こんにちは。
私たち日本人は、西側”の人間と言われる。
したがって、圧倒的多数の西側”の報道を信じるだろう。
しかし、西側報道のウソを、かなりの部分あばかれ、鵜呑みにする人も少なくなっているのではないか。
アフガニスタンのタリバン政権についても、相当の恣意性をもって、西側は報道しているように思う。
(※1)アフガニスタンの荒廃した土地に緑を作った中村哲さんは、世界に誇れる日本人である。
彼が殉職したのは、日本でも大々的に報道された。
私は、ペシャワール会の会員になったばかりで、よくわからないのだが、中村哲医師はPMS(ピース・ジャパン・メディカルサービス)という組織を作り、中村医師の死後も、医療活動や灌漑水利事業などを継続している。
ペシャワール会は、もともと中村医師のパキスタンでの医療活動支援のために、1983年9月に結成された組織であり、PMSも支援している。
アフガニスタンで、ふたたびタリバンが政権を担うようになってから、西側は経済制裁で足並みを揃え、日本も参加させられている。
その中で、タリバン以前のアフガニスタン政府の姿が浮かび上がってくる。
マフィアの存在である。
それでも、原理主義のタリバンのほうが、マフィアよりも強いようだ。
PMSや現地住民たちに言わせれば、マフィアよりも、タリバンのほうが歓迎されている。
灌漑事業などに対する現地住民の自立を促すPMSの活動で、それがわかってきた。
(※2)日本からの支援金が断たれて、灌漑事業継続の資金を捻出するために、用水路周辺の樹木を伐採し売却しはじめた。
幸いにも、植えられている樹木は再生が早い。
これらの植樹も、中村医師の功績である。
ところが、伐採で、問題が起きた。
伐採は禁じられているのだから、処罰される。
「せっかく緑が増えているのに、伐採するとは何事か」という話は、正しい。
しかし、灌漑事業の資金捻出のため、伐採せざるを得ない状況になっているのだ。
水がなければ、緑は育たない。
おそらくは、そういう説明がタリバン側へなされ、解決に至ったのだろう。
中村医師によると、タリバンは「
話せばわかる人たち」だそうだ。
(※3)世界で起きている気候変動は、もちろんアフガニスタンにも干ばつをもたらす。
伐採せざるを得ない状況を作った西側に、責任の一端がある。
本当のところ、西側は、アフガニスタンの現地のことなど、どうでもいいのである。
白人の金儲けとメンツ。
白人優越主義しか頭にない連中なのだから。
(前出ニーチェによると、その根源となるローマ教会が最も悪い)
(※1)
ペシャワール会は2022年12月に12年ぶりのアフガン訪問を果たし、その後5回の訪問が実現しました。PMS支援室メンバーは通算して、1年間のうち6ヵ月近くを現地での活動に従事したことになります。タリバン政権が2021年に復活し、戦闘が無くなり、治安が改善したことが、訪問できるようになったことの背景にあります。これが日本で報道されるアフガニスタンと実際に訪問して感じるアフガニスタンとの差異です。
(「ペシャワール会報 No.159 p2)
(※2)
この問題を解決するヒントが2021年8月の政変時にありました。経済制裁が課せられ日本からの送金が不可能となったので、PMSでは資金を捻出するため用水路周辺や農場の周りに飢えられた柳やユーカリを伐採、木材や薪として売却しました。中村先生が進めた植樹は現在では百万本をゆうに超え、緑のトンネルが出来るほどになっています。また、ユーカリや柳は伐採しても再生が早いので、誇張して言うならエンドレスに換金できるのです。
そこでPMSの提案は、@堰に関してはPMSが無償で補修を行い、Aそれにかかる重機のレンタル料等は、住民が用水路周辺に植えられた樹木を売って支払い、B用水路や護岸の補修工事については流域住民たちが行う、というものです。
現タリバン暫定政権は国民に植樹を奨励する一方で、許可なしの樹木の伐採と土地の利用を固く禁じています。
2021年8月15日の早朝7時、タリバンはジャララバードのPMS事務所のドアを叩き、土地の使用許可書、建物の使用目的、活動の内容などを取り調べました。PMSだけではなく全国全ての住宅、店舗、事務所等の調査を行い、土地の所有権利書や使用許可書を持たない建物については国土の借用とみなし、賃借料の支払いを命じたのです。
PMSの職員たちはこの規則を歓迎しました。というのも、前政権時に、カシマバード用水路のすぐ脇に鉄筋コンクリートの家の建設が始まったことがあります。PMSと村人は苦情を申したてたものの聞き入れられず、灌漑局に陳情しましたが、「土地マフィア」による建設とわかると、政府の役人は怖がって対応しませんでした。タリバン政権になると、そのマフィアは早々に逃走したのです。
今後PMSとしては、灌漑局や農薬局等と話し合い、樹木伐採の承認を得られることを願っています。
(「ペシャワール会報」No.158 p6)
(※3)
PMS支援室より
本文で報告した樹木の伐採については、PMSは苦い経験と希望を持っている。タリバン政権に経済制裁が科せられたため、ペシャワール会は送金出来ない、また現地PMSは銀行から資金が引き出せない状況が続いた。今では引き出しに制限があるものの解決の道が見つかり全活動が通常通りに進められているが、一時は診療所の薬が買えず職員の給料も数ヵ月にわたって支払えなかった。そこでPMSは立派に成長していた用水路周辺や農場周りの樹木を売り、資金を捻出していた。
ある日、責任者がガンベリ農場の奥で伐採作業をしている時、タリバン兵が来て責任者を逮捕するという。状況を察した職員が責任者にはジア医師の元へすぐに戻るように伝え、一方で近くのミラーン事務所で働くイスラム僧のムッラーハビブを呼んだ。僧の説明は効果があるだろうと期待したのである。しかし、ムッラーは拘束されてしまった。その時のジア医師の動きも早かったが逮捕の噂はすぐに広まり、シェイワやベスード、シギ村の長老たちが中村先生とPMSがこの地にもらたらした恩恵を説明し、ムッラーはすぐに解放された。
中村先生が「話せばわかる人たち」と教えてくれた事を思い出す。今では伐採が必要になると農業灌漑局に理由を述べ作業をスムーズに行っていっる。
(前掲 p24)
posted by T.Sasaki at 11:08|
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