日本の漁業が崩壊する本当の理由 片野歩

世界中で魚類資源が増えているのに、日本だけが減っている。
この現実を、恥ずかしいと思うべきである。

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すべての漁協組合長、理事、参事、そして、任意の漁業団体の会長以下すべての役員たちは、この本を読むべきだ。
読みたくないならば、「日本の漁師は大バカものだ」を参照すること。
これを認識できないならば、役職に就く資格はない!

2025年03月16日

『資源管理に関するコメント』

ふたたび。

先月、岩手県資源管理型漁業かご漁業者協議会の会議に出席した。
県内の各地区のかご部会の幹事たちが出席して、何かを話し合う会議である。
私に言わせれば、この何かとは、実質的に、中身はない(笑)。

進行役の協議会の会長からは、まだこに関して、宮城県の事例を紹介されていた。
宮城県は、10月だったか11月だったか定かではないが、ちゃんと解禁日を設定している。
これは、昨年、気仙沼の造船場に上架した時、ニュースでやっていた。
そんな中、何かの会合で岩手のバカ漁師が、宮城県も周年でまだこを獲ったらいいじゃないか、という話をしたという。
宮古魚市場にも、今もまだこの水揚げがあるが、微々たるものだ。
こんなものを獲るより、道具を上げて海を休めたほうがいい。
かごを海に浸けっぱなしにするから、他の魚類資源が減少してしまうのだ。
近年、まだこが周年いるせいで、岸寄りの海域からかごが上がることがない。

私も少々の発言した。
例の「周年操業をやめよ」という話。
県外の事例を持ち出して、岩手の周年操業はダメじゃないか、と。
隣の青森県は、かご漁業は自由漁業であるという。
これは複数の人から聞いた。
そして、八戸地区は、8月、9月だったか、とにかく2ヶ月、自主的に休漁しているという。
つまり、その期間、海から道具が上がるわけだ。
許可で制限しているのではなく、漁師が自主的にやっている。
それに比べて、岩手のかご漁業者や行政は、何たる怠慢か。

北海道のおおかたの地区では、岩手で使っているかごは使用禁止である。
テレビで、利尻、礼文地区の昆布漁のことが紹介されていたが、その時に、岩手で使用しているかごを見掛けたが、あれは例外だろう。
日高地区の様似では、獲る魚種ごとにかごを変える。
つぶと毛がにを獲るかごは、違う。
その度に、かごを交換する。
たこは縄で獲る。
道南太平洋では、たこは箱で獲る。
かごは、道南のある地区では3ヶ月限定の許可で、期間は厳しく決められている。

いか釣りで北海道日高地区へ行くと、漁業種類と操業海域、期間が決められた書類を渡される。
これには、トロールの操業海域まで書かれていて、かけまわしラインとオッターラインが記されている。
当然、オッターラインは、かけ回しラインより沖合いに引かれている。

発言の終わりに、県職員も出席していることから、2そう曳きトロールを何とかしなさい、と言ってきた。
県の許可ではないが、岩手海域の魚類資源のことで、岩手県が水産庁に意見するのは、悪いことではなく、良いことなのだ。
改正漁業法の観点からも、正しいことなのだ。
なぜ、何も言わないのか、私は不思議に思う。
日本は、本当に、法治国家なのか?

この会議の資料には、資源評価が載せられていて、後日、詳細版を水技のWebサイトに載せるとしていた。
ちゃんとアップされた。

https://www2.suigi.pref.iwate.jp/wp-content/uploads/2025/03/20250311bulletin.pdf(「岩手水産技術センター」)

この中の「資源管理に関するコメント」が書かれてある。
まだらに関しては、「安定的な漁獲を維持するためには、今後の漁獲加入が期待される中小型魚の漁獲をできる限り控えることが最も重要だと考えられます。」と書かれてある。
宮古魚市場で、2そう曳きトロールの、するめいか漁獲時の混獲まだらを、私たちは嫌なほど見せられている。
2そう曳き、という漁法が悪い、という端的な例である。
資源評価をちゃんとやった岩手県は、水産庁に対して、意見すべきなのである。

みずだこに関する評価の厳しく、この提示から、かご漁業者の自主的な取り組みを、積極的に促すべきである。
それでダメなら、許可で制限を加えるしかない。

資源管理に関するコメント」を提示したことは、近年の水技で、一番評価していいいと思う。

posted by T.Sasaki at 17:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 漁業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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