ふたたび。
岩手県のトロール(沖合底曳網)組合の組合長は、金勘漁業の社長になったようだ。
私はてっきり、
濱幸水産がなるものだと思っていた。
金勘漁業のトロール船は、かけまわし。
しかし、岩手で主流のトロールは2そう曳き。
したがって、2そう曳きトロールを所有する会社が、組合長をやるべきであった。
濱幸水産は、まぐろ船をたくさん所有する大会社でもあるのだから、その資質は十分あるはずなのである。
これには、訳があると思う。
小型船対策である。
今や、小型船のほとんどの船主や各漁協の組合員たちは、もう2そう曳きトロールは、漁業許可として出してはならないものだと認識している。
認識していないのは、水産庁のみ。
許可とは、禁止の解除のことだ。
もともと禁止であるものを、何らかの理由で許可したものである。
沿岸漁船漁業組合のいか釣り部会で、「2そう曳きから、かけまわしへ」と私が提案して以来、このブログから岩手日報論壇への投稿、そして、鈴木俊一事務所へと出向いて、ずっと話をしてきた。
長い期間やっていれば、みんながわかってくる。
するめいかのTAC違反というおまけが付いて、2そう曳き業界は、もう小型船に反論する余地がなくなってきている。
2そう曳きの船主は、誰も、小型船の団体と話をしたくないのだ。
自分たちのやらかしたことを指摘される羽目になるから。
だから、故金沢元組合長の後に、かけまわしの金勘漁業に、組合長の椅子を回したのではないか。
かけまわしの船主が、多数の2そう曳きトロールの会社に、「小型船の言うとおり、2そう曳きをかけまわしにしたらどうですか?」と言えるだろうか。
長年やってきた中、もしあなたがその立場なら、言えるだろうか?
言えない。
特に、空気を読みすぎる日本人なら、まず、言えない。
つまり、この構造を利用した2そう曳きたちの駆け引きにより、金勘漁業は、矢面に立たされたわけだ。
悲惨だ。
一般に、トロール漁業は魚類資源には脅威であるが、それでも、2そう曳きに比べると、かけまわしはまだマシだ。
したがって、空気を読むことをしないで、論理的に話を進めるならば、2そう曳きをかけまわしにせよ、という主張は正しい。
きっと、金勘漁業の社長も、そう思っている。
が、口には出さないだろう。
もうこうなると、外部から、無数の矢のように意見を言っていくしかない。
もちろん、金勘漁業をいじめるのではなく、目的は、2そう曳き許可の取り消しである。
posted by T.Sasaki at 15:58|
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2そう曳きトロールは最悪の漁法
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