3回目。
これを読んだら、がん医療の博士になれるかもしれない(笑)。
「
組織形成場の理論」で紹介した、健康状態を表す場”の理論の続きとなるが、がんというのは、病気で免疫が弱くなっている状態の終末と言っていいだろう。
細胞間はそれぞれ独立しているのではなく、相互に連絡し合って、正常さを保っている。
これを遮断しても、がん化する。
(※1)慢性炎症で起きる組織の線維化は、硬くなる、という特徴がある。
最もわかりやすいのは、乳がんである。
正常細胞では、プラスマイナスに分極して電位差があるが、がん細胞では、ない。
したがって、正常細胞は電磁波の影響を受けることになる。
携帯電話やWi-Fiの電波で、脳腫瘍が引き起こされることが、公式に認められている。
(※2)私は、平気で1時間くらいは電話するほうだから、きっと脳腫瘍になるだろう(笑)。
正常細胞は、外部から栄養を取りこみ、ミトコンドリアの機能でエネルギーに変えている。
これを同化という。
一方、体内から栄養を取りこみ、エネルギーに変換するのを異化という。
異化は、すなわち、体を分解していると言えるから、たくさんの炎症を伴うことになる。
この異化の一つである脂肪の燃焼は、サーチュインというタンパク質の活性化によるものであり、よく若返りとはいわれるが、その正反対に進む。
脂肪ではなくタンパク質をエネルギーとして利用する異化の場合、脳に良くないアンモニアを発生する。
アンモニアを無毒化するため、肝臓ではたくさんのエネルギーや二酸化炭素を必要となるが、糖が少ない状態では、無毒化も難しくなる。
そして、筋肉のタンパク質を消費するようになると、やがて甲状腺機能も低下していく。
(※3)がんへの道に、まっしぐらである。
がんは、脂肪中毒であり、糖を脂肪に変えるため、糖をたくさん消費するのである。
できた脂肪は、がんの成長、進行、転移に、非常に役立つ。
プーファは、脂肪新生と脂肪備蓄にも貢献する。
(※4)グルタミン、アルギニンやメチオニンなどは、がんが生きるためのエサとなっている。
これらのアミノ酸を抑制することによって、抗がん作用が働くことがわかっている。
(※5)体内の毒素であるエンドトキシンは、本来は、必要だから存在する毒物である。
しかし、高脂肪食やストレスによって、有害な毒に変化する。
病気では、エンドトキシンが炎症にかかわるが、やはりがんでも、エンドトキシンがポイントとなる。
(※6)増粘剤は、腸内のバクテリアを増殖し、充満すると小腸にまで到達する。
これによって発生するエンドトキシンは、血液中へと移行し全身へ循環する。
腸内のバクテリアの過剰な増殖を防ぐには、ニンジン、キノコ類、タケノコを摂取するとよい。
抗エンドトキシンとして、ライボフレイビン(ビタミンB2)、ナイアシノマイド(ビタミンB3)、ビタミンA、ビタミンDなどがある。
(※7)がんだけにかかわらず、炎症を引き起こすストレスホルモンを抑制する物質がある。
ビタミンA、B1、B2、B3(ナイアシノマイド)、B6、D、E、K、カフェイン、メチレンブルーなど。
もちろん、糖や果糖も、ストレスホルモン抑制に効果がある。
食塩も1日に15gくらい摂取しないと、ストレスホルモンが上昇する。
逆に、エストロゲン作用の強い大豆、農薬、タバコの煙などは、忌避すべきである。
(※8)がんの大好きな脂肪新生を抑えるものとして、クワイノンやアスピリンがある。
リポリシス(脂肪分解)を抑えるだけでも、がん細胞は死滅していくので、それを抑えるナイアシノマイド、アスピリン、そして、脂肪燃焼をブロックする、パルミチン酸(飽和脂肪酸)、アスピリン、ミルドロネイトが有効である。
アスピリンの有効成分であるサリチル酸は、果物に豊富に含まれている。
ミルドロネイトは、テニスのマリア・シャラポア選手が使用されたとされているが、がんの縮小効果があっても、不思議にも西側では認定されていない。
したがって、研究費用も出ない。
(※9)やってみたら〜、という感想。
乳酸の発生や還元ストレスを止めるためには、糖のエネルギー代謝を高めるために、ピルビン酸脱水素酵素を活性化させたほうがよい。
この酵素は、果糖、サイアミン(ビタミンB1)、ライボフレイビン(ビタミンB2)、パルミチン酸などを必要とする。
還元ストレスを避けるのに、二酸化炭素を高める方法もある。
過呼吸を防ぎ、おしゃべりもほどほどにして、たまには沈黙する。
気分が悪くならない程度まで「バッグ呼吸」をする、というのも一つの方法である。
