日本の漁業が崩壊する本当の理由 片野歩

世界中で魚類資源が増えているのに、日本だけが減っている。
この現実を、恥ずかしいと思うべきである。

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すべての漁協組合長、理事、参事、そして、任意の漁業団体の会長以下すべての役員たちは、この本を読むべきだ。
読みたくないならば、「日本の漁師は大バカものだ」を参照すること。
これを認識できないならば、役職に就く資格はない!

2023年10月10日

メモる 26

ふたたび。

福島原発の廃炉は可能だろうか?
新聞に詳しく書かれることは、ない。
日本の官僚、政治家、電事連に、正直に話す人間はいない。

 国と東電は、今なお「事故から30〜40年以内に廃炉を完了する」との大方針を掲げ続ける。40年後の2051年まで残り30年を切ったが、廃炉作業はあらゆる分野で障壁に直面し、現状でこのスケジュール感は夢物語と言うほかない。たとえば燃料プール内に残された使用済み核燃料の取り出し。4号機に次いでトラブル続きだった3号機も21年にようやく完了したものの残る1、2号機は全くメドが立っていない。
 中でも1号機は使用済み燃料プールの上に重さ161トンの巨大クレーンが折れ曲がって倒れ掛かっており、その撤去が困難を極める上、燃料プール上部の「オペレションフロア」と原子炉圧力容器を隔てる3層の蓋「シールドプラグ」が水素爆発の影響で外れており、高線量のため近づくことさえ容易ではない。
 そして言うまでも泣く最大の難題は、メルトダウンで溶け落ちた核燃料が炉内機器や構造物と共に固まった「燃料デブリ」の取り出しだ。その分量、1〜3号機で計880トンに上るが、12年半たっても1グラムも取り出せていない。しかもこの数値もあくまで推計値にすぎず、実際のデブリは大幅に上回る可能性もある。
 電力会社や原子炉メーカーでつくる「国際廃炉研究開発機構」と東電は7月14日、2号機の試験的取り出しで使うロボットアームを公開した。これまでも鳴り物入りで投入したロボットが3メートルで動けなくなるなど、失態続きで2度延期。今回こそ今年度末までの取り出し開始を目指すが、当面の目標値はわずか「数グラム」だ。
 1、3号機は着手の時期すら決まっておらず、溶融が最も激しい1号機では原子炉を支える台座で鉄筋がむき出しになるなど深刻な損傷も見つかっている。圧力容器が落下する事態にでもなれば放射性物質の外部流出の恐れさえあり予断を許さない。
 仮に、どのような手法によるのか皆目検討もつかないが、将来、技術が飛躍的に進歩し取り出し可能になったとしよう。毎日10キロのデブリを1日も休まず処理続けても、880トンの取り出しが終わるのは実に240年後である。その上、取り出したデブリや原発解体に伴って発生する膨大な廃棄物など、超高レベルの放射線ごみの処分先も何ら決まっていない。
 解決法のない問題はまだまだあるが、それら全てをクリアして30年以内に一体どうやっては廃炉を実現するというのか。いや、その前にそもそも「廃炉」とはどうような状態を呼ぶのか、それすら特定せず避難民や漁業者にできもしない幻想を振り撒く国と東電の国家的詐欺は、いずれ遠からず問われるに違いない。

 岸田政権が原発回帰を鮮明にする中、長崎・対馬の高レベル放射性廃棄物最終処分場への応募の動きや、山口県上関町の中間貯蔵施設の調査受け入れなど、堰を切ったように各地で原発再稼動をめぐる思惑が顕在化している。だが、ゆめゆめ忘れてはならない。12年前に出された「原子力緊急事態宣言」はいまだ発令中である。
(「紙の爆弾」2023年10月号p74)


posted by T.Sasaki at 15:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 原子力災害 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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