日本の漁業が崩壊する本当の理由 片野歩

世界中で魚類資源が増えているのに、日本だけが減っている。
この現実を、恥ずかしいと思うべきである。

日本の漁業が崩壊する本当の理由.jpg

すべての漁協組合長、理事、参事、そして、任意の漁業団体の会長以下すべての役員たちは、この本を読むべきだ。
読みたくないならば、「日本の漁師は大バカものだ」を参照すること。
これを認識できないならば、役職に就く資格はない!

2022年10月06日

先生という言葉について

こんにちは。

いか釣りで旅先にいるともちろん休日があり、特に北海道や日本海は、秋になると悪天候で連休も多くなる。
こういう時には、買い置きしておいた本を読む。
家にいれば、休日でもいろいろな仕事があるから、読書の時間を作るほうが大変だ。

今朝4時ごろ起きて、「オイラーの贈り物」という数学書を読み始めた。
朝の読書は、頭に入る。
学校時代は理数系を得意としていたから、今でも読めるだろういう慢心があったが、2ページくらい読んで、やめた。
頭の中の脳みそが、理系脳から社会系脳に変化していて、目が痛くなってきた。
最近は、数字を見るのが嫌になっているから、あんな数字や記号の羅列を見れるわけがない。
預金通帳の残高も、以前のように増えるわけでもないし、ましてや、現金出納帳の記帳など楽しいわけではない。
そういう数字でさえ、見るのが億劫だ。
超がつくほど、やることがない時に、またチャレンジしようと思う。

そこで、読み始めたのが、「他人のカネで生きているアメリカ人に告ぐ」という翻訳本。
副題に、リバータリアン政治宣言、と書いてある。
リバータリアンといったら、もちろん、副島隆彦先生が関わっている。
弟子の佐藤研一朗さんが「ロン・ポール」というアメリカテキサス州の下院議員の書いた本を翻訳したもの。
出版がちょうど津波の時で、ロン・ポール氏が今もまだ議員をしているかどうかはわからない。
副島先生の代表的な著作に、「世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち」という本がある。
勉強にはなるが、面白い本ではない。
しかし、この訳本には例え文がたくさんあり、読書できる人には、比較的読みやすいかもしれない。
政治家を志す人は必読と思われる(政治家に限らず、トップに立つ人間は、本くらい読め)。

北朝鮮が日本上空を通過させて太平洋へミサイルを落とした。
北海道と青森県の間を狙ったということは、着弾距離に自信がなく、間違って近くで落ちても、そこは津軽海峡だということで、このコースに発射したのだろう。
これで、日本のミサイル開発の話が、きっと出てくる。
政治が変わらなければ、東アジアに緊張は永遠に続き、アメリカの属国である日本は、どんどん困窮する。
「政治家や官僚たちって、何やっているの?」と言いたくなるよ、この本を読んでいると。

税金とは国家による泥棒なのである。
(「他人のカネで生きているアメリカ人に告ぐ」p43)


ごく一部分のみの引用で、こういう考え自体、極端すぎるのだが、税金のひどい使われ方をみると、納得せざるをえない。

 官僚たちのように自分が政府からの「合法的な略奪」に遭わないで略奪する側ならば、額に汗してお金を稼ごうとはしない。どんな階層の人間であっても、政府の仕組みをなるべく利用して自分の利益を増やそうとする。
(前掲書p37)
助成金は政府に提出する資金援助申請の書類を作成するのが得意な人々に流れていくのである。
(前掲書p44)


私自身、近年、非常にこれを感じる。
特に、コロナという大げさな騒動でばらまかれるカネなどで、具体的には書かないが、なぜ、あそこの会員が増えたんだ、と言いたくなる事案など。
漁業関係でも、公務員と話をすれば、彼らは積極的でないから、まともな回答は来ない。
保身、組織防衛しか、頭にない。
こうなると、日本人はみな、国や地方自治体から、したたり落ちるわずかなカネにすがるようになり、みじめとしかいいようがない。

アメリカという国の医療制度は、日本から見れば、所得の低い人に対して冷たかったが、オバマケアで少しは改善されたと、報道からそんな感じを受けた。
が、本当は、そうではない。
自由の国であったアメリカは、いつしか、がんじがらめの規制大国になり、医療はその弊害をもろに受けた。
ロン・ポール氏は、医師でもある。
その記述を引用する。

