日本の漁業が崩壊する本当の理由 片野歩

世界中で魚類資源が増えているのに、日本だけが減っている。
この現実を、恥ずかしいと思うべきである。

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すべての漁協組合長、理事、参事、そして、任意の漁業団体の会長以下すべての役員たちは、この本を読むべきだ。
読みたくないならば、「日本の漁師は大バカものだ」を参照すること。
これを認識できないならば、役職に就く資格はない!

2023年06月20日

各病気の本当の原因(免疫について 8)

4回目。

崎谷先生の「健康常識パラダイムシフトシリーズ」の本文中には、意外な病気の原因などが書かれてある。
ここを読むと、「お医者さん、ちゃんとしろよ」と言いたくなるだろう。

緑内障の原因は眼圧が高くなることにある、と言われていたが、その大元は炎症ゴミであり、プーファであった。(※1)
そして意外にも、危ない病原菌とされるものも常在菌も、その影響は、その人の健康状態に左右されるものであり、すなわち、コンテキスト依存である。(※2)
もっと意外なのは、結核が感染症ではなく、自己免疫疾患に分類される。(※3)

メタボリック炎症とは、メタボの人の体内で進行する炎症のことであり、脂肪分解(リポリシス)、すなわち、ダイエット時には特に炎症が進む。
急激なダイエットはしないほうがいいというのは、そのためである。
このメタ炎症は、インシュリン抵抗性により、さまざまな組織への糖の取り込みをブロックすることから始まる。
糖の取り込みをブロックされると、そこで脂肪を使い始めるが、困ったことに、活性酸素などの毒が過剰に発生し始め、炎症が加速する。(※4)
脳や心臓、血管、腸にまで、メタ炎症は影響を及ぼす。(※5)

鉄の摂取とストレスによって、休眠中のバクテリアやレトロウイルスは目覚め、プーファといっしょに炎症を引き起こす。
鉄の過剰摂取はやめて、ストレスフリーを目指せ!(※6)
再び、怒るな!悩むな!(笑)

虫歯は、口の中の病気である。
唾液中の重炭酸イオンがそれを防いでいる。
唾液が出にくくなっている人は虫歯になりやすい。
重炭酸イオンは、正常な糖のエネルギー代謝によってできる二酸化炭素が必要である。
したがって、糖質制限食は、唾液に影響を与え、
エストロゲン過剰でも、骨粗しょう症に関連して、虫歯になりやすくなる。
また、エンドトキシンとプーファ摂取の組み合わせでも歯は溶ける。
虫歯で発生するエンドトキシンは、全身炎症へと発展することもあるから、注意が必要となる。(※7)



(※1)
 欧米の眼科学会では、眼球の前部を循環している水(房水)がどこかで根詰まりを起こしてあふれかえるために、網膜(視神経)が圧迫されて失明するとしています。
 房水の流れを妨げるものは、排水路(シェレム管といいます)の狭窄・閉塞です。排水路の組織が癒着や線維化で変性することが原因ですが、それは炎症によって引き起こされます。つまり、眼圧が上がることも緑内障の発生と同じく炎症が先にあるということです。
 それでは原因のところの炎症がなぜ起きるのか?
炎症ゴミ(病的な炎症を引き起こすゴミ)が眼球組織にも溜まるからです。その炎症ゴミの最大の原因は、プーファ(オメガ3&6)でした。
(「慢性病は現代食から」p30)

(※2)
 黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)はアトピー性皮膚炎のひとつの原因とされています。それに対して表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)は、健康人の皮膚の主要な常在菌とされています。つまり、コレステロールの悪玉、善玉と同じように、皮膚の悪玉菌として黄色ブドウ球菌、善玉菌として表皮ブドウ球菌とされているのです。
 しかし、黄色ブドウ球菌は健康の人の皮膚にもコロニー(colony:集団)を作りますが、皮膚炎を起こしません。一方、善玉であるはずの表皮ブドウ球菌は、ときに感染症を引き起こします。実際に表皮ブドウ球菌は、集中治療室の血流感染(bloodstream infection)の少なくとも22%の原因であり、新生児、特に未熟児の感染症による死亡の主要な原因になっています。
 消化性潰瘍、胃がんなどの原因として除菌が勧められているピロリ菌(Helycobacter pylori)も悪玉菌のように宣伝されています。ピロリ菌は、世界人口の約半数の胃に共生していますが、実際に潰瘍や胃がんを引き起こすのはほんの数パーセントにも及びません。そればかりか、ピロリ菌との共生によって結核や小児喘息に罹りにくくなります。
 ちなみに結核菌や同じ種属のらい病菌(鼠らい菌 Mycobacterium lepraemurium)は、感染したとしても一生のうちで発症するのはたった5〜10%程度に過ぎません。感染症も感染する微生物の問題ではなくて、その土壌(宿主側)の問題であることを示しています。感染も「コンテキスト依存」であるということです。
(前掲書p40)