(※10)ノーベル賞を受賞した京都大学の本庶佑特別教授の功績から、免疫チェックポイント阻害剤が開発された。
(※11)残念ながら、これにもマイナス要素がある。
自己免疫反応を起こしたり、免疫チェックポイント阻害剤にさえも、がんが耐性を持つようになることがわかってきた。
(※12)(※1)
健康な場であれば、たとえ細胞がダメージを受けたとしても、それを修復するか、修復不可能な場合は細胞が自発的に消失(アポトーシス:apoptosis)し、綺麗に掃除されます(これを食作用[ファゴサイトーシス:phagocytosis]という)。そして新たな細胞(幹細胞)が補充されて組織が再構築されます。
キャンサー・フィールド(ガンの場)の場合は、細胞のダメージを修復するエネルギー量が不足しているためにさらに無秩序に分裂・増殖を繰り返すことになります。ダメージを受けた細胞を補充しようとして、新たにリクルートされた細胞も適切な指示が出ないために無秩序に成長・分裂するしかありません。
これでは組織再構築どころか、さらに構造・機能が変質していきます。
あくまでも、ガンは無秩序に増殖を繰り返すことで、その構造・機能が変質していく過程(process)を見ているのに過ぎません。そのため、「ガンはいつまでも治らない傷」「ガンは組織形異常」と優れた先駆者たちから提言されているのです。
(「ガンは安心させてあげなさい」p109)
健康な場の細胞にとって、細胞間のコミュニケーションは最重要部分です。
生命場で起こった変化は、一つの細胞からすぐさま近隣の細胞へと情報が伝達されます。このときに情報の受け渡しを担っているのが細胞間の「接着分子」といわれる物質です。もしある細胞に修復できない異常があった場合は、その接着分子を溶かしてその異常細胞だけを切り離して処理します(アンドッキグ&アポトーシス:undocking & apoptosis)。
生命場では、こうして細胞間の接着分子を介して脳の指令がなくとも全体に影響が及ばないようにいくつも注意深く自己監視(セルフ サーベイランス:self-surveilance)しています。
(前掲書p112)
一般に正常細胞を体から取り出して、シャーレ(ペトリ皿)上で培養すると自然にガン化していきます。これも、細胞が体内にあったときの周囲との相互コミュニケ―ションがシャーレ上でなくなったからです。
正常細胞は相互コミュニケーションという自己監視機能が完全に失われ、生命場を維持するための手がかりをなくしてしまった結果、ガン細胞へと変化せざるを得なくなったのです。
生命場(形態形成場:morphogenetic field)を維持するのに、細胞間の、あるいは細胞と周囲組織との相互コミュニケーションは最重要ファクターであることを、この実験結果が示しています。もちろん、このような相互コミュニケーションを成立させているのも十分なエネルギーがあってのことです。
(前掲書p114)
(※2)
「ガンの場の理論」では細胞とその周囲の環境をひっくるめて“場(生命場)”と捉え直すことから始まります。そしてそれぞれを分離するのではなく、あくまでも細胞と周囲環境との相互作用がキャンサー・フィールド(ガンの場)を作ると考えます。
そしてその相互作用を決定づけるのが「エネルギー代謝」です。この視点が今までの理論にはない新しい統一理論としての「ガンの場の理論」の支柱となります。
なんらかのストレスで細胞(周囲環境の細胞も含める)のエネルギー代謝が低下すると、それは生命場全体に影響を及びます。
生命場(形態形成場:morphogenetic field)を決定する「エネルギー代謝」に影響を与える因子は栄養(糖、タンパク質、脂質)、ミネラル、酸素など以外にも、
・機械的刺激(mechanical force)
・生体電気的信号(bioelectric signal)
・位置情報(positional information)
なども生命場に大きな影響を与えます。
(前掲書p117)
ガンに関係する重要なものとしては、まず細胞の周囲の間質が硬くなるという機械的刺激(過剰な負荷)です。これを繊維化といいます(線維化をもたらす原因物質はセロトニンとエストロゲンのシックネス・サブスタンスである)。細胞の周囲が硬くなるという過剰な機械的刺激を受けて最終的に細胞自体も硬くなっていきます。これは典型的なガンの特徴です。乳ガン検診で触診もガンやガンが転移した先のリンパ節の“硬さ”を見ているのです。
