本日、6回目。
はちみつシリーズ完結。
はちみつには、みつばちが花の蜜を集めてきたものと樹木の蜜を集めてきたものの二つがある。
(※1)どのはちみつも体に良いが、はちみつの色によって、若干効能に差がある。
白いはちみつは、体力が弱っている人や病後から穏やかに回復する場合に有効である。
(※2)黄色いはちみつは、基礎代謝を向上させ、免疫力を強化する。
(※3)茶色のはちみつは、肉体労働やアクティブな人向けであり、高血圧、心臓や血管系、肝臓系にダメージがある人にも有効である。
(※4)慢性的な疾患や体力の衰えのある人には、1日に大さじ6杯から8杯を、崎谷先生は勧めている。
(※5)私は、1日4杯くらいで、逆流性食道炎のヒリヒリが治った。
それ以降、気がついた時に食べる程度だ。
50歳を過ぎたら疲れが残るようになったので、以前は黒にんにくを食べていたが、それを食べなくてもいいくらい疲れなくなった(ただし、関節痛や腰痛は別物)。
大部分は、プーファ・フリーの賜物だと思うが、はちみつの効果もあるかもしれない。
そして、他の食品と同じように、別のものを自分の好みに合わせて食べてもいい。
(※6)食べ合わせにも注意があるとは思うが。
注意といえば、乳幼児には、はちみつは厳禁である。
乳児ボツリヌス症という感染症になってしまう。
https://www.24028.jp/mimistage/healthcare/1349/(「
MIMI STAGE」)
専門店に行って、いろいろ買って食べてみるといい。
合う合わないは、個人差による。
私は、アカシアが食べやすかった。
レモンもいいと思う(レモンのような味が混じっている)が、たぶん日本では生産していないと思う。
それに近いのが、大峠養蜂場の百花蜜だ。
しかし、百花蜜もロットによって、少々味が違う。
(※1)
ハチミツは、フローラルハニーとハニーデューに分けることができます。
フローラルハニーは、一般的に馴染みのあるハチミツで、西洋ミツバチが花蜜を巣箱に集めてきて出来上がるハニーです。その中でも、一つの種類の花の蜜からなるハチミツを単花蜜(monofloral honey,モノフローラルハニー)と呼びます。一方で、数種類の花の蜜からなるハチミツを百花蜜(multifloral honey,マルチフローラルハニーもしくはポリフローラルハニー)と呼びます。
ハニーデューは、ハチが樹木の蜜(カメムシやアブラムシの集めた分泌液)を集めてできたハチミツです。フォレストハニーと呼ばれることもあります。このハチミツの最大の特徴は、蜜自体を花から集めるのではなく、虫たちが集めた樹木の蜜から集めるので、ハチミツに花粉が含まれないことです。
花粉には、ファイトイソプラストン(phytoisoprastone)というオメガ3の過酸化脂質が入っており、糖のエネルギー代謝が低下している場合は、アレルゲンとなり得ます。そのため、花粉症などのアレルギーがある人や糖のエネルギー代謝が低下している人には、ハニーデュー・ハニーがお勧めです。
ハニーデュー・ハニーはフローラルハニーに比べその効用は引けをとりませんが、フローラルハニーに比べて劣る点があるとすれば、糖質全体とくにフルクトースとグルコースの量が少ないことです。また、オリゴ糖が比較的多いことから、腸のダメージであるリーキーガットがある場合は小腸内でバクテリアが増殖しそこから生じる毒素によって、結果として炎症につながりかねません。リーキーガットの問題を抱えている場合や、ステロイド摂取の薬暦の長い方の積極的な摂取は控えることが望ましいでしょう。
(「ハチミツ自然療法の最前線」p248)
(※2)
白いハチミツは身体を鎮静した状態に保ちつつ、穏やかにエネルギーを回すサポートとなります。つまり基礎的なエネルギーだけを生み出す役割を持つハチミツというイメージです。「炎症を起こさないようにしたい。でもとりあえず毎日生きるためのエネルギーはきちんと回したい」という方に白が良いでしょう。また、寝ている間にも私たちはエネルギーが必要なので、寝る前のひと匙としても白いハチミツはおすすめです。
