で総理大臣10人のうち6人が世襲議員なのです。こんな国は先進国ではどこにも見当たりません。
テレビ朝日のデータによると、日本の衆議院議員の23%は世襲議員です。アメリカ、イギリスは7%程度、ドイツは1%以下です。日本の世襲化は著しいといえます。
これほど世襲化が進んだ大きな理由として、「政治家の『税金優遇制度」があります。というのも、政治家の場合、どれだけ遺産があっても、それが「政治資金」であれば、相続税が課せられないのです。
その仕組みは次の通りです。
政治団体に個人が寄付する場合、非課税となっています。そして政治資金規制法で、個人は政治団体に年間2000万円までは寄付できるようになっているのです。
だから、親が毎年、2000万円を子供の政治団体に寄付していけば、相続税をまったく払わずして、自分の資産を譲り渡すことができるのです。
さらに政治団体から政治団体に寄付をする場合も、非課税であり、しかもこの場合は、寄付金の上限額はありません。
だから事実上、政治団体のお金には相続税も贈与税も課せられないのです。
世襲議員の場合、親も本人も別個の政治団体をつくっています。親の政治団体から子供の政治団体に寄付するという形を取れば、何億円であろうと何十億円であろうと無税で相続することができるのです。
(p56)
(※3)
政治家と同じように税金で優遇されている職業として、「開業医」があります。
医師全体が優遇されているのではなく、「開業医」だけが優遇されているのです。ここは、大事なところなので、間違えないでください。
(前掲書p65)
(※4)
日本医師会は、日本で最強の圧力団体といわれていますが、この団体は「医師の団体」ではなく「開業医の団体」なのです。日本医師会という名前からすると、日本の医療制度を守る団体のような印象を受けますが、実際は開業医の利権を守る団体なのです。
昨今、日本医師会は、「開業医の団体」と見られるのを嫌い、勤務医の参加を大々的に呼びかけており、開業医と勤務医が半々くらいになっています。が、勤務医が日本医師会に入るのは、医療過誤などがあったときの保険である「日医医賠償保険」に加入するためであることが多いとされています。
(前掲書p73)
(※5)
国民にメタボリックの危険を植えつけることにより、開業医だけがもらえる「特定疾患療養管理科」というものを増やそうということです。
「特定疾患療養管理科」というのは、高血圧、糖尿病、がん、脳卒中など幅広い病気に関して、療養管理という名目で、治療費を請求できるというものです。
国公立などの大病院には、この「特定疾患療養管理科」を請求することは認められておらず、開業医にだけ認められているのです。つまり、メタボリックに関する「特定疾患療養管理科」というのは、開業医の収入を増やすためにつくられたようなものなのです。
この「特定疾患療養管理科」だけではなく、大病院と開業医でまったく同じ治療をしても、開業医だけが治療費を上乗せ請求できるという制度がいくつもあるのです。
(前掲書p71)
(※6)
しかも最近ではほとんどの国公立病院では原則として、
「かかりつけ医の紹介状なしでは受診できない」
「もし紹介状なしで受診する場合は初診料が5000円程度上乗せされる」
という制度があります。
国民は病気をすれば、まず近くの開業医に行かなければならないという仕組みになっているのです。
(前掲書p71)
(※7)
医療法人が持っている病院や医療機器というのは、あくまで医療法人の所有という建前です。実質的には開業医の所有物なのですが、名目的には医療法人の持ち物なのです。
だから、実質上の経営者の開業医が死んで、息子が後を継いだとしても、それは単に医療法人の中の役員が交代しただけという建前になるのです。名義上は、息子は、父親の資産は何一つ受け取っていない、ということです。実質的には、息子は父親の財産をすべて譲り受けているにもかかわらず、です。
(前掲書p69)
(※8)
寺の住職というのは、非常に脱税をやりやし状況にあります。寺の最大の収入源であるお布施というのは、領収書を発行することはほとんどありません。領収書を発行しないということは、取引記録が残らないということです。また、そのやりとりは密室で行われるので、外部からはまったく見えません。
(前掲書p77)
(※9)
寺の会計報告や申告書などは、税務署に提出しなくてはならないことになています。本来、宗教法人は、その事業年度の収支計画書を原則として、事業年度終了の日から4か月以内に所轄の税務署長に提出しなければなりません。が、年間収入8000万円以下の小規模な法人などについては、収支計画書の提出を要しないこととしています。
そして、この8000万円の基準値は、事業年度ごとに計算した基本財産などの運用益、会費、寄付金、事業収入などの収入の合計額によるものとされ、土地建物などの資産の売却による臨時的に発生する収入は、8000万円の判定に含めないこととされています。
つまりは、普通の年間収入が、8000万円を超えなければ、申告書を出す必要はないのです。寺などの小さな宗教法人は、この8000万円ルールに守られ、申告も収支計算書の提出も不要とされているのです。
寺の会計などは、一応、檀家などがチェックすることになっていたりはしますが、それも形式的なものです。だから、住職が寺のお布施の一部を抜いても、誰にも気づかれないし、とがめられることもありません。
(前掲書p79)