日本の漁業が崩壊する本当の理由 片野歩

世界中で魚類資源が増えているのに、日本だけが減っている。
この現実を、恥ずかしいと思うべきである。

日本の漁業が崩壊する本当の理由.jpg

すべての漁協組合長、理事、参事、そして、任意の漁業団体の会長以下すべての役員たちは、この本を読むべきだ。
読みたくないならば、「日本の漁師は大バカものだ」を参照すること。
これを認識できないならば、役職に就く資格はない!

2021年08月29日

本場八戸の大不漁

ふたたび、こんにちは。

私の叔母が、八戸の地元紙「デーリー東北」を私に読ませるために、保存しておいたのを読んで、びっくりした。
何と!第1面で、するめいかの大不漁を扱っていた。
どんな見出しかというと、

不漁深刻「今年は異常」八戸近海スルメイカ漁
大中巻き網船 水揚げ皆無 解禁1週間、異例の遅れ
小型船も上向く気配なく


小型いか釣り船の写真付きの記事があったが、その記事の一部も転載する。

 不振は小型船も同様だ。3日の昼イカ漁では28隻が551箱(1箱5キロ)を水揚げ。1隻当たり20箱程度にとどまり、ある漁業関係者は「油代にもならない。サイズも昔に比べ小さくなっている」と嘆く。このほか、9月1日から始まる底引き網(トロール)漁を懸念する声もある。
(2021年8月5日付「デーリー東北」1面)


そして、まき網船のするめいか初水揚げも、第1面を飾っている。

大中型巻き網船団 スルメイカ初水揚げ
八戸港3トン、解禁26日目
サバ交じり、小ぶりも高値
(2021年8月22日付「デーリー東北」1面)


私は、何度も、水産庁、岩手県沿岸漁船漁業組合に、岩手県の沖底団体へ、TACに関する協議の申し入れを要請したが、はて、どうなったのか?

たとえば、2そう曳きトロールの水揚げを、1日5トン制限とし、2トンオーバーして網に入ったとする。
2そう曳きトロールというのは、本当に入りすぎるのだ。
1カ統2トンオーバーとして、それが宮古魚市場に5カ統水揚げしているから、単純に掛け算して、10トンオーバーとなる。
それらを昨年は、外来いか釣り船のいる前で、堂々と軽トラック1台ずつ、乗組員に山分けしている。
もし、5トンもオーバーして入網したら、どうしているのだろう?
10トンオーバーして入ったら、どうしているのだろうか?

仮に、1日でトロール合計10トンオーバー、2カ月もそれをやってみたら、どういう数字になるのか?
1カ月20日操業したとして、単純に掛け算すれば、400トンもオーバーである。
この400トンものするめいかは、本来、生き残って、自分の体よりも大きな、たくさんの数の卵を産む。
もちろん、それら全部が孵化するわけではないが、とんでもない量なのだ。
くどいようだが、何度でも書く。

岩手県の2そう曳きトロールが毎年行っているTAC運用は、TAC制度の目的を、はるかに逸脱している。
こういう団体を、そのまま放置することは、許されることではない。

9月解禁で12月末までの4カ月もあるから、2カ月という数値で掛け算したのは、少なく見積もって、という話である。
水産庁報告の自家消費分を、どう報告しているだろうか。

こういう本場八戸の新聞報道、それも、第1面で、何度もするめいかの不漁を記事にされると、するめいかに関する行政の施策には、怒りすら覚える。
特に岩手県の沖底のやり方は最低であり、ペナルティとして、今年のするめいかは、2そう曳きに限り、禁漁すべきである。

posted by T.Sasaki at 15:26| Comment(0) | 2そう曳きトロールは最悪の漁法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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