この線維化を起こして間質が最初に硬くなるというのは、実は慢性炎症の特徴(hallmark)です。慢性炎症はキャンサー・フィールドを作り上げる一つの重要なファクターです。
電気的信号(bioelectric signal)が場に与える影響としては、細胞内外での電圧を変えることで正常細胞をガン細胞に変化させることができます。
正常細胞では、細胞内外は電気的にプラスマイナスに分極していますが(細胞内がマイナス)、ガン細胞ではこの分極がなくなることが知られています。これを「脱分極」といいます。つまり、ガンでは細胞内外でプラスマイナスの電位差がなくなるということです。ちなみに、刺激を受けて興奮した細胞もガンと同じく電位差がなくなります。
(中略)
2017年に米国カリフォルニア州では公式に携帯の電磁波が脳腫瘍を引き起こすと公表しました。携帯機器の電磁波によって有意に脳腫瘍が発生することがヒトでも判明したためです。
実際にWifiや電子レンジの電磁波によってエネルギー代謝が変化し、病気の場(シックネス・フィールド)の主要なプレーヤーの一つであるセロトニンの分泌が上昇することが分かっています。
(前掲書p119)
(※3)
ヘルスネス・フィールド(健全な場)にいる細胞では、外部から必要な栄養源を取り入れてエネルギー源や構成材料に変えることをしっかりと行っています。この営みを「同化」(anabolism)といいます。
ところが、ここに過剰なストレスがかかると、それに適応するためのエネルギー源としての糖が欠乏していきます。そこで、ストレスホルモンが作動します。ストレスホルモンの代表がアドレナリン、コルチゾールという物質です。
これらは体内のタンパク質、脂肪を分解してエネルギー源に変換します(最初は糖の貯蔵体であるグリコーゲンを分解しますが、数時間しか持ちこたえられない)。過剰なストレスに対しては、体内の組織まで分解しないとそれに適応するだけのエネルギー量を確保できないからですが、この体内のタンパク質、脂肪の分解を「異化」(catabolism)といいます。
つまり、ヘルスィネス・フィールド(健全な場)でもストレスが過剰にかかると、通常の同化(外部からの摂取・体内合成)から異化(体の分解)へとエネルギー代謝がシフトするのです。
ストレスが収まれば、また平常の「同化」のエネルギー代謝に戻ります。しかし、ストレスが慢性的に続く状態では、糖・果糖を十分に補給し続けない限りは「異化」のエネルギー代謝が続きます。したがって体のタンパク質や脂肪が分解され続けるということになります。
体内の脂肪を分解することを「リポリシス」(脂肪分解)といいます。現代人の体内に蓄積している脂肪(脂肪酸)で問題なのは、プーファ(PUFA:長鎖不飽和脂肪酸、オメガ3とオメガ6がある)が多いことです。リポリシス(脂肪分解)では、非常に毒性の強い「アルデヒド(RCCs)」をもっとも形成しやすいオメガ3系のプーファが真っ先に放出されます。
オメガ3やオメガ6といったプーファ(PUFA・長鎖不飽和脂肪酸)は、エネルギー源となる前に体内で容易に酸化されて、アルデヒド(RCCs)を放出します。
このアルデヒド(RCCs)は、私たちのエネルギー代謝を担うタンパク質あるいは遺伝子(DNA)に結合して、その構造・機能を直接的にも間接的にも破壊していきます。
したがって、わたしたち現代人に蓄積されている脂肪のプーファ(オメガ3&6)を分解して放出させるリポリシス(脂肪分解)は生命体にとって大きな脅威になるのです。リポリシスが起こっている状態では、糖・果糖を入れても不完全燃焼しか起こさず、前述した乳酸という毒性物質が蓄積していきます。その理由は、リポリシスによって放出されたプーファ(オメガ3&6)が糖・果糖の代謝をブロックするからです。
このように、糖が欠乏してくるとエネルギー源が糖から脂肪(あるいはアミノ酸)へシフトしていきます。糖が欠乏するとサーチュイン(sirtuin 1)というタンパク質が活性化されますが、サーチュインは脂肪の燃焼(ベータ酸化)を高めます。一時は、サーチュインは若返りのタンパク質といわれましたが、事実はその反対で、シックネス・フィールド(病気の場)のエネルギー代謝へシフトさせる物質です。
またプーファ(オメガ3&6のいずれも)は、ミトコンドリアの電子伝達系をもブロックしますから、電子の渋滞⇒還元ストレスを引き起こす大本でもあります。
