ふたたび、こんにちは。
私は、一身上の都合で、船を動かせない事態に陥っていたが、その後、妹の献身的な行為により、急展開。
いか釣りの準備で忙しく、ブログ更新もできなかった。
だから、ちょっと時間をさかのぼることにする。
悪いことをして、海上保安署で取り調べられた例の件(「
つまらない検挙 2」参照)で、結局、検察庁へ呼び出された。
呼び出されたのは今回で2回目で、これで前歴2犯が付いてしまった(前科ではない)。

つまらない時間を浪費した。
マスクをしていかなかったから、「どうかマスクをしてください」と言われた。
「空気感染なんですから、マスクは意味ありませんよ」と言ったら、「おっしゃっていることはわかりますが、公務員の端くれですから、一応、決まり事はやらなければならないんですよ」と言われた。
本当は、みんな、マスク社会をおかしいと思っている。
この流れのプラベートな会話で、取り調べた検察官も、私と似たような考えを持っていると感じた。
ただ、彼の立場もあるから、ここではっきり書くことはできない。
海上保安署に呼び出された頃のことを思い出す。
2そう曳きトロールの船頭が、私のところへ談判に来たこと。
いさだ漁で、いさだを入れ過ぎて網を壊し、岸壁でその網交換をしていた時、少し偉そうな人が岸壁に来て、「ちょっと来い!」と私を呼んだ。
てっきり海上保安署の人が来たのだと思ったが、違った。
T丸の大船頭のほうだった。
この日、網を落としたため水揚げは早く終わり、離岸したら、T丸があまり減速しないで港に入ってきたので、無線機で「今入ってきたトロールは、もっとゆっくり走れ!」と怒鳴った。
「ゆっくり走っても、1分と違わないだろ!」と追加。
ただでさえ彼らは、魚を獲り尽くし、するめいかTAC制度に対する違法行為などを平然とやったこともあったし、自分の「業務上過失危険往来」の事件や網を落としたことなどでもあって、カッとなった。
これに対する返答は、なかった。
この船が、T丸だった。
この大船頭、非常に顔を接近させて、モノを言う。
あとから聞いた話だが、これがT丸の大船頭の手で、相手に対する威圧感を与えるためにやっているのだ。
私は、T丸の大船頭と聞いた瞬間、心の中で「いいのが来た」と思った(笑)。
「あんな言い方はないだろ」という話。
そして、「お前が岸壁から離れたから、ちゃんとよけたろ」というピントがずれたことを言う。
「そうではなくて、他のいさだ船が水揚げしているんだから、ゆっくり走らないと、危ないでしょ。走っている船をよけたとか、そんな話ではない」と反論。
宮古水産高校出身だというのは知っていたので、あんなに顔を近づけて話すから、相手に威圧感を与えることになり、なるほどと思った。
とにかく「言い方が悪い」の一点張りで引き下がらないが、こっちもトロールに関しては頭にきているから、負けるわけにはいかない。
そのうち、網交換をしていた乗組員の一人、Nさんがやってきて、大船頭をやつけ始めた(殴ったわけではない)。
Nさんは、この大船頭の先輩にあたり、水産高校時代にボクシングと柔道をやっていたケンカ大好き人間。
結局、水産高校の昔の卒業生というのは、威圧感のあるほうが勝つ。
大船頭は、だんだんおとなしくなり、普通に話をするようになった。
ボクシングと柔道では、殴るのと寝技と関節技を好きな人だから、まともにケンカしたら勝てるわけがない、
今でいう総合格闘技である。
普通におとなしく話をするようになってから、私は、するめいかTACの違法行為のことを言い始めた。
私に脅しの電話をしてきた人は、もう正体はつかめていて、K君という人だ。
そのK君は、おそらく、私が金沢漁業へ談判に言ったことを、船頭同士でよく言っていなかったのを聞いていたのだと思う。
それで、酒でも飲んで、勢いがついて、私を脅したのだろう。
こういう行為が、監視社会を強化するのである。
電話には録音機能がつき、船や家は監視カメラ。
船のそばで小便をすれば、君の陰部は丸見えだ(笑)。
「トロールの船頭たちは、オレの悪口を言っているでしょ!」と大船頭に問いただしたら、「いや、してない」という。
本当かよ?
結局、だんだん自分の置かれた立場が悪くなってきたから、帰っていった。
最後までエキサイトしていのは、Nさんである。
「あの野郎、態度悪いんだよ。今度あんなまねしたら、ただではおかねえ」
今使っているいさだ網は、Nさんが付き合っていた網屋さんから中古で買ったものである。
その壊した網を網屋さんに持っていくにつけて、私は場所を知らないから、Nさんに連れてってもらった。
トラックの中では、帰る時まで「あの野郎」と怒っていた。
T丸の会社は釜石だから、「会社に行って、社長と話してくる」と言っていたが、「そこまではしないでください」と止めた。
Nさんは、釜石の人である。
彼は、私と同じように小型船を営んでいて、いか釣り漁といさだ漁をやっていたが、2年前、赤字にならないうちにさっさと船を売ってやめてしまった。
その後、いさだ漁などで手伝ってくれる。
このNさん、親が船で怪我をした時、家に帰ってきて、親の船をやり始めた。
そして、彼の兄も帰ってきて、一緒にやりはじめた。
この二人は、お互いに、「兄(または弟)ケンカを止めるのに苦労したよ」と言い合っている。
けんかっ早い二人だが、親の面倒見がよく、人間味があふれている。
親がダメになった時、ちゃんと面倒を見ようとしない人は、人間性において、ダメな人が多いと思う。
検察の話から、Nさんの話まで、かなり脱線してしまった。