こんばんは。
今まで「スマホ中毒が日本を滅ぼす」と書いてきたが、日本だけでなく世界じゅうで無能人間を増やし、インターネットの巨人たちは、独占を完成させるようだ。
しかし、この問題と正面から対決しているアメリカの政治家がいる。
ジョシュ・ホウリーという上院議員である。
「ビッグテック5社を解体せよ」という本を書いた。
対比して、アメリカの属国日本には、そういう議員は皆無である。
スマホ中毒を放置する日本の政治家は、無能である。
子どもたちへのスマホ中毒の影響は、アメリカでも深刻である。
引用する。
十代の若者がより多くの時間をスクリーンを見ることに費やすようになると、うつ症状を訴える数が増える。ソーシャルネットワーク・メディアを頻繁に使う中学2年生は、うつになるリスクが27%も高まる。一方で、平均的な十代よりも、スポーツをしたり、礼拝に参加したり、宿題をしたりする十代のうつになるリスクが格段に低くなる。
ソーシャルネットワーク・メディアの使用に関連して、若い女性たちは、社会的な孤立と不安感に関して、心配な傾向を示している。2010年と2015年で比べたところ、十代全般と10歳から12歳までの女の子たちで、「仲間外れにされている」と感じている割合は48%も増加した。同年代の男の子たちの場合には27%の上昇にとどまった。2012年と2015年で男の子たちのうつ症状について調査したところ、21%増加していた。この数字ももちろん小さいものではない。しかし、女の子は男の子に比べて、ソーシャルネットワーク・メディアの利用率が高く、ソーシャルネットワーク・メディアのプラットフォーム上での悪意のある個人攻撃への耐性が低いからだ。
(「ビッグテック5社を解体せよ」p165 最悪のケースは、十代の自殺だ。ビッグテック全盛の現在、若者たちの自殺が急増している。10歳から24歳までのアメリカ人の死亡理由の第2位が自殺だ。第1位は、自動車事故や薬物の過剰服用といった、意図しない傷害である。2010年代よりも前の時代、若者の自殺数は大きな変化は見せず、数十年にわたり減少傾向であった。しかし、状況は変化した。アメリカ疾病予防センター(Center for Disease Control CDC)によると、2017年までの10年間に、自殺率は56%も急上昇した。
(前掲書p167) 研究者によると、ソーシャルネットワーク・メディアとスマートフォンの使用の増加と十代のうつ症状や自殺といった病理との関連について、相関関係correlations があるということだけが分かっている。因果関係 causal relationship については現在も調査た行われており、結果はまだ出ていない。
(前掲書167)フェイスブック(インスタグラムは、フェイスブックに買収された)などのSNSは、私たちの持つ心理的欲求を利用して、商売をやっていて、今や独占企業体である。
SNS中毒の構造は、次のとおりである。
社会的比較理論 social comparison theory と呼ばれる学問分野を研究している社会科学者たちの研究結果によると、「人間は、自分自身と他人を比較する先天的な衝動を持っている、それは多くの場合、自己強化の正確性を保つためだ」」ということだ。これは人間の本性、もしくは社会的地位への渇望と呼ばれている。ジャン・ジャック・ルソー(Jean-Jacques Roussean 1712〜1778年。66歳で没)はこれを自尊心 amour propre、承認 recognition を求める情熱 passion と呼んだ。呼び方がどうであろうとも、この承認を求める衝動によって、人間という生物が生きている間に取る行動の多くを説明できる。この社会的承認を求める先天的な欲求がソーシャルネットワーク・メディア依存を生み出している。
フェイスブックとインスタグラムでの投稿は神聖視されている。そこまで利用頻度が高くない普通の人々がこれらにアクセスしてクリックしていくと、目にするのは、何段にも重なって表示される完璧な人々のイメージだ。魅力的で、最先端の流行を取り入れ、見栄えが良く、安定した、人生の最良の日々を過ごしている人々。こうした人たちを見て、我が身を振り返ると絶望感すら覚えてしまう。
(前掲書p161)引用文の中に、ビッグテックという言葉が登場するが、グーグルなどの巨大インターネット企業のことである。
5社とは、グーグル、フェイスブック、ツイッター、アマゾン、アップルのこと。
グーグルやフェイスブックは、多様性をもたらすとは言うが、実際には、そうではない。
ビッグテックは、思い通りに、情報統制、監視、追跡、宣伝をユーザーに行う。
検索など、完全に意図されたものになっている。
これに関しては、ワクチン有害事象に関する情報の封鎖で、みんな実感したと思う。
そして、あらゆる売買をビッグテック経由で行うようにする。
これで、超独占企業体が誕生する。
しかし、その前段階として、中毒、依存を増やなければ、それは達成できない。
グーグルでデザイナーを務めたトリスタン・ハリスは、ドキュメンタリー映画『監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影 The Social Dilemma』に登場した。ハリスは、ビッグテックの目的を次のように述べた。「ビッグテック各社のゴールは、スロットマシーンのように、人々を自社製品に依存させることだ。そしてスロットマシーンを10億人のポケットの中に入れることなのだ」。
ビッグテックのエンジニアたちは、利用者たちの意識的な、もしくは無意識的な「心理学上の弱点を利用して、利用者の注意を惹きつける競争を行っている」。
(中略)
ハリスは次のように説明している。「ポケットからスマホを取り出すとき、私たちはどんなお知らせが届いているかを見るゲームをスロットマシーンでやっている。Eメールの受信を確認するとき、私たちは新しいEメールを受信するというゲームをスロットマシーンでやっている。インスタグラムの投稿を次々と見るために、画面をスクロールするとき、私たちは次にどんな写真が出てくるのかというゲームをスロットマシーンでやっている」。これらはすべて設計通りなのだ。
カジノは、24時間ずっと明るくして遊んでいる人たちを元気にさせ、酒を飲んで憂さを晴らさせる場所だ。そんなカジノと同様に、ソーシャルネットワーク・メディアのデザイン担当者たちは、利用者たちの気分をコントロールすることに関心を持った。正確には非常に関心を持ったというべきだろう。
(前掲書p146)結果として、スマホ中毒社会になった。
イギリスでさえ次の通りだから、日本はもっとだろう。
2014年に実施された、イギリスにおけるスマホ利用者についてのある調査の結果によると、スマホ利用者は1日に221回、スマホをチェックするということが分かった。言い換えると、4分18秒ごとに1回、スマホをチェックしていることになる。その効果は人々にとって有益なものではない。研究者たちは、スマートフォンが利用者の注意を向けさせ、利用者の問題解決能力を低下させることを発見した。実際に手に持っていなくても、実際に使用していないくてもそのような状態になってしまうのだ。
(前掲書p158)見事に、スマホ中毒、依存症の完成だ。
posted by T.Sasaki at 12:03|
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