こんばんは。
船体の振動について、気になる人は気になるが、気にならない人は、まったく気にならない。
私は、気になる方である。
昨年の今頃、「
つまらない検挙 2」で、プロペラとソナーの足にロープを巻き、エンジンが止まりそうになったことを書いたが、これ以来、船体の振動に悩まされてきた。
特にブリッジは、振動に対して、敏感だと思う。
乗組員たちに聞いても、「これくらいの振動はどこの船にもある」と慰められていたが、私はずっと気になっていた。
プロペラシャフトを交換し、プロペラも修正したが、それでも、以前にはなかった振動を感じた。
昨年は家の事情もあり、日本海へ行かなかったし、比較的に船としては、軽作業の操業しかしなかった。
秋に上架し、造船場から下ろした日に、夜いか操業した。
日付の変わる頃になると、いかの揚がりも悪くなり、帰港した。
高浜港に入り口に赤灯台のある防波堤があるが、そこを通過した時、何かの乗り上げたような衝撃があり、滑り落ちたような気がした。
非常に気分が悪くて黙ってられないので、何日か経ってから、県の土木センターに電話した。
すぐに対応してくれて、海底を調査し、そこには何と、震災瓦礫がまだ沈んでいた。

陸揚げされたテトラポッドを見て、非常にショックを受けた。
「オレは、テトラポッドに乗せ上げたのか!」と。
写真を拡大すれば、私の船も写っている。
高浜港を南側から見た全景。
これ以来、余計に振動を気にするようになり、一応、漁業の漁船保険担に、この事実を伝えておいた。
いさだ漁が終わってから上架するから、そのときに何か壊れていたら、修理する旨を。
以前、スタンチューブが壊れた船を修理工事しているところを見たことがあったので、その船主さんに電話で聞いてみたが、振動はなかったという。
もしかして、あの衝撃で、スタンチューブが壊れたかと心配したからだ。
その後、いさだ漁が始まり、近年にない豊漁が続いていた。
このまま続けば、今年も乗組員に歩合金をあげることができるなあ、と考えていた。
先輩の船と9トンのいさだを積んで、入港まで全速競争した。
水揚げした後、高浜港へ回航する時、船体の振動が強くなったように感じ、エンジン回転による振動域も変化した。
「何だろうな、これ?」
翌日も、たまたま同じ船と入港が一緒になり、「また全速やれ〜」と。
前日と同じ3番目の入港だし、調子の乗って1800回転。
入港して、いざ、着岸するとき、とんでもないことが起きた。
後進クラッチを入れた時、エンジンが止まった。
船は、そのまま岸壁に衝突!
セルは何とか回るが、エンジンがかからない。
エンジンがイカレた、と思った。
「もう網を揚げよう。50万円で何とか勘弁してくれ」とみんなに言ったが、いさだの先輩でもある乗組員に、「まだ待て!いろいろと調べてみろよ」と止められた。
機械屋さんを呼んで調べてもらったが、とにかくターニング棒で回そうと思っても、まったく動かない。
エンジンか、クラッチか。
私は、スタンチューブが壊れてしまって、シャフトが回らなくなり、クラッチが焼けたのではないか、と疑った。
posted by T.Sasaki at 20:34|
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