(※3)
 そして極めつけは、ステロイドという免疫抑制物質を全身投与すると結核感染症が改善することです。純然たる感染症であれば、ステロイドの投与ほど危険なものはありません。感染症を悪化させるからです。結核感染でステロイドが有効なのは、とりもなおさず結核感染による結核症は自己免疫疾患であることを物語っています。
(前掲書p53)

(※4)
 後に詳述しますが、食べ物(特に高脂肪食)は必ずマクロファージなどの白血球を活性化します(「食後炎症(postprandial inflammation)」といいます)。これは脂肪酸(とりわけプーファ)そのものが、炎症ゴミとなって免疫系を刺激することが理由です。その上に、高脂肪食は腸内微生物のバランスを壊して、エンドトキシン(内毒素)を増やすことでも炎症を加速させていきます。
 高脂肪食は、インシュリン抵抗性(メタボリック・シンドローム)、慢性炎症、自己免疫反応を高めます。その一方でファスティングや飢餓状態では、免疫細胞が糖を利用できないために、ステロイドやオメガ3投与と同じ免疫抑制状態になります。つまり、感染症に罹りやすくなります。
(前掲書p65)
高脂肪食(高プーファ食)では、使用されない余剰分の脂肪、とくにプーファ(多価不飽和脂肪酸)は脂肪組織に蓄積し始めます。(飽和脂肪酸はエネルギー源としてプーファよりも優先的に使用されます)。
 プーファの蓄積する脂肪組織において、自動酸化されて形成されるアルデヒドがまず脂肪組織の糖運搬体(GLUT4)に結合します。これによって、糖運搬体の機能・構造が破壊されて、脂肪組織において糖を細胞内に入れることができなくなります。つまり、高プーファ食では脂肪組織が全身の他の臓器に先がけてインシュリン抵抗性になります。
 脂肪組織がインシュリン抵抗性になると、インシュリンのリポリシス抑制効果(アンチリポリシス)がなくなるため、遊離脂肪酸(プーファ)が脂肪組織からリポリシスによって大量に血液中に放出されます。
 この脂肪組織のリポリシスによって筋肉や肝臓など本来の場所ではないところ(異所性)に脂肪(プーファ)が蓄積します。このプーファの蓄積によって、筋肉・肝臓そして脳などの組織が次々とドミノ倒しのようにインシュリン抵抗性になっていきます。
 実際に脂肪組織の糖運搬体(GLUT4)をブロックすると、筋肉・肝臓がインシュリン抵抗性になります。そしてメタ炎症が全身に拡大していきます。まさに「病はリポリシスから」なのです。
(前掲書p74)
 メタ炎症で重要な組織の一つが筋肉です。なぜなら、筋肉は私たちの体の40%近くを構成する最大の器官であり、かつ食後のインシュリンによる細胞内への糖の取り込みの80%を占めているからです。
 食事中の脂肪組織に蓄積できない余剰の脂肪(spill over)や、脂肪組織からリポリシスの結果放出される遊離脂肪酸のいずれも筋肉内に取り込まれます。この状態が霜降り肉にみられる“サシ”という脂肪部分です。ほとんどの高級な牛肉はメタ炎症を起こした牛の肉です。
 これら脂肪酸は、筋肉内で中性脂肪やセラマイド(ceramid)・ダイアシルグリセロール(DAG)として蓄積されるか、脂肪のβ酸化によって消費されます。このいずれもが、ミトコンドリアにストレスを与えて、最終的に炎症・インシュリン抵抗性・細胞障害などを引き起こします。筋肉がインシュリン抵抗性(脂肪と同じく筋肉の糖運搬体にアルデヒドが結合する)となって糖を筋肉細胞内に取り入れることができなくなると、本格的に糖尿病に代表されるメタボリック・シンドロームになります。
(前掲書p76)
 脂肪組織のインシュリン抵抗性から始まり、リポリシスによって肝臓もインシュリン抵抗性になります。肝臓のインシュリン抵抗性は糖新生という代謝に切り替わるサインとなります。肝臓の糖新生とは、特に脳や赤血球などの細胞が、糖欠乏を起こしているときに脂肪やタンパク質を砕いて糖に変換する代謝のことを指します。
 肝臓はこの時、同時に脂肪(遊離脂肪酸)からケトン体を産生して、筋肉などに供給します。これは低血糖という緊急事態に対する一時的なバックアップシステムです。この状態が慢性化した状態はまさに肝臓のインシュリン抵抗性が続く状態を意味します。つまり、全身のメタ炎症が起こっているということです。
 さらに、ミトコンドリアのエネルギー産生場である内膜(カルジオリピン)に脂質過酸化が起きることで、非アルコール性脂肪肝障害(NAFLD:Nonalcoholic fatty liver disease)が起こります。これが時間経過とともに肝硬変・肝細胞がんに発展していくのです。
(前掲書p80)
 今まで高プーファ食によって細胞内にセラミド、ダイアシルグリセロールの蓄積、小胞体ストレス、活性酸素・窒素種の過剰産生などがインシュリンのシグナルをブロックするということをお伝えしてきました。しかし、これらの原因はすべてミトコンドリアにストレスを与えて活性酸素・窒素種(ROS,RON)の過剰産生を引き起こします。高プーファ食によって、プーファそのものが糖の代わりにミトコンドリアの燃料として使用されることだけでも、過剰な活性酸素・窒素種の産生を引き起こします。
 この過剰な活性酸素・窒素種は、細胞内にある鉄と反応してハイドロキラジカルという最も反応性の高い活性酸素種を産生します。そして、近傍にあるプーファと反応してアルデヒドを作ります。このアルデヒドが糖の運搬体(GLUT4)に結合して機能・構造を破壊することが、真のインシュリン抵抗性の原因なのです。
 鉄の貯蔵態としてフェリチンというタンパク質があります。このフェリチンが高い人(肥満女性)ほど、インシュリン抵抗性およびリポリシスが起こることが分かっています。鉄によって脂肪分解酵素(HSL)が誘導されて、直接リポリシスが引き起こされることが報告されています。
 しかし、それよりも重大な要因は、鉄とプーファの反応によってアルデヒドが発生し、そのアルデヒドによるインシュリン抵抗性によってリポリシスが起こることなのです。
(前掲書p96)

