ふたたび、こんばんは。
静岡県の川勝知事が辞職した。
「
県庁というのは別の言葉で言うとシンクタンクです。毎日野菜を売ったり、牛の世話をしたり物を作ったりとかと違って、基本的に皆さんは頭脳・知性の高い方たちです」が原因らしい。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20240405/3030023500.html(「
NHKニュース」)
私も、
頭脳や知性が高い方たちだと思っている。
だから、「もっとしっかりした仕事しろよ!」と言うのである。
捉え方もいろいろだろうが、過剰反応をマスコミが煽っているように思う。
これは、リニア新幹線という裏があってのことだろう。
リニア新幹線は利便性が悪く、当初から赤字が指摘されていて、シミュレーションしても赤字が確定的である。
(※)電力は4倍も食うし、トンネルばっかりで、まずビジネス以外では、乗客数は増えることはない。
https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/298412(「
東スポWEB」)
静岡県にとって何のメリットもなく、逆に、水源が脅かされるのだから、川勝知事は反対したのだ。
メリットを無理やり出すとしたら、浜岡原発の再稼動か。
第二東海道新幹線建設を阻止するために、JR東海はリニア新幹線を作るのだ、という深読みをする人もいる。
https://kansai-sanpo.com/jr-tokai-linear/(「
関西散歩ブログ」)
このブログによると、リニアの輸出面でも、単体で赤字になってしまうから、絶望的としている。
リニア新幹線は、費用を回収できず、かつ、エネルギーを余計に食うシロモノなのである。
(※)
小冊子の内容をなぞるようかのように川勝知事は、名古屋までの部分開業で赤字垂れ流しを招く可能性が高く、現行リニア計画が破綻するという悪夢の近未来図を示してみせたのだ。「リニア全線開業後、『のぞみ中心』から『こだまとひかり中心』のダイヤになるだろうと(岸田首相は)言っている。東京‐名古屋間の部分開業は27年、東京‐大阪間の全線開業は10年後の37年で、JR東海は『まず東京から名古屋まで開業して、体力”をつけて、お金を貯めて、それで大阪に延伸していく計画』と言っている。しかし27年に(名古屋まで)開業した時に、のぞみからリニアにどれくらいが移るのか、よく考えてください」
川勝知事も小冊子も同様、名古屋までの部分開業時における「東海道新幹線の停車頻度の増加」の程度(実現性)を疑問視。大阪全線開業までの10年間、ドル箱路線”の東京から大阪に行く場合のリニア乗車率は、東京と名古屋での乗り換えの煩雑さから「非常に少ない」と予想、大赤字になると見ているのだ。
「名古屋までリニアで行って東海道新幹線に乗り換えて大阪まで行く乗客は、東京駅から(リニア始発駅の)品川駅まで山手線で移動する(所要時間13分)。ラッシュ時間は立ったままでしょう。山手線の品川駅は陸側、リニア新駅は海側で、しかも地下50メートル。(乗り換え時間は)10分はかかるでしょう。リニアの名古屋駅も地下50メートルです」(川勝知事)
現行リニア計画の致命的欠陥が浮き彫りになる。名古屋までの部分開業で赤字垂れ流しを招き、JR東海の経営状況がかえって悪化するおそれがあるのだ。静岡県民のメリットも絵に描いた餅となるのは言うまでもない。
乗換えの煩雑さから名古屋部分開業時の名古屋部分開業時のリニア乗車率(のぞみからリニアへの移行率)が非常に低ければ、既存の東海道新幹線・のぞみ本数の減少率も微々たるものにとどまり、当然、静岡県内に停車するひかりやこだまの本数も現在と大差ないことになるからだ。
斎藤鉄夫国交相に続いて岸田首相も、需要予測調査で東海道新幹線の停車頻度が増加するというニンジン”を指し示して、「静岡県民の益に反する川勝知事」という悪玉論を広めることで切り崩そうとしたのだろう。
しかし、23年秋に公表されたシミュレーション結果では、リニアのメリットは微々たるものにすぎず、現行リニア計画のズサンさ、ひいてはJR東海の経営危機リスクが際立つ羽目に陥ったのである。
岸田首相は需要予測という切り札を持って川勝知事に斬り込んだつもりだったかもしれないが、逆に墓穴を掘ったようにしか見えないのだ。
シミュレーション結果によれば、名古屋部分開業でリニアに乗り換える乗客は限定的で、既存の東海道新幹線のダイヤ増は1.1倍にすぎなかった。この程度の増加では大赤字確実で、リニアの大阪までの全線開通は絵空事にすぎないことが明白となった。川勝知事の予測は的中したわけだ。
(「紙の爆弾」2024年5月号p32)
posted by T.Sasaki at 17:10|
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