代表的な白ハチミツとしては、カザフスタンやキルギスのサインフォイン、ロシアのリンデン、マレーシアのハニードューなどがあります。カナダにも白いクローバーハチミツがありますが、農薬の問題をクリアしたものであることが望ましいでしょう。
タスマニアでもクローバーハチミツを作っています。色は黄色っぽい透明ですが、クローバーハチミツは鎮静の力のサポーターとして活用できます。
長期的に慢性疾患を患っていて「薬剤投与してきた」「頻繁に頭痛がある」「毎年花粉症で服薬してきた」、女性なら「生理がいつも重くてしんどい」など、手軽な市販の薬を頻繁に摂取してきたような方の大半は、体温が低く貧血気味で、酸素量の低下も伴い甲状腺の機能が低下している状態です。エネルギー生産も活発でないため、体温が低いのです。
糖による効率的なエネルギー生産システムが滞っていることが多く、そうなると炎症の火種をたくさん抱えていて、自分でも気づかないところで炎症があちこちに起きています。
炎症が密かに起きているという状態の時には、まずは少しずつエネルギーの量を増やし、基礎代謝の力を元気に回復させることに集中する、ということが大切です。代謝が一気に上がると、体内の排出の力も増大するので炎症が加速することもありますから、ゆっくりとエネルギー量を増やして健康な体を取り戻していきましょう。その段階を踏むためには白いハチミツが最初に取り入れやすいハチミツとしてオススメです。
(p253)
(※3)
まさに黄色のハチミツは基礎体力を作ります。
ドンニックは赤色〜ピンク色をした花のハチミツです。ホルモンバランスが崩れている方は排卵の2日前くらいから排卵までの期間と、生理の5日前から生理が始まるまでの期間を、同じようにホルモン作用を持つハーブのお茶と一緒に摂るとホルモンバランスを調整するサポートになります。
クローバーやレザーウッドは、冷えがあって鉄をうまく酸素供給のために使えていない、つまり鉄が余ることによって活性酸素が発生し、炎症が慢性的に起きているような人にもサポーターになります。
自分の生産するエネルギー量が増えれば排卵は勝手に起きますので、エネルギー量の底上げという意味では黄色のハチミツの中でも、特にジャラやシドルがおすすめです。
ジャラとシドルは甲状腺に刺激を与えつつエネルギーを生むのに本当に良いハチミツです。同じ作用を持つのが、アカシア、そして黄色っぽい色のリンデンです。リンデンは白っぽいものから黄色っぽいものまでありますが、それぞれの色によって内包されているエネルギーが違います。
マリー、ドライアンドラ、ブラックバッド、ホワイトガム、ワイルドフラワーなど、黄色のエネルギーを持つハチミツは、私たちのコアエネルギーを賦活します。逆に言えば、この力が弱まると病気にかかりやすくなるということです。一般的に言われる「免疫力」というものがこの黄色のハチミツによってブーストアップされるのです。甲状腺が私たちの体のエネルギー生産を支えており、そこで生産されたエネルギーは、基礎代謝を回すために優先的に利用されます。
私たちの体には、外環境から内側を守る防衛壁が備わっています。全身の皮膚、口から胃、腸、お尻の穴までの筒になっている粘膜部分はまさしく外界の接点の場所です。私たちが不調になる時、最初に症状が出やすい部位になります。
基礎代謝分のエネルギーを確保し、そこに日常の体のすべての活動、言葉を変えれば息をする、心臓の拍動を起こす、臓器を働かせる、細胞を作る、筋肉を動かし日常の作業を行う、立つ、座る、歩く、眠るなどに使います。そこでは、防壁である粘膜という外壁の修復も体を守るためには優先的な活動です。それゆえ、黄色のハチミツを摂ることで得られるポイントは、エネルギーを生産する甲状腺の活性、それに次いで皮膚の疾患、粘膜の疾患からの回復になります。
粘膜部分に一番効果を感じやすいのはマリー(Marri)とブラックバット(Black butt)というハチミツです。この二つはその成分からも粘膜と皮膚の状態に非常に有効です。
