ふたたび、こんばんは。
先ほどの更新で、六ヶ所核燃料再処理工場の話が出たので、ついでに。
お盆で自宅に帰ってきて、郵送されてきた封書や漁協、その他の団体からの封筒を読んだり、事務処理したりしている。
そこで、「豊かな三陸の海を守る会」からのニュースなどを読んだ。
まずは、同封されていた「天恵の海」から。
これは、「豊かな三陸の海を守る会」の兄貴分、「三陸の海を放射能から守る岩手の会」の広報紙である。
この中に、六ヶ所再処理工場の放出トリチウム量が書かれてあり、改めてびっくりさせられる。
6月17日に、政府担当官と全国で50人とのオンライン交渉が行なわれ、質問と政府回答がなされた。
その一つがこれ。
質問
原発の排水についてトリチウムは「6万ベクレル/リットル」以下など核種ごとに排水規制があるのに、再処理は濃度規制がない。放射能の大量投棄が許される実態にある。
政府回答
濃度規制はないが工場周辺の住民の被ばくは「計算上」年間1ミリシーベルト以下であり、許される。
この件について、美浜の会の小山さんから「2017年10月の六ヶ所工場アクティブ試験中の廃液中のトリチウムが1ヵ月間で10回なされ、計523兆ベクレルに達した。これは現在福島原発事故で溜まり続ける汚染水タンク群内のトリチウム860兆ベクレルの64%の分量であり、再処理工場が稼動すれば、毎月、福島事故で放出した分量の汚染水が海洋へ流されることを意味する」との指摘がありました。
(http://sanriku.my.coocan.jp/no.207.pdf「再処理/岩手の環境/RI廃棄物」http://sanriku.my.coocan.jp/)これをどう解釈したらいいのか、さっぱりわからない。
もし、六ケ所再処理工場の排出するトリチウムの量が安全だとすると、福島原発でたまったタンクを海へ排出しても、何ら問題ないことになる。
逆に、反核団体や韓国が騒いでいるように、危険だとするならば、六ヶ所再処理工場の行為は、とんでもない非人間的なことなのである。
先ほどの「天恵の海」の引用文の続きに、次のようにある。
海洋へ投棄されたトリチウムはプランクトンなどの食物連鎖のなかで有機化され、人体に入り細胞の遺伝子に分断をもたらすといわれています。
(前掲リンク)トリチウムに関する生物影響は、もちろんある。
長期間被ばくで、2人ほど死んでいる。
https://atomica.jaea.go.jp/data/detail/dat_detail_09-02-02-20.html(「
原子力百科事典」)
環境問題を勉強したことのある人はわかると思うが、予防原則というのがあって、この説明文とこれに関係してトリチウムの扱いに対する記述において、「豊かな三陸の海を守る会」の岩間共同代表の主張が素晴らしいので、ここに引用しておく。
「予防原則」という言葉も大事だ。専門家たちなどで見解が分かれているが、もしその影響で、取り返しのつかないことになる可能性がある場合、結論を待たずに規制する。これを「予防原則」という。
(中略)
原発推進派は、放射能汚染について低く見積もる傾向がある。反対派の学者はそれに否を唱える。いつまでも結論は出ない。では野放しにして良いのでしょうか。だからこそ「予防原則」として「放射性物質を可能な限り環境に放出しないこと」が必要で、福島の汚染水中のトリチウム(3重水素)についてもそうすべきである。
(中略)
トリチウムは、今まで除去が難しいことと、出しても弱いβ線で、原発から出る量があまりに多くなかったため、「いいんだ。海に捨てちゃえ」みたいに取り扱われていたのだと思う。でも再処理工場ではその300倍も海に流すことに少しは罪悪感があったと思われる。六ヶ所再処理工場の最初の設計図に「トリチウム除去建屋」が記載されていた。その時は除