3回目。
すでに報道されていて、ご存知かと思うが、来年度のするめいかTACは大幅に減らされ、全体で19200トン、沖合底曳に2600トン、小型いか釣りに2800トンである。
リザーブ分が6700トンだが、このほとんどは沖合底曳網漁業が使うことになる。
(※)間違っても、するめいかを取り逃がすことの多いいか釣り漁業が使うことはない。
ここに、リザーブ制度の最大の問題がある。
小型いか釣り船の5倍とか10倍とか、そんなレベルではない漁獲量を沖底船はごっそり獲るのだから。
それにしても、今さら遅すぎる。
もしリザーブ分を無くし、この配分でやっていけば、資源は増えるかもしれないが、すでに小型いか釣り船は、廃業の山である。
日本有数のするめいか漁場といったら、八戸沖であるが、何と、小型いか釣り船が絶滅寸前だ。
すでに売りに出ているいか釣り船がいなくなるとすれば、残る八戸港の地元船は、たったの1隻(階上港に5隻かな?)。
ついに専業ではない底曳網漁船のほうが、多くなってしまった。
これを異常と捉えない人は、かなりの鈍感な人間である。
一応、正式な決定が行われる前の水産庁の案を見てほしい。
https://www.jfa.maff.go.jp/j/suisin/s_koukan/attach/pdf/index-358.pdfこの原案通り決定されたわけだが、ファイルでは、年々漁獲量が減少しているにもかかわらず、令和4年から6年まで、令和3年よりも多い79200トンと設定したことがわかる。
3年固定ルールとか何とか言っていた。
設定を見ただけでも、頭がおかしいのではないか、と思わざるをえない。
これが日本人漁業者のトップたちの考えであり、ダメな官僚機構、ダメな審議会の典型である。
普通の日本人的思考ならば、こんな設定はしない。
珍しく片野歩さん以外に、水産庁のTAC設定を批判している人がいた。
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/36710(「
Wedge ONLINE」)
しかし、彼は、小型いか釣り船の目の前で、魚類資源のことなどお構いなしに獲っている沖合底曳網漁業、特に2そう曳きのことには触れていない。
現場を見ていないのでわからないのだろう。
(※)
水産庁は13日、水産政策審議会資源管理分科会を東京都で開き、スケソやスルメイカ、ブリなどの2025管理年度(4月1日〜26年3月31日)の漁獲可能量(TAC)を諮問、承認された。
(中略)
スルメイカは1万9200トンで、このうち6700トンを国の留保とする。過去3カ年(21〜23年)の漁獲実績の平均値に基づく比率などから、大臣管理分の沖合底引に2600トン、大中型巻網に600トン、大臣許可イカ釣りに2300トン、小型スルメイカ釣りに2800トン、都道府県別で北海道に1300トン、富山県に700トン配分。その他の府県は現行水準。来遊状況に応じ不足が生じた場合には留保から配分する。
(「水産新聞」2025年2月17日付12面)
posted by T.Sasaki at 21:25|
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