エネルギーが枯渇して元気がなくなり、副腎や腎臓、肝臓の機能も落ち、アドレナルファティーグと呼ばれるような状態になった場合には、体内の浄化機能が上手く作用しなくなり炎症ゴミが増えてきます。そんな時の腎臓のサポートにはカリー(Karri)が有効です。
マリーは日々の肝機能や消化管の問題、つまり粘膜や皮膚といった外側の保護、カリーは内側で腎臓や生殖器、副腎の保護をする。そんなハチミツたちです。マリーとカリーでセットになって肝臓&腎臓のサポートとなります。
肝臓や腎臓は日常的なストレスに対処する臓器ですが、カリーはその保護として働きます。マリーとカリーはほとんど同じエネルギーのグループのハチミツです。フルクトースの含有量も高く、脂質の代謝問題を抱えている人には非常に助けになります。どちらにしても活動する時に必要になる基礎代謝力を上げるエネルギーブースターとなります。
全身のエネルギー量を増やすために日常的に摂取するハチミツとしては黄色であれば基本的にはどれもおすすめです。
黄色のハチミツの中に少し茶色がかったゴールデンルートというハチミツがありますが、これは男性用のドンニック、つまり男性のホルモンバランスを整える作用を持ちます。
「黄色」は基礎代謝の部分に直接的に貢献するエネルギーの色だと覚えておいていただけると良いでしょう。つまり全体のエネルギーを活性化し増やすことで、免疫力そのものも上がるのです。抗菌作用が免疫を上げるわけではありません。自分の機能の健全な働きと代謝能力、それこそが免疫です。
(p255)
(※4)
私たちがストレス下に置かれるのは、夜ゆっくりしている時よりも、昼間活動している時のことが多いですね。そういう活動時、とくにストレスフルな活動時に摂取すると効果的なのがミネラル分を多く含む黒っぽい色、またはこげ茶色をしたハチミツです。
(p213)
「過酸化脂質が溜まっている」「脂質の問題で肝臓が傷んでいる」といった方に適しているのが茶色のハチミツです。過度のストレスから活性酸素と血中の多価不飽和脂肪酸(PUFA)が結合して過酸化脂質となり、それが原因で血管の詰まりや高血圧、心臓や脳疾患、肝臓疾患といった症状を引き起こしている場合には特におすすめです。
酸化しやすい脂質による詰まりや体内ゴミが増えていく過程で、脂質を代謝する肝臓も傷んでしまうので、肝臓に不調がある場合は、脂質の問題も考慮に入れなければなりません。代謝の力も、血中の脂質過剰の問題も意外と見落とされがちの点です。
茶色のハチミツには、マレーシアやフィリピンなどの暖かいところで採れるものと、大陸北部などの寒いところで採れるものの2種類があります。
暖かいところで採れる茶色のハチミツは、アクティブな活動のためのエネルギー源として活用できます。一方、冷たいエリアで採れる茶色のハチミツは、免疫抑制によって炎症ゴミが溜まって、萎縮し組織障害を起こしてしまっているという状態を改善するのに効果的です。
ストレスを抱えがちな時には、茶色のハチミツに加えて、黒色のハチミツもうまく取り入れると非常に有効です。
マレーシアのワイルドハニーという濃い茶色をしたハチミツがありますが、それは糖度が高く、元気に動き回る人のエネルギー源にとても良いハチミツです。また、毎日の肉体疲労が大きく、エネルギー量が足りていない状態なのに外に出て活動しなければならない、帰宅すると途端にぐったりしてしまう、という人にとてもおすすめです。
スティングレスビーのハチミツはフィットネスする前後や肉体を少し酷使し過ぎた時などに、エネルギー原料とミネラルを補充するのに最適です。代謝を一気に上げるために、運動用のハチミツ水は、炭酸で作るとなお良いです。疲労の回復度が早いことを体感していただけると思います。特にお子さんが運動する場合は、是非スポーツドリンクとして飲ませてあげてください。
そして私が血管の詰まりなどに特にお勧めしたいと思っているのは寒いところで取れる茶色のハチミツ、特にそば、ヘザーやチェスナットです。