またタンパク質を分解してエネルギー源にした場合も、問題を引き起こします。タンパク質は分解されると、特に脳にとっては毒性が非常に強いアンモニアが産生されます。アンモニアは肝臓で無毒化されますが、それには多大のエネルギーと二酸化炭素が必要です。「異化」が進んでいる状態では、エネルギーおよび二酸化炭素の両方が欠乏するためアンモニアが蓄積しやすくなります。
さらにエネルギー源として分解するタンパク質は主に筋肉組織(その他、胸腺、皮下組織)です。筋肉タンパク質のアミノ酸組成にはトリプトファン、メサイオニン(メチオニオン)、システィーン(システイン)が多く、これらが遊離アミノ酸となって血液中を循環すると甲状腺機能が低下します。また、トリプトファンはシックネス・サブスタンス(病気の場の物質)の代表で、ガンの増殖(およびバイスタンダー効果)に不可欠なセロトニンの材料です。
(前掲書p128)
(※4)
ガン細胞の糖の取り込み(解糖系、発酵)は、正常細胞の200倍にも達しますから、ガン細胞があたかも“糖中毒”のように見えるのは必然です。
しかし、ガン細胞の糖の取り込みは、エネルギー産生目的ではなく、主に「脂肪新生(de novo fatty acid synthesis)」(あるいは還元物質の備蓄)に使用されていることが分かりました。「脂肪新生」とは、細胞が糖、アミノ酸、脂肪酸などを材料として、細胞内で脂肪を新たに作ることをいいます。
(前掲書p138)
ガンは“脂肪中毒と言ってよいくらい、脂肪が大好きで、脂肪の備蓄を怠りません。
(前掲書p150)
ガンの同化では、外部から摂取される糖、アミノ酸、脂肪酸のいずれもが使用されますが、中でも脂肪は特にガンの成長・増殖・転移にとって必須の栄養素です。
(前掲書p153)
プーファのオメガ6に関しては、直接的なガンの増殖作用およびエストロゲンの動員によって乳ガンリスクを高めることも分かっています。このプーファによって動員されたエストロゲンの影響(エピジェネティックス)は子孫にまで伝わります。
(前掲書p158)
代謝の側面からは、プーファ(オメガ3&6)はダイレクトにペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPARγ)を活性化して脂肪酸新生と脂肪備蓄を促進します。つまり、プーファはガンの脂肪中毒を促進する物質でもあるのです。
(前掲書p159)
(※5)
1960年代からグルタミン、アルギニンやメチオニンなどのある種のアミノ酸制限食が細胞実験や動物実験を中心に抗ガン作用(骨肉腫、肝細胞癌、膵臓がん、前立腺がん、白血病、悪性リンパ腫、悪性黒色腫など)を持つことが報告されています。
2019年の扁平上皮癌の細胞実験でも明らかになっていますが、ガン細胞の増大には砂糖は必要なく、グルタミンなどのアミノ酸を餌にして増大することが明らかになっています。ガンの増大がグルタミンというアミノ酸などに依存していることは、近年の悪性黒色腫、肺線癌、乳がん細胞の実験でも確かめられています。実際にグルタミンの利用をブロックすることでガンの増大を抑制できることも報告されています。
ガン細胞では、糖のエネルギー代謝がブロックされているため、成長に十分なエネルギーが確保できません(これをウォーバーグ効果[Warburg Effect]という。解糖系のエネルギーには限界がある)。したがって、グルタミンを代替エネルギーとして使用しているのです(グルタミンからαケトグルタル酸に変換してTCA回路に入れる)。グルタミンは糖の細胞内取り込みをブロックするので、脂肪がガンのエネルギーの主要な栄養素になります。したがって、糖質をフリーにしてもガンの増大を止めることはできません。
ガンの本当に死因は、腫瘍そのものではなく、筋肉(脂肪も)がなくなる悪質液(cachexia)や抗がん剤・放射線治療などの副作用がほとんどです。
がん悪質液では、慢性的ストレスによるコルチゾール上昇あるいはそれによって誘導される炎症性物質(TNFα,NF-kB,myostatin)などによって筋肉が分解されます。その筋肉の分離で血液中にグルタミン酸が増加し、さらにガンの増殖を促すのです。
グルタミンの他には、アルギニンというアミノ酸もガンの増大や転移のための“エサ”になっています。これは、アルギニンからグルタミンが体内合成されるためです。さらに、アルギニンから生成される一酸化窒素(NO)が脂肪の代謝(脂肪のβ酸化)を高めるためにガンが増大・転移します。さらにアルギニンは細胞増殖作用を持つポリアミンの前駆体でもあります。