 高齢者向けの医療保険制度や低所得者向けの医療費補助制度が、まだ存在しなかった時代を例に考えてみよう。その時代の高齢者や低所得者は、今とほとんど変わらない負担で、実は病院で治療を受けられた。しかも、現在より質の高い治療を受けていたのである。
 私は医師として一度も、高齢者向けの医療保険や低所得者向け医療費補助の政府からのお金を受け取ったことはない。その代わりに、治療代を払えない患者には費用を割り引いたり、無料で治療してきた。政府による医療制度ができる前は、すべての医者が、自分たちが経済的に恵まれない人々に対して責任を持っていることをちゃんと理解していた。そして低所得者に無料の医療行為をすることは、当たり前のことであった。今ではこのことを理解している医師は残念ながら、ほとんどいない。それどころか政府が、医師と患者を食い物にする民間企業から自分たちを救ってくれるという、おとぎ話を信じている医師ばかりである。
 医療に対する法律や規制が医療費を高騰させた。そして実情に合わないほどの高い賠償責任を医師に課した。医師が困っている人のためにボランティアで治療しても同様の法的責任を問われるので、無料の医療行為はリスクが大き過ぎて行われなくなっていった。しかしアメリカが今ほど官僚的でなかった時代は、無料の医療行為は普通のことであったのだ。
(前掲書p59)


私は津波以前、映画大好き人間で、気に入った映画はVHSビデオにダビングしておいた。
その中に「本日休診」という町医者の物語がある。
戦争に対する風刺映画という評論ではあったが、医者は貧乏だ、というようなセリフを覚えている。
医者といえば、庭にでかい立派な黒い車が最低1台はあり、羽振りがいいのは常識だったので、あのセリフは印象的だった。
貧乏暇なし、とはよく言うが、日本の医師が昔はそうであったように、アメリカの医師も、相互互助精神から、それほど金持ちではなかったことが想像される。
無料の医療行為をするということは、他の患者からカネを少しいただいたとしても、贅沢をできるほどにはならないと思う。

リバータリアニズムは、福祉主義とは対極にある政治思想ではあるが、その良し悪しは別にして、福祉主義しか知らないよりは、知っておいたほうがいい。
恣意型コロナ病の騒ぎも、まだマスク一色であり、そのわりに感染者は世界有数である。
こんな一辺倒の考えを持つ国民も、世界でも珍しい。
たぶん、エラい人がマスコミを使って、「北朝鮮と戦争する」と言えば、みんな従いそうだ。
だから、知らないことを知ろうとすることは、大事なことなのだ。

副島先生はリバータリアンだが、そんなもの、自分の主義であり、他人に押し付けるわけではない。
過去の歴史を検証し、常に思考実験を重ね、「アメリカの悪事をあばき、日本はいいようにアメリカにカネをむしり取られている」と常に言ってきた。
だから、日本は貧乏になった。
日本が貧乏になった最大の原因は、アメリカにある。
そして、結論は、「アジア人同士、戦うな」である。

いつまでも「中国や北朝鮮は悪だ」「ロシアは悪だ」「韓国は嫌いだ」などと、政治家や官僚が言うのは、外交失格である。
外交の一部分の税金は、無駄遣いとしか言いようがない。
そして、その一部分が、各省庁、各自治体にたくさんあるわけで、それを足し算すれば、巨額になる。
「他人のカネで生きているアメリカ人に告ぐ」を読んでいると、北朝鮮のミサイル事件など、アメリカ一辺倒の外交の失敗であるのが、よく見えてくる。

戦争が起きて、一番の犠牲になるのは、政治家や官僚ではない。
私たち一般人だ。
東アジアの国々で、少々の人権侵害や搾取があっても、目くじらを立てるのではなく、うまく付き合っていくべきである。
一般人が、巷間で、「こうすれば日本は良くなる」と言っても、そうはならない。
ましてや、政治体制がまったく違う外国のことを「こうすればよくなる」なんて言っても、それがかなうわけがないじゃないか。
「アジア人同士、戦うな」という先生の言葉は、ずっと以前から言われていたのだが、私は最近、その意味を、ようやく理解するようになった。

副島先生は、「先生と弟子」という言葉にこだわっていた。
彼は、日本語にしろ英語にしろ、言葉の意味を大切にする。
Aがある考えを主張し、Bがそれを学んだ。
この関係で、Aが先生となり、Bは弟子である。
「先生」とは、字のとおり、「先」を「生きている」のである。
副島先生は、本当に、先を生きている。

私は、船を動かせない困難の時、考える時間があった。
これからのこと、過去のこと、カネのことなどを考え、自覚し、少額ながら「学問道場」へ寄付した。
教わった感謝の気持ちが、何より非常に大きい。
どうせハイパーインフレが来るなら、つまり、カネの価値が落ちるなら、その前に使ってしまえ、という乱暴な考え方もあったのも確かであるが(笑)。

副島先生がまだベストセラーを連発する前、20年くらい前の話だが、彼と電話で押し問答をしたことがあるという、懐かしい思い出もある。
彼は、それをちゃんと覚えているし、お礼のメールもいただいた。
びっくりするほど、記憶力のいい方である。
もちろん、感謝の気持ちをこめて返信したのは言うまでもない。

posted by T.Sasaki at 08:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 副島学問 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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