(※5)
オメガ6から形成されるアルデヒド4-HNEがインシュリン受容体基質(IRS)に結合してインシュリン・シグナルをブロックすることも分かっています。オメガ3から形成されるアルデヒド4-HHEも4-HNEと同じ作用をしますので、調べれば同じくインシュリン・シグナルをブロックすることが分かるでしょう。
プーファは、インシュリン抵抗性などのメタ炎症を引き起こして、心臓血管系にも甚大なダメージを与えます。心筋梗塞や動脈硬化の予防および根本治療は、やはりプーファ・フリーです。
(前掲書p89)
最近では、脳が他の臓器に先駆けて炎症を起こすことが示唆されています。高脂肪食を与えたラットでは、三日後の脳の視床下部(ホルモン・自律神経のセンター)に炎症・線維化が起こりましたが、その他の組織にはまだ炎症反応が認められなかったのです。
 その他、今までの研究では脳の視床下部(ホルモン・自律神経のセンター)ばかりでなく、前頭葉(思考の中枢)や他の重要な脳組織に炎症が起こることが報告されています。
 エンドトキシンによるメタ炎症によって脳にも炎症が波及し、脳に異常タンパク質が蓄積するパーキンソン病やアルツハイマー病を引き起こします。口腔内バクテリアの暴露によってアルツハイマー病と同じ脳の炎症が起こることが報告されていますが、これも口腔内バクテリアが血液中に入ってエンドトキシンやリポテイコ酸(いずれもバクテリアの細胞壁成分)などが、脳内で炎症を引き起こすからです。
(前掲書p119)
高脂肪食では腸粘膜細胞に接着・侵入する大腸菌(adherent-invasive Escherichia coli)が増加することが分かっています。この大腸菌の増殖によって腸内に炎症が起き、腸のバリア破壊によってリーキーガットを引き起こします。
(前掲書p122)