ガンは、「砂糖中毒」ではなく、本来は脂肪をエネルギーとし、また脂肪合成をアップして脂肪を溜め込む「脂肪中毒」です。がん細胞はその脂肪の中でも、とりわけプーファに依存しています。そして、脂肪の中でもプーファをより好んで取り入れます。ガン細胞は、外部からプーファを取り込むだけでなく、自らの細胞内脂肪合成を高め、プーファを産生(upregulation of genes involved in FA synthesis,elongation,and desaturation)して溜め込んでいます。これは、ガン細胞がプーファを細胞増殖に利用するからです。
(「ハチミツ自然療法の最前線」p176)
(※6)
エンドトキシン(内毒素)は、腸内微生物の中でも大腸菌のようなグラム陰性菌の細胞壁成分です。本来はこのようなバクテリアが自分の身を守るために内臓している毒素成分です。種子の胚の周囲に毒が仕込まれているのとまったく同じです。私たちの血液中にも腸、口腔内、肺、尿生殖路から移行したエンドトキシンがある一定数存在しています。
高脂肪食やストレスがかかると、血液中にエンドトキシンが高濃度になることが分かっています。これによって慢性的に全身の炎症が持続する慢性炎症の状態になります。もちろん、急激にエンドトキシン濃度が高まるとショック(エンドトキシン・ショック、敗血症ショック)になり、命を落とします。
(「ガンは安心させてあげなさい」p93)
主に腸内で増殖したグラム陰性菌あるいはそのエンドトキシンの血液内濃度が高くなることは、プーファと同じく還元ストレスを引き起こし、発ガンを促進します。全身を循環する血液中には直接エンドトキシンが増加しなくても、グラム陰性菌が増殖(実際に人の血液中1ml中には一千個のバクテリアが存在している)すれば、鉄の存在下で容易に血液中にエンドトキシンを産生し始めます。
近年になって、ガンを含めた慢性病の根本原因がプーファ、鉄、エンドトキシンであることがかなり解明されてきています。
(前掲書p97)
(※7)
キャンサー・フィールド(ガンの場)を強化する暴徒の一つであるエンドトキシン(内毒素)にも留意しないといけません。
エンドトキシンが増加するのは、私たちの消化管が消化できなくて、かつ腸内微生物(バクテリア)が発酵できるタイプの食べ物です。
穀物や豆類に含まれる食物繊維や紅藻類から抽出したカラギナン(carrageenan:キャラジーナン)、グアガムなどの増粘剤などは、私たちの消化管が分解・消化できないために、腸内バクテリアの恰好のエサになります。
腸内バクテリアが増殖すると小腸細菌異常増殖症(Small intestinal bacterial overgrowth [SIBO])が起こります。通常、特に上部小腸にはほとんど細菌はいませんが、バクテリアは大腸での増殖によって小腸内まで充満してきます。これによって発生するエンドトキシンが小腸から全身の血液循環に入っていきます。
したがって、消化の悪い食物繊維の摂取は控えるようにしましょう。その一方でセルロースは、微生物でも発酵できません。したがって、セルロースを豊富に含むニンジン、キノコ類、タケノコなどは、小腸内のバクテリアの増殖を防ぎ、むしろエンドトキシンを吸着してくれるため小腸内のバクテリアの増殖を防ぐのに非常に有効です。
抗エンドトキシンの物質としては、ライボフレイビン(ビタミンB2)、ナイアシノマイド(ビタミンB3)、ビタミンA、ビタミンDなども有効です。
(前掲書p171)
(※8)
場をかき乱す暴徒のトップバッターは、アドレナリン、コルチゾール、エストロゲン、セロトニン、アルドステロン、そして下垂体ホルモン(成長ホルモン、乳汁分泌ホルモンなど)といったストレスホルモンです。
これらのストレスホルモンはリポリシス(脂肪分解)を起こして、プーファを遊離脂肪酸(FFAs:free fatty acids)として血液中に放出します。これは「場」をさらに刺激・興奮させてキャンサー・フィールドを強化します。
ちなみにプーファは、コルチゾール、エストロゲン、セロトニンといったストレス物質の細胞レベルでの産生をアップさせるのでまさに悪循環です。プーファの害悪は、自動酸化されて発ガン物質のアルデヒド(RCCs)を産生するだけではありません。プーファの存在自体がストレスホルモンという“暴徒”を呼び起こすのです。
