こんにちは。
「豊かな三陸の海を守る会」の事務局長さんからいただいた「福島第一原発の汚染水はなぜ増え続けるのか」という本を読んで、東電の無能さを改めて知らされてしまった。
副題が「地下・地下水からみた汚染水の発生と削減対策」である。
「地団研ブックレートシリーズ16」とあるから、調べてみるとあった。
地学団体研究会福島第一原発では、無限に出現する汚染水の問題で、海洋放出の話が出ている。
その汚染水は、原子炉を冷却するための水ではない。
私はてっきり、次から次へと原子炉へ水を注ぎ、その排水があふれかえっているのだと思っていた。
大方の人が、そう思っているのではないか。
しかし、それは違う。
福島第一原発は、いわば、地下水の中に、原発を建設したようなものである。
したがって、地下水の流れの中に、壊れた原子炉が存在している、と考えたほうが簡単である。
つまり、地下水を止めてしまえば、汚染水は無限には増えない。
壊れている原子炉の冷却は、汚染水を通常の原子炉冷却のように循環させて、二次冷却すればよい。
凍土壁という言葉を、ニュースで聞いたことがあるが、これは一応効いてはいるらしいが、ほんの少しである。
原子炉周辺を冷凍して、地下水の浸入を防ぐという目的だったらしいが、凍土壁の未凍結部分があったり、また、東電の地質調査の杜撰さから、想定外の地下水の浸入があったりして、そのため、無限の汚染水発生を防ぐことできていない。
そこで、地団研は、広域遮水壁を提案している。
凍土壁の建設には、345億円の費用がかかっていて、ランニングコストも年間10億円以上を費やしている。
一方、広域遮水壁は、凍土壁よりも規模が大きくても、建設費用はその半分であり、いったん遮ってしまえば、メンテナンス費用のみである。
とにかく、地下水の浸入を防げば、汚染水は増えない、ということ。
広域遮水壁の建設には、地中連続壁工法という技術が使われ、沖縄県宮古島ですでに、地下水の流れをせき止めるため地下ダムが建設されていて、実績がある。
CSM工法やSMW工法というのがあるそうだ。
関係する各漁協、県漁連、全漁連も、この本を読んで、汚染水を増やさない方法を言ってやったほうがいいと思う。
posted by T.Sasaki at 17:12|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
原子力災害
|

|