ふたたび。
日本をダメにしているのは、財務省のキャリア官僚だ。
「
本当は怖い税金の話」という本を読んで、わかった。
著者の大村大次郎さんは、元国税調査官であり、10年間国税局にいた人だ。
このような内部を知る人の記述は、事実であろう。
まず、金持ちの話。
世界で超富裕層というと、3000万ドル以上の資産を持つ人のことを指すらしい。
日本円で40億円以上、そういう人が、この日本に2万人以上いるそうだ。
世界ランキングでは、第3位である。
近年、日本は貧乏国家のように言われているが、大金持ちは増えている。
2017年から3年間で、20%近くも増えている。
(※1)
その上、相続税も減税されている。
この本の図表10によると、昭和63年度改正前には5億円超の税率が75%だったのが、平成25年改正後は6億円超の税率55%まで下がっている。
具体的に書けば、40億円以上の人が2万人いて、80兆円。
20%減税されているから、今後の相続発生時に16兆円の税収減となる。
なぜ、こんなに減税されたのか、というと、どうやら、世界的な左翼思想の衰退と関係があるようだ。
貧富の差が大きくなると、平等主義が強くなり、急進的な人が多くなれば、暴動が発生する。
今はそういう人たちが少なく、政治家は、献金欲しさに相続税の減税で、金持ちに擦り寄る。
(※2)一方で、一般人を消費税でいじめている。
国税庁には、査察部がある。
泣く子も黙るマルサのことであり、査察を受ける側は、黙秘権もない。
映画にもなっているように、非常に怖い組織なのだが、何と!大企業は対象外だ。
その理由は、財務省のキャリア官僚の天下りを受けているからである。
(※3)恐れ入るのは、財務省で仕事をしている間の報酬よりも、天下り後の報酬のほうが大きいということ。
これでは、よい天下り先を確保するために、大企業へ利益誘導をしているようなもの。
(※4)そして、ちゃんと政治家のすぐそばにいて、助言(指図)する。
さらには、本来、独立して監視しているはずの公正取引委員会も、財務省のもの。
(※5)全部グル!
国税庁ももちろんグルだから、大企業への税務調査など、するわけもない。
(※6)日本は、格差が広がる一方の政策を、財務省主導でやっている、ということになる。
各省庁の官僚も、財務省を真似をしているのだろう。
これでは、日本が良くなるわけもない。
まるで、悪代官と庄屋がつるんでいる時代劇そのものだ。
前近代的な田舎の権力構造と同じだ(でも、ここまでは悪くなかったと思うよ)。
財務省解体のデモが行われるのは、わかる気がする。
彼ら高級官僚の再就職、つまり天下りは、禁止すべきである。
追記の関連リンク
「たくさん紙幣を刷って、低所得者に配ればいい」というのはMMT理論なのだが、青柳先生は、それらの経済理論を整理して書いている。
通貨リフレ論、ケインズ論、MMT理論と財務省解体論しかし、どんな経済理論でも、強欲金融資本主義の連中が支配している限り無意味だ(強欲金融資本主義に関しては、「
複雑な数式の経済学は、破綻している」を参照のこと)。
東大卒の頭のいい財務官僚たちは、それらを見切っているから、自分たちも強欲へと突っ走っている。
そんなにカネが必要なのかね。
財務官僚の天下りと関係ありそうな話
「ほぼ税金の無駄遣い」――メガバンクは最高益なのに、まだ日銀が銀行に補助金≠つぎ込む理由(※1)
図表4は、3000万ドル以上の資産を持つ人の数の国別ランキングです。3000万ドルというと、日本円にして40億円以上の資産を持つということになります。超富裕層といえるでしょう。
日本は、この超富裕層の人口が中国に次いで世界第3位です。日本はアベノミクス以降、円安が続いており、円換算での資産価値は減り続けているにもかかわらず、これほど多くの超富裕層が日本には存在するのです。
しかも日本は近年、この超富裕層が激増しており、2017年からの3年間だけでも20%近くも増加しています。
(「本当は怖い税金の話」p20)
(※2)
そもそも、相続税というのは、共産主義が世界を席巻し始めたころにつくられた税金なのです。19世紀後半から20世紀前半にかけて、貧富の差が拡大し、庶民の不満が高まり、共産主義が勃興してきました。
そのため、先進国の政府は、貧富の格差を解消し、庶民の不満をなだめるために、相続税が取り入れられたのです。
しかし、1990年代に共産主義国家が崩壊したので、西側の先進国は、貧富の格差にそれほど気を配らなくてもよくなりました。そして、そもそも政治家というのは、富裕層の献金で支えられているので、富裕層の機嫌を取るために相続税率を下げたのです。
(前掲書p156)
(※3)
警察の捜査の場合は、逮捕された容疑者には「都合が悪いことを話さなくていい」とい黙秘権があります。
しかし、マルサの調査の場合、納税者は質問に、必ず答えなけらばならないのです。もし嘘をついたり、知っているのに黙っていたりした場合、そのこと自体がペナルティーになるのです。
マルサというと、巨額な脱税を暴く正義の味方というように見られることも多いようです。そして「マルサにタブーはない」といわれることもあります。マルサは、どんな有力企業であろうが、政治家に関係する企業であろうが、臆せず踏み込んでいく、と。
しかし、これも大誤解なのです。
マルサには、タブーが多々あり、むしろマルサが踏み込める領域というのは、非常に限られているのです。このことは税務行政の最大の汚点であり、闇だともいえます。
たとえば、あまり知られていませんが、マルサというのは、大企業には絶対に入れないのです。信じがたいことですが、資本金1億円以上の大企業に、マルサが入ったことはほとんどないのです。
(中略)
では、なぜマルサは、大企業に入らないのでしょうか?