このストレスホルモンという暴徒を抑えるのは、意外に思われるかも知れませんが、ビタミン類、特に脂溶性ビタミンが大変有効です。
抗コルチゾールで有効なビタミンとしては、ナイアシノマイド(ビタミンB3)、ビタミンB6、ビタミンA、ビタミンDがあります。
抗エストロゲンとしては、ビタミンB1、B2、B3(ナイアシノマイド)、ビタミンA、D、E、Kが挙げられます。あるいはカフェイン、メチレンブルーなども抗エストロゲン作用を通じてガンの増殖を抑えます。
もちろん、エストロゲン作用の強い大豆(genistein:ジェネスティーン)、農薬(DDT)、グライフォセエイ[ランドアップ]、タバコの煙などにも留意しましょう。
抗セロトニン作用をもつものにはビタミンB2があります。また、カフェインにも抗セロトニン作用があります。
抗アドレナリンとしては、やはり糖・果糖をしっかり摂取することにつきます。糖・果糖は最大のストレス防御物質です。
私にとってビタミンは単なるサプリメントではなく、根本治癒物質としての認識があるのは、このような作用があるためです。
また、抗アルドステロンとしては、塩をしっかり摂取することが肝要です。ナトリウムの摂取量が4〜5g/日(食塩として12〜15g/日)を下回るとアルドステロンだけでなく、セロトニンもたちまち上昇します。
(前掲書p169)
(※9)
脂肪新生を抑えるには、コック博士が研究していたクワイノン(quinones)、アスピリンが有力です。クワイノンはハーブに多く含まれる成分で、アロエの抹消、ルバーブ(Rhubarb)、センナ、大黄やセイヨウオトギリソウ(ハイペリカム:Saint John' wort)に含まれています。ビタミンK(MK-4)やテトラサイクリンもクワイノンの仲間です。
長年みなさんの脂肪に蓄積したプーファが血中に放たれて遊離脂肪酸(FFAs:free fatty acides)になる脂肪分解(リポリシス:lipolysis)もブロックしなければなりません。リポリシスを抑えるだけでもガン細胞が死滅していくことも報告されています。リポリシス(脂肪分解)を抑える物質としては、ナイアシノマイド、アスピリンが有力です。
脂肪の燃焼(ファットバーン)のブロックについては、パルミチン酸(飽和脂肪酸)、アスピリン、シャラポア選手で話題にのぼったミルドロネイト(Mildronate)が有効です。
ちなみに、アスピリンの有効成分であるサリチル酸は果物にエステル体(サリチル酸メチル)として豊富に含まれています。アスピリンはガン細胞を正常化させることが近年注目を浴びるようになっています。これはアスピリンがガンの脂肪中毒というアキレス腱を絶つことができるからです。ただし、医薬品業界では特許の切れた古い薬なので、アスピリンの抗ガン作用の研究には資金が下りません。
また発ガン物質であるアルデヒドの発生において、プーファとセットである重金属、特に鉄、水銀、カドミウム、ヒ素などにも留意しておかなくてはなりません。これらは、すべてミトコンドリアの電子伝達系をブロック(TCA回路もブロック)することで、前述したように還元ストレスをもたらすからです。
鉄は還元状態で、プーファの自動酸化を促進していきます。さらにはエンドトキシンを発生させるバクテリアのエサにもなります。鉄分の多い食べ物の過剰摂取は避けてください(鉄剤はもってのほかです)。鉄なべや鉄のフライパンなども使用は控えましょう。
(前掲書p176)
2016年にテニス界の妖精と呼ばれていたマリア・シャラポア選手が、世界反ドーピング機関(WADA)指定の禁止薬物に陽性が出たことで二年間の出場停止の処分を受けました。
その指定薬物こそは脂肪の燃焼(ベータ酸化)をブロックする「ミルドロネイト(Mildronate,Mildonium)」です。ミルドロネイトは、ロシア、東欧圏では、心臓血管疾患、糖尿病に治療薬として公式に使用されている物質です。ロシア、東欧圏のアスリート、特に耐久性スポーツのアスリートには疲労が蓄積しないという効用のためミルドロネイトはサプリメントとして使用されていました。
このミルドロネイトはガンの治療においても使用されている歴史もあり、ガンの縮小効果があるはずですが、なぜかより毒性の強い薬剤についてしか研究論文が出ていません。しかも不思議なことに欧米諸国では医薬品として認められていません。