ヘザーはタバコをよく吸う人、お酒を飲みすぎている人、そして他の原因ででも肝機能が大きくダメージを受けているような人にお勧めです。一方チェスナットのハチミツには苦みがあり、日々オーバーワークになってしまいがちな人に美味しいと感じていただけるハチミツです。働き詰めの男性にもお勧めです。
心臓や脳の血管のつまりを抱えている場合には、ヘザーやチェスナット、マザーワートといったハチミツの摂取が有効です。
フィリピンのスティングレスビーのハチミツは体内でALEs(終末脂質過酸化産物)などの脂質によるタンパクゴミが生まれやすい状態の人にとても美味しく感じられるハチミツで、酸味もあり個性的な味がします。
(p258)
(※5)
慢性的な症状や悩みには、基本は1日に大さじ6から8の摂取を勧めています。
朝 大さじ2
日中 午後のおやつに大さじ2
夕飯の後 大さじ2(1)
就寝前 大さじ2(1)
この量を2年ほど続けると、体の環境は、言葉を変えればエネルギー代謝の運転が改善され、体がエネルギッシュにその形態形成維持を実行していくようになります。つまり、ホメオスタシスによる免疫の発動が非常にスムーズに行われるようになるのです。
慢性疾患の薬歴にステロイドをはじめとする免疫抑制の過去が長かったり、オメガ3や青汁ほかの長期摂取で甲状腺機能を落とすことで、エネルギー生産を削り、結果としてその免疫抑制力によって症状を押さえ込んできた背景がある場合、ハチミツや糖の摂取を始めることでエネルギー量が増え生命活動に活性が生まれます。
本人はやる気を感じたり、体力回復を体感したりすることでしょう。
ここまでの回復に、だいたい1年から2年の年月が必要です。エネルギー量が回復すると同時に、今度は免疫抑制力によってそれまで処理しきれなかった体内の炎症ごみの掃除が始まります。ここからゆっくり「代謝」という形で過酸化脂質によるゴミや毒性物質などを処理できれば、炎症さえ起こさずに体内の掃除は終わります。しかし、これは健康な代謝を持っている人の体で起きることです。非常に残念なのですが、免疫抑制を長い間続けてきた人の体は、炎症という手段を使って一気に掃除をすることがほとんどのケースで起こることです。
(p293)
(※6)
中庸である健全さは、基礎代謝が円滑に行われるのです。そこで必要なエネルギーになるハチミツの選び方が、色に表れるバイブレーションの種類による選択というのも一つの手段です。しかし、最も信頼できるツールは、自分の五感です。美味しいな、と感じる味のハチミツが必ずあるでしょう。そこに、レモンやシナモン、ジンジャー、またはハーブを漬け込んだり、柑橘系の皮と入れたりとハチミツにこういったスパイスを足すことによって、より美味しく感じるものがあるはずです。
喉が痛く咳が出るなら、大根のスライスをハチミツに一晩漬け込んで、お湯に溶かして内服してみてください。脂質(プーファ)の酸化代謝産物による血管の詰まりや糖尿病の改善にシナモン(セイロンシナモンであること)を混ぜ込んだ処方が効用をなすことなどは、歴史の中でも、現代リサーチでも認知されていることです。または、慢性的な真菌の問題にはハーブのレモンマートルをハチミツに漬け込んだもので体にはダメージを与えず菌の繁殖を抑えます。
ハチミツで、回復へのエネルギー力を得て、そこに調味料的スパイス、ハーブ、精油、野菜や果物など、ちょっとしたスパイスを足すことでいろいろな疾患への力強い治癒力を促します。
また、代謝が上がることで起きる炎症の時には、その部位の修復を助けるためにもアミノ酸やコラーゲンの摂取を同時に行うことで、回復のスピードは格段に早まります。
ハチミツを戦力の要に据えたら、あとはサポーターを投入してじっくりと体と向き合ってまいりましょう。体は、エネルギーを十分に確保すればあとは勝手に治っていきます。
(p295)
posted by T.Sasaki at 21:08|
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病を駆逐せよ
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