それは、「大企業が財務省キャリア官僚の天下りを受け入れているから」なのです。
(前掲書p43)
(※4)
財務省キャリア官僚たちは、退職した後、様々な企業や団体の顧問になります。財務省のキャリア官僚のほとんどは、退職後、日本の超一流企業に天下りしています。
たとえば、三井、三菱などの旧財閥系企業グループをはじめ、NTT関連、トヨタ、JT(日本たばこ産業)、旭化成、日本生命、ニトリ、伊藤園、プリンスホテル等々、各種の銀行、金融機関など枚挙にいとまがありません。
大半の一流企業で天下り官僚をなんらかの形で受け入れているとさえいえるのです。しかも彼らは数社から「非常勤役員」の椅子を用意されるので、ほとんど仕事もせずに濡れ手で粟で大金を手にすることができます。
この退職後の天下り報酬により、10年足らずで、10億円近く稼ぐ人もいるのです。
キャリア官僚が、生涯でどれくらいのお金を稼いでいるのか、統計調査などは行われておらず、正確な実態は明らかになっていません。
が、あるキャリア官僚が、「自分の先輩がどのくらい稼いでいるのか」を調査し、記録した資料があるのです。
少々古いデータになりますが、「週刊朝日」の2012年8月3日に載った記事によると、大武健一郎元国税庁長官が、歴代国税庁長官、財務事務次官の2001〜2004年の天下り先と、収めた所得税額を調べた資料があり、それを妻が「週刊朝日」にリークしたのです。
その資料によると、年間5000万円以上の報酬を受け取っている者もおり、生涯で10億円稼ぐ者も珍しくないのです。普通のサラリーマンの生涯収入の4〜5倍です。
しかも彼らはこのお金のほとんどを退職後の10年足らずのうちに稼ぐのです。天下り先を数年ごとに替えていき、いくつも渡り歩き、短期間で巨額の荒稼ぎをするのです。
そして、ここが最も重要な点なのですが、彼らのほとんどは、官僚としての報酬よりも、退職後に天下りして受け取る報酬のほうがはるかに大きいのです。
つまり、彼らの本質は、「国家公務員」ではなく、「大企業の非常勤役員予備軍」なのです。彼らにとって、国家公務員というのは、天下り先を得るための準備期間にすぎないのです。
(前掲書p241)
(※5)
総理秘書官の中でもっとも重要なポストである筆頭秘書官は、財務省の指定席になっています。筆頭秘書官は、総理に四六時中付き添って、政策のアドバイスを行う職務です。総理が財務省寄りの考えになるのは、当たり前です。
官邸の司令塔的役割の官房副長官補も、財務省からの出向者となっています。重要閣僚の秘書官など、すべての重要ポストは財務省が握っているのです。
また、国家公務員の人事を仕切っているのは、財務省主計局給与共済課(給料関係)、人事院給与局給与第二課(各省庁の人事)、総務省人事・恩給課(国家公務員の総合的な人事)の三つの組織です。この三つも、すべて財務省が握っているのです。
さらにさらに、財務省は、公正取引委員会だけでなく金融庁の最高ポストや幹部ポストも握っています。つまりは、財務省は、金融庁、公正取引委員会といった国の経済政策の中心機関を事実上、支配下に置いているのです。
こんなことは本来、許されるものではありません。
財務省も金融庁も公正取引委員会も、法律の上ではまったく別個の組織という建前になっています。別個の組織になっているのは、金融と経済取引を、一つの省庁で管轄すると権力が肥大化し、不正や腐敗が起きやすくなるからです。
(前掲書p232)
(※6)
まず国税庁トップである国税庁長官のポスト、これは財務省のキャリア官僚の指定席なのです。そして国税庁長官だけではなく、次長、課税部長も財務省キャリアの指定席です。
国税庁長官、次長、課税部長の3職は、国税庁のトップスリーとされており、つまり、強大な権力を持つ、調査査察部長や、東京、大阪、名古屋など主要国税局の局長にも、財務省のキャリアが座っています。
これを見れば、どう考えても「国税庁は財務省の子分だ」となるはずです。
(前掲書p234)
posted by T.Sasaki at 21:33|
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