(前掲書p154)
(※10)
還元ストレスを止めるためにも、糖・果糖のエネルギー代謝(ミトコンドリアまでの完全燃焼)と高めなければなりません。甲状腺ホルモンはその中心です。そして、糖・果糖の代謝で重要な細胞質⇒ミトコンドリアに入る関門であるピルビン酸脱水素酵素(PDH)を活性化することが肝要です。細胞内での過剰な糖の発酵(解糖系)を防ぐことで乳酸の蓄積をなくすことができます。
ピルビン酸脱水素酵素(PDH)は、果糖、サイアミン(ビタミンB1)、ライボフレイビン(ビタミンB2)などが代表的な物質です。またパルミチン酸(飽和脂肪酸:糖、果糖を500g/日以上摂取した場合に転換されるココナッツオイルにも含まれる)は、糖の発酵を抑えて糖・果糖のエネルギー代謝を高めます。
またミトコンドリアでの電子伝達系での電子の渋滞(それによるフリーの電子の漏出⇒プーファの自動酸化)を防ぐためにも、電子を受け取る物質「電子受容体(electronacceptor:エレクトロン・アクセプター)」は非常に有効です。
コック博士のクワイノンをはじめ、メチレン・ブルーなども有効な電子受容体であり、糖・果糖のエネルギー代謝あるいは甲状腺ホルモンの働きをスムーズに高めてくれます。電子受容体は細胞内還元状態を初期設定の酸化状態に戻してくれるのです。
(前掲書p178)
キャンサー・フィールド(ガンの場)では、乳酸が蓄積します。この乳酸蓄積(「代謝性アシドーシス」という)によって、代償的に過呼吸になるため細胞内および血液中の二酸化炭素(CO2)濃度が低下します。二酸化炭素(CO2)濃度は細胞内を弱酸性にキープする役割を持っていますから、乳酸蓄積では細胞内がアルカリ性に傾きます。これで「還元ストレス」が加速します。
しかし、体内(細胞内)の二酸化炭素(CO2)濃度を高めると、細胞内が還元状態から酸化状態に変わります。さらに、二酸化炭素(CO2)は、病的な脂肪新生をストップさせ、細胞のエネルギー代謝を糖の燃焼へと切り替えます。
二酸化炭素(CO2)は、健康の場で、細胞・組織への血流を増やす(血管を拡張させる)物質ですから、エネルギー源になる糖・果糖を充足させてくれます。まさに健康の場(ヘルスィネス・フィールド)の中心物質です。
二酸化炭素(CO2)濃度を高める方法としてはゆったり鼻呼吸することを意識してください。口から息を吐くような激しい運動は禁物です。また、あまりおしゃべりをしないことも大切です。コミュニケーションの問題に支障を来さない範囲で、一週間に何度かは意識して口を閉ざす日を設けてください。文字通り「沈黙は金なり」です。
過剰に話すことは、体内の二酸化炭素濃度を低下させるだけでなく、脳細胞を興奮させてセロトニン(病気の場の主要ファクターの一つ)を増やす原因にもなります。
また定期的なバッグ呼吸(bag breathing)も、ガンに限らず、あらゆる慢性病に大変有効です。これはよく救急車で運ばれるパニック障害で過呼吸になっているときの治療法でもあります。バッグ(紙バッグ)の中に自分の吐いた二酸化炭素が蓄積していくために、高濃度の二酸化炭素を吸い込むことが可能になります。バッグ呼吸で酸素濃度が低下していきますから、低酸素で気分が悪くならない程度まで行ってください。
薬剤では高山病などに使用される「アセタゾラマイド(acetazolamide)」は、還元ストレスで上昇する炭酸脱水酵素(CA:carbonic anhydrase)をブロックし、細胞内CO2濃度を高める作用があります。これと同じ作用をもつものがビタミンB1(サイアミン)です。
(前掲書p173)
(※11)
エイズウイルス感染、B、C型肝炎ウイルス感染などにみられるように感染刺激が繰り返される場合(慢性感染)やガンの場では細胞障害性T細胞の動きが抑えられます。この現象は「T細胞疲弊(T cell exhaustion)」と呼ばれています。私たちの細胞は刺激がマンネリ化すると、それに対する反応が次第に低下していきます。(閾値が高くなある。専門用語では「ダウンレギュレーション」という)。これは日常生活レベルでも経験しますよね。薬物中毒も同じ原理です。慢性的な薬物摂取(刺激)に対する快感(反応)が次第に低下してくるので、さらに多くの薬物(刺激)を与えないと以前と同じようなフレッシュな快感が得られません。
(中略)
