こんにちは。
連休なので、「
つまらない検挙」の中身。
私は、操船が下手くそなために、網の曳きロープをソナーに引っ掛けて、それをプロペラに巻いてしまった。
最初ソナーだけだと思い、トモにいる乗組員も、「クラッチ入れても大丈夫だと思う」というから、前進したら、やってしまった。
エンジンも止まりそうになった。
ソナーは、もう終わったと思った。
宮古船団の使っている無線で、「とんでもないことをした。誰か引っ張ってくれませんか」と叫んだら、すぐに来てくれて、宮古港まで曳航してもらった。
電話で、造船場の手配や潜水夫の手配をし、ソナーとプロペラのロープを切ってもらうことにした。
水揚げ後、無事にロープは切ってはずされ、無線屋さんにソナーの状態を見てもらった。
その時、海上保安官たちがゾロゾロやってきて、私にいろいろと聞き始めた。
単なる自損事故で、なぜ私が取り調べを受けなければならないのか、見当がつかない。
「これ、犯罪かよ」
「いうなれば、検挙になります」
えー!
検挙という言葉を使われてからは、さすがにキレた!
「オレは取り調べを受けない。勝手に連れてって、刑務所にでもぶち込め!」と叫んで、「君たちは、公の人間だろ!君たちは、国民の幸せのために仕事をしているんだろ!」「こんなことで検挙して、不幸しか生まないじゃないか」「おかしいと思わないか?」
「おい、こんなことで取り調べをやるんなら、ここにつながっている2そう曳きトロールを調べろ!違法行為を平気でやっていて、海の資源を獲り尽くすようなことをやっていて、どっちが、本当に世の中のために悪い事をやったのか、よく考えろ!オレは取り調べを受けない!時間の無駄だ!」
そのうち、いろいろと聞いていた乗組員の一人も激高して、海上保安官に食ってかかり始めた。
結局、海上保安官たちのほうが、「何とか協力してください」と頭を下げ始めたので、まあ、話を聞くことにした。
後日、海上保安署で聞き取りをすることで合意し、当日は、ちょっとエラい人が最初に出てきて、いろいろと海上保安署側の立場を説明した。
私は、いろいろと説教したが、言っても無駄なことに気づき、これもまた時間の無駄。
バカくさい!
「業務上過失往来危険」という罪だそうだ。
これは、船外機みたいな小船でも適用されるという。
人身事故でもないし、加害者被害者(被害者は曳航してくれた船かもしれないが)も存在せず、イマイチ、罪という名前を付ける理由がわからない。
とにかく、法律にあるそうだ。
だから、「そんな法律なんか、なくしてしまえ!」「そうでなかったら運用する側で何とかしたら?」と言ってきた。
「何をしたの?」といろんな人に聞かれ、「引っ張られただけで、捕まった」としか言いようがない。
まず100%の人が、「それが犯罪かよ!」とびっくりする。
公務員というのは、法律どおり仕事をするのは、わかる。
それならば、なぜ、TACを守らない岩手の2そう曳きトロールに関して、公務員たち(水産庁、県職員)が、何のアクションも起こさないのか、さっぱりわからない。
こういう現場の主人公になってみて、森友事件などの被害者の気持ちがよくわかるような気がする。
公務員たちは、自分の好きな仕事しかしない!
恣意的にしか法律を運用しないのだ!
違うか!
取調べ中の会話で、海上保安官たちの恥ずかしくなるようなことも書いていいのだが、取調べの保安官たちは下っ端職員なので、ちょっとかわいそうなのでやめる。
私が「自分たちの船でやってみろ!」と怒鳴ることもあったから、まあ、あとは想像してもらいたい。
ホント、アホらしいのだ!
自分の船のことになるが、ソナーとプロペラと対決して、どっちが勝ったか、というと、ソナーのほうが勝った。
ソナーの足は曲がらず、ソナータンク(ソナーケース?)も破損はなし。
しかし、プロペラは、4枚のうち2枚が曲がり(もちろんプロでないとわからない程度)、シャフトもほんの少し曲がった。
フルノのソナーは丈夫だ(笑)。
結局、キャンセルした造船場に再度お願いし、上架した。
プロペラを予備のものと交換し、磨く時にプロペラを手で回すのだが、それが非常に重い。
計れば1mm程度の曲がりなのだそうだが、走ればやっぱり振動する。
結局、私の出費は大きい金額になり、その上、3回も海上保安署の取調べを受けたのだから、まるで、「業務上過失往来危険」罪は、困った人をさらに追い込むような法律なのである。
不幸をさらに不幸にするという、このような法律は悪法だ。
最後に、ソナーにロープを引っ掛けた場合の処方箋について。
まずは、ロープをとれたのだから、ボールローラーにロープをかけておき、プロペラは絶対回さない。
網はほったらかしにしておいても、何とか揚げることができるから。
問題は、ソナー。
たいていは、引っ掛かったときに、泡を食って、ソナーを上げるから、それで、ロープがソナーとソナータンクに食ってしまい、上下装置自体が動かなくなる。
それを回避するため、ここでも絶対にソナーの上下は行なわない。
ロープを緩めて、錘をぶら下げてはずす。
プロペラに引っ掛かっていたら、ロープを切って、引き抜く。
それから、網を揚げる。
網は、とにかく船上に揚げれば、復旧はできる。
事後、冷静に考えてみると、こういう結論になる。
posted by T.Sasaki at 17:25|
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日記
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