日本の漁業が崩壊する本当の理由 片野歩

世界中で魚類資源が増えているのに、日本だけが減っている。
この現実を、恥ずかしいと思うべきである。

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すべての漁協組合長、理事、参事、そして、任意の漁業団体の会長以下すべての役員たちは、この本を読むべきだ。
読みたくないならば、「日本の漁師は大バカものだ」を参照すること。
これを認識できないならば、役職に就く資格はない!

2022年12月16日

故人について

こんばんは。

突然死の友人のことを書こうと思う(「こんなに簡単に死ぬのかよ」の友人)。
高橋さんという。
昨日、14日付け岩手日報の訃報欄にも、載っていた。
それを見ただけでも、涙が出そうになった。

彼は、過去に、小型いか釣りで年間水揚げ日本一になった船に乗っていた。
私の仲良しと一緒に乗っていたため、その船に私も遊びに行ったり、彼も私の船に来たりした。
その後、日本一の船を、仲良しと一緒に下りた。
何年か経って、その船は時化で転覆し、生存者はいなかった。
あのまま乗っていれば、たぶん、彼らの命もなかったのではないか、とみんなに言われたらしく、つまり、命拾いしたことになる。
その転覆した船は、八戸沖の時化で、中型凍結船が帰港しても、たった一隻で操業したこともあり、その晩、高橋さんの奥さんも心配でしかたなかった、という話を聞いた。
そのくらい時化を操業する船だった。

いか釣り船を降りてから、彼は、地元八戸のトロール船に乗り始めた。
私は、彼から操業の様子とか聞いているから、「かけまわし」というトロール漁法について、だいたい想像できる。
いさだ漁業は、かけまわしの浮きバージョンだからである。
1日10回ぐらい網をやるそうだ。
しがたって、2そう曳きトロールのほうが、かなり効率が良いというのがわかると思う。
この効率の良さが仇となって、魚類資源が減少するのだ。
非常に非常に厳しく制限事項を設けないなら、2そう曳きは、やめさせるべきである。

私が乗組員に逃げられたのは、ちょうど、トロールの休漁期にあたったため、彼はすぐに手伝ってくれた。
私は、ほとんど乗組員を怒ることはないが、高橋さんには、逆に「お前、やる気あるのか?」と怒られた。
いか釣り機の上げ回転や下げ回転が、日本一の船に比べて、ゆっくりだからである。
私は、一般に、他船よりゆっくりだ。
その分、トラブルは少ない。
だから、高橋さんには、「トラブルは無いに等しいな」と褒められた。
それでも、「やる気あるのか?」といわれたことは、一生忘れないだろう。

するめいかの魚群が黒埼まで南下したため、宮古へ2泊していった。
風呂の帰りに「蛇の目」に寄った。
「寿司をご馳走しますよ」と言ったら、「ラーメンと餃子」と注文し、給仕さんがムッとしていたことを思い出す。

大漁なわけではなかったが、約1ヵ月、そこそこに釣れて、単価も良かったため、アルバイト料金にプラス歩合金が付いた。
清算の場には奥さんも連れてきて、清算書とアルバイト料と歩合金をやったら、「当たりがいいなあ。トラブルなくて当たりがいいなら、釣り機をゆっくり動かすのもいいかなあ」と感心された。
そんなこともあり、八戸へ行くと、毎度、車で迎えに来てくれて、飲みに招待された。

彼の人生は、波乱万丈であった。
腰の骨を折ったり、今の奥さんと一緒になる時も、いろいろなことがあったようだ。
一緒になってからも苦労があり、「俺はずっと牛馬のように死ぬまで稼がなければならない」とこぼしていた。
奥さんが綺麗なこともあり、飲み屋もやってみたが、「儲からないものだ」と言っていたのも思い出す。
「儲からないものだ」というのも当たり前で、あまりに良心的な請求しかしない。
せいぜい、2000円か3000円しか取らない。
そんな勘定を見ているから、私はいつも1万円置いてきた。
彼は律儀なので、必ず後から差し入れを持ってくる。
人間性の点では、ちゃんとした人だったと思う。

近年、八戸のトロールは、最低保障の賃金が続き、彼は転職しようかどうか迷っていた。
私が後悔してもどうにもならないが、昨年で辞めていれば、生きていたのではないか、と思う。
あるいは、この毒ワクチンさえなければ。
これは、私のところの乗組員も同意見である。
高橋さんとは、元同僚であったことから、彼も少しショックを受けている。
仕事をしても、たまにボーっとしている。
考えることがあるのだろう。
posted by T.Sasaki at 19:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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