細胞障害性T細胞(CD8+)が疲労困憊状態になると、プログラム細胞死1(PD-1,Programmed cell death)、TIGIT(T cell immunoreceptor with Ig and ITIM domains)、リンパ球活性化遺伝子3(LAG-3,Lymphocyte-activated gene-3)などの「免疫チェックポイント分子(immune checkpoint molecule)」とよばれる免疫抑制タンパク質を発現します。免疫チェックポイント分子は、細胞のアポトーシス(自然細胞死)などの形態形成維持に重要な分子として認識されていました。細胞の「ドント・イート・ミー(don't eat me)」あるいは「ドント・キル・ミー(don't kill me)」の意思表示をする分子です。
これらの免疫チェックポイント分子はゴミ(mess)に対する細胞障害性T細胞の反応を低下させて、免疫寛容状態にします。さらに細胞障害性T細胞が疲労困憊状態では、インターフェロン(IFN-γ)や腫瘍壊死因子(TNF-α)などのサイトカインの産生も低下します。
C型肝炎などの慢性肝炎で使用されるインターフェロン(IFN-α)やリバビリン(ribavirin)は、この免疫チェックポイント分子であるプログラム細胞死1(PD-1)の発現を低下させて、免疫細胞の疲労状態を回復させる目的で使用されます。
さらにガン領域では、この免疫チェックポイント分子をブロックすることで細胞障害性T細胞を疲労困憊状態から活性化状態にし、ガンに対しての攻撃を高める目的で「免疫チェックポイント阻害剤」(immune check point blocker)が開発されました(日本では「オプシーボ」という商品が使用されている)。
(「新・免疫革命」p151)
(※12)
免疫細胞のやる気をなくすこれらの免疫チェックポイント分子は、細胞障害性T細胞(CD8+)だけでなく、マクロファージ、樹状細胞のような食細胞やナチュラルキラー細胞、ヘルパーT細胞(CD4+)にも発現しています。
そうするとガンの治療目的で開発された「免疫チェックポイント阻害剤」は、生体内で細胞障害性T細胞以外の上記の細胞にも影響を及ぼし、形態形成維持に影響を与えるということになります。特にこの薬剤は免疫チェックポイント分子をブロックすることから免疫寛容がなくなり多臓器にわたって自己免疫反応(自分の体を攻撃する)を引き起こします。これは「免疫関連副作用(IRAEs,immune-related adverse effects)と呼ばれています。免疫チェックポイント阻害剤の投与を受けている人の約70%〜90%に起こると報告されています。
特に細胞分裂の盛んな腸粘膜、皮膚、肝臓、骨髄系には影響が出やすいことが分かっています。
(前掲書p155)
さらにはこの免疫チェックポイント阻害剤にもガンは耐性を作ることが分かってきました。また免疫チェックポイント分子をブロックしても、細胞障害性T細胞(CD8+)の活性化が長続きしません。免疫チェックポイント阻害剤の作用がなくなると、すぐに疲労困憊状態に戻るのです。これではガンが消失するまで薬剤を投与しないといけない羽目になります。
(前掲書p158)
ガン細部は免疫チェックポイント分子を出したり、死滅した細胞からT細胞疲弊(T cell exhaustion)を引き起こすゴミ(mess)を放出したりすることで、形態形成維持の自己監視機能を逃れています。何度も繰り返しますが、これらはガンが“自分の細胞”であることの証左ともいえるのです。
前述した放射線治療後の死滅ガンによって周囲のガン細胞が増殖する現象(レベス現象、the Rsvesz phenomenon)なども、死滅したガン細胞からダンプス(DAMPs)であるプルスタグランディンE2(PGE2)や低酸素因子が放出されることが原因です。死滅したガン細胞から放出されたプロスタグランディンE2(PGE2)は、食細胞に対して腫瘍壊死因子(TNF-α)などのサイトカインの分泌を低下させて、M2型のマクロファージを増加させて腫瘍増大に働きます。
逆に死滅したガン細胞から放出されるリン脂質(phosphatidylserine)によって各種の炎症性サイトカイン、ケモカイン(TNF,IL-6,IL-8,CCL4,and CCL5 etc)が食細胞から放出されることでガンの場が形成されてガンが増殖することも報告されています。
(前掲書p179)2023年11月4日改稿