こんにちは。
あまりに漁がないので、D親分のところへ、まぐろはえ縄の見学に行ってきた。
写真や活〆や神経〆の動画をいろいろと撮ってきたが、カメラマンは下手くそで、公開できる代物ではない。
それでも、経験として役に立った。
今でこそ、佐渡のまぐろ、と言ったらD親分なのであるが、最初の頃は、来る日も来る日も獲れなくて、ようやく大物が1匹来たと思って、電気ショッカーを投入した時、外れていってガクッと来た、という想い出を、彼は語ってくれた。
D親分のところの随一の乗組員M君には、非常に迷惑を掛けてきたが、彼は優しい人柄なので、私に何にも言わなかった。
邪魔ばかりしてきたように思う。
それにもかかわらず、帰港してからは、みなと荘というところで反省会をやってもらい、非常に楽しかった。
D親分の人柄もあって、次から次へと客が飛び入り、いろいろな話を聞かされた。
しかし、最近の私は、アルコールを少し余計に飲むと、記憶に自信がない。
ほとんど忘れた(笑。昼から夕方まで飲んだだけだが)。
徳島から来ている乗組員が、アホになったのだけ覚えている(笑)。
D親分の取り計らいで、みなと荘にそのまま泊めてもらった。
翌朝、両津まで帰路で、車を運転しながら、いろいろと考えた。
するめいかの超大不漁だからこそ、経験できたことだ。
もし、30個でも50個でも獲れる確信があるのなら、遊んで歩かない。
D親分は、いか釣もやるし、まぐろ釣りもやる。
夜に獲ったするめいかを餌とし、夜明け前に、まぐろ縄の投縄をする。
特に近年、まぐろ資源の増大が顕著で、いか釣り漁業の困難さは年々増している。
D親分の場合、いか釣がダメな場合、すぐにまぐろ縄に切り替える。
この戦略は正しい。
まぐろだけ突出した資源回復は、何をもたらすか?
他魚種の減少である。
まぐろは、たくさんの餌を食べる。
まぐろ養殖では、1kg太らせるのに、13kgから14kg必要だ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24138410R01C17A2X11000/(「
日本経済新聞」)
自然界のまぐろ資源が、どれくらいあるのか実数でわからないが、まぐろに食べられる魚の数量は、年間まぐろ資源増大量から、年間漁獲量を引いて、これに13kgを掛け算すれば、計算できる。
特に、いか類、いわし類、さば類への圧力が大きいと思われる。
これらの魚種は、一応、TACと言って、年間漁獲数量を割り当てているが、異常に多くなったまぐろの捕食分を勘案して割り当てないと、他魚種の資源回復は、まず、見込めない。
バランスよく魚類資源の増大を目指さないと、このようになってしまうのである。
国際条約ばかりを気にし、国内生産者の意見を聞かない水産庁は、無能である。
このまま同じことをやっていては、目も当てられない。
そこで、だ。
まぐろが増えすぎて、特に困っているいか釣漁業に対して、優先して、まぐろ釣りの許可を与え、TACも配分する。
ただし、まぐろ資源のバランスのとれた減少、および、するめいか資源の復活がなされた場合までの限定許可とする。
現在のところ、まぐろTAC以外は機能していないが、この辺の数値目標は、水産庁の得意のするところだろう。(笑)
という結論に達したところで、ドライブは終わった。
先ほど、D親分のところへ徳島から来た若者の話を書いたが、D親分は、たくさんの若者に漁業体験をさせて、一生懸命若者を育てている。
が、非常に難しいという。
言葉は悪いが、アホばっかりなのだそうだ。
教えてもすぐに忘れるし、言うことと成すことが違う。
元海上自衛官を乗船させた時など、日本の自衛隊を心配したほどだ。
一説には、「自衛官募集」で応募する人は、アホが相当数いるらしい(相当数と控えめに書いておく)。
その中で、前述M君は、逆に素晴らしい乗組員である。
体格は、私と同様に貧弱に見えるが、何でもやる。
ところが、悲惨なことに、今度の毒ワクチンで、1年くらい体がおかしくなって、D親分のところから去った。
運よく回復し、現在に至る。