(※6)
健康な人でも血液内を調べると、血液1ml中に1000ものバクテリアが認められるのです。特に赤血球内に共生していますが、白血球内にも共生しています。さらに言うなら、バクテリアは健康人のどの組織にも増殖もせずにひっそりと共生しています。
(前掲書p128)
 通常は血液を循環しているバクテリアは休眠状態にありますが、ここにフリーの鉄があると活性化し、エンドトキシン(LPS)やリポテイコ酸(LTA)を放出し始めます。健康な人であれば、血液内にフリーの鉄はほとんど存在しません。したがって、休眠状態のバクテリアが目覚めることもありません。
 フリーの鉄は、休眠しているバクテリアを活性化する以外にも、特にプーファと反応して大量のアルデヒドという発ガン物質を作り出します。したがって、私たちは注意深く鉄を扱っています。常に鉄をフリーにしないように細胞内においてフェリチンというタンパク質が鉄を抱きかかえています。あるいは、フリーの鉄は細胞内でミトコンドリアのエネルギー代謝の中間物質であるクエン酸やアデノシン二リン酸(ADP)に結合しています。しかし、炎症や外傷などがあって細胞が破裂(死滅)すると、フェリチンなどの鉄結合物質が血液中に漏れ出す結果、フリーの鉄が放出されます。
 今度はフリーになった鉄はプーファと反応して細胞を破壊するアルデヒドを大量に産生させますから、細胞が死滅します(アポトーシス、フェロトーシス、ネクローシスなど鉄による細胞死滅は様々な形態がある)。そして、死滅した細胞からさらに血液中にフリーの鉄が放出されるという悪循環を招きます。
 また、鉄を欲しいバクテリアは、炎症時にはシデロフォー(siderophore)という鉄タンパク質を産生します。フリーの鉄の奪い合い合戦が始まるのです。そして、このシデロフォーという鉄結合タンパク質そのものが炎症性物質を産生させて炎症を加速させます。
 赤血球もグロビンというタンパク質で鉄(ヘム鉄)を結合させて鉄がフリーにならないようにしています。しかし、炎症時には赤血球も死滅(eryptosis)を起こし、赤血球内の鉄がフリーで血中に出ます。
 このような赤血球死滅(eryptosis)は、糖尿病、パーキンソン病、関節リウマチのような慢性病の特徴です。実際に健康な人の血液に炎症物質(インターロイキン8、IL-8)を加えると、慢性病と同じように赤血球は死滅します。このような赤血球死滅による血液中へのフリー鉄の放出でも、休眠状態のバクテリアを活性化し、エンドトキシン(LPS)、リポテイコ酸(LTA)を放出させて、さらに炎症を加速させます。
 ヘモクロマトーシス(hereditary haemochromatosis)や頻回輸血を受けるサラセミア(thalassaemias)などでは常に鉄過剰状態(血液中のフリーの鉄濃度が高い)ですので、非常に高い感染率を示します。輸血を受けると免疫機能が低下することが知られていましたが、これは鉄、休眠バクテリアやエンドトキシンなどの量が増えることが原因だったのです。
 一度高脂肪食などでメタ炎症が起こると、フリーの鉄を得た休眠バクテリアが蘇り、さらにエンドトキシンなどの強い炎症性物質を放出して炎症が慢性化、劇症化していくのです。
(前掲書p129)
 自分の遺伝子の一部(トランスポウゾン)は、全身に循環することで、遠隔臓器の組織の遺伝子に組み入れられて様々な機能を持つようになります。この血液中を動き回る遺伝子(トランスポウゾン)の中でも重要なものがヒト内因性レトロウイルス(HERVs:Human endogenous retroviruses)です。ヒトDNAの8%を形成しています。
 通常は休眠(転写されない=タンパク質として発現しない)していますが、エストロゲン様物質、喫煙、炎症性サイトカインなどのストレスがかかると覚醒(転写(発現))し、実際にウイルス粒子となります。
 休眠状態の内因性レトロウイルスの発現はガンなどの病的状態で高まります。内因性レトロウイルスの発現が高いほど予後も悪いことが報告されています。ガンだけでなく、多発性硬化症、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、自己免疫疾患、発達障害、自閉症・統合失調症、エイズ脳症、多動症(ADHD)などでも内因性レトロウイルスが発現しています。
 筋委縮性側索硬化症(ALS)で亡くなったヒトの脳を調べると内因性レトロウイルスの濃度が高いことが分かっています。
 このように、私たちの遺伝子の一部となっているウイルス(内因性ウイルス)も、ストレスがかかると休眠状態が目覚めて様々な影響を与えるのです。
(前掲書p135)

(※7)
歯を溶かして虫歯の原因となる乳酸の作用を中和して虫歯を予防するのは、私たちの唾液です。唾液は乳酸を中和するバッファー(緩衝液)を担っているだけでなく、エナメル質の再石灰化(remineralization)作用や抗バクテリア作用を有するタンパク質も含んでいます。
 もちろん、唾液中の乳酸を中和するバッファーの主役は重炭酸イオンであり、これは糖のエネルギー代謝で産生させる二酸化炭素が元になっています。この唾液中の重炭酸イオンは、逆流性食道炎による食道粘膜損傷の主要な予防役も担っています。糖のエネルギー代謝の低下によって引き起こされるシェーグレン症候群(Sjogren's syndrome)では唾液腺に慢性炎症が起こるために唾液が出にくくなります。そのため、シェーグレン症候群では虫歯が多発します。
 この虫歯を予防する唾液分泌は、甲状腺機能やミトコンドリア機能、つまり糖のエネルギー代謝に依存しています。
 虫歯や歯周病には女性のほうがなりやすいことが知られています。この虫歯の性差にはエストロゲンというホルモンが関与しています。エストロゲンは、骨粗しょう症を引き起こしますが、歯ではいわゆる「loose teeth」(→下顎骨と歯根の隙間)となり、歯周病、虫歯も引き起こすからです。動物実験では、エストロゲンを産生する卵巣を除去すると虫歯の発生率が低下することが示されています。ピル(エストロゲン製剤)の服用によって歯周病になりやすいことも知られています。
閉経後に虫歯や骨粗しょう症になりやすいのは、閉経後にむしろ脂肪組織や皮膚を中心に全身の細胞からのエストロゲン産生が高まるからです。糖質とそのエネルギーから産生される保護ホルモンであるプレグネノロンには、骨を産生する能力があります。このプレグネノロン(一部はプロゲステロンに変換)は強い抗エストロゲン作用を持っています。
 その他に、虫歯に影響を与える因子として重要なものは、エンドトキシンです。痛みを伴う虫歯や壊死した歯根管にはエンドトキシンが存在することが示されています。また、痛みなどの症状を伴う虫歯にはよりエンドトキシン量が多いことが報告されています。
 腸内だけでなく、口腔内にもエンドトキシンを放出するグラム陰性菌が存在しています。ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)というバクテリアもその一つで、口腔内でもエンドトキシンを放出して虫歯や歯周病の原因となっています。
口腔内に発生したエンドトキシンも、リーキーガットと同じく、口腔粘膜の上皮を破壊して血液内に入って全身のエンドトキシン血症から慢性病を引き起こします。また、口腔内のポルフィロモナス・ジンジバリスは小腸内に移行して、リーキーガットから全身性のエンドトキシン血症も引き起こすことが分かっています。
虫歯や歯周病に伴うエンドトキシンによって、全身で炎症反応、特に一酸化窒素(nitric oxide[NO])発生やプーファの脂質過酸化反応が高まり、うつ病を引き起こすことが報告されています。
(「ハチミツ自然療法の最前線」p151)
 エンドトキシンが虫歯や歯周病を引きこすのは、プーファの代謝産物であるエイコサノイド(プロスタグランディンE)が主要な働きをします。このプーファの代謝産物がなければ、エンドトキシンだけでは炎症によって歯を溶かすことはできませんでした。
(前掲書p157)
ケトン食などの糖質制限食は、骨組織を破壊して、骨粗しょう症を引き起こします。歯も糖質制限で弱まるということです。虫歯予防と治療にはプーファフリーと良質の糖質の摂取は欠かせないのです。
(前掲書p158)


2023年11月1日改稿
posted by T.Sasaki at 20:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 免疫について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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