3回目。
ヤンマーの9.7トン用エンジンのクラッチ。

新台を入れて、何年か経った後、写真のUボルトで固定してあるクラッチ循環水の銅配管から海水が漏れ出し、気がつくのが遅かったら、船がどうなっていたかわらかない。
たまたま、着岸してエンジンを止めるため、機関室に入っていったら、海水スプレーが吹いていた。
この両側はゴムホースでつないであって、ホースバンドで固定してあった。
その付け根の部分の電蝕である。
あまりに早い腐り方には驚いてしまい、今まで10年以上経ったエンジンでも、こんなことはなかった。
この時は、八戸ヤンマーにお世話になったが、その見解によると、次のようなものである。
この写真では、Uボルトの固定部分に何もないが、新台の時には、機械屋さんの取り計らいで、振動による擦れ止め防止のゴムを付けていた。
しかし、これがあだとなり、配管内に発生した静電気の逃げ場がなくなって腐ったのではないか、ということ。
このように直接、金属同士が接触していれば、クラッチ側からエンジン全体に静電気が逃げていき、亜鉛で消化されるか、船外のアース版へ逃げていく。
ところが、両側はゴムホースで、Uボルトの間にもゴムを挟んでいるとなると、静電気の逃げ場がない。
よって、配管に発生した静電気は逃げ場がなくなり、銅と海水が反応して少しずつ腐っていった、ということらしい。
もう一つの原因は、単純に、不良品。
どっちなのかわからないが、あの後、何のトラブルもない。
まあ、こういうことがあった、という報告である。
すべてのトラブルを経験できるわけはないから、他船のトラブルとその原因を頭の中に入れておくことは、重要なことだと思う。
posted by T.Sasaki at 20:52|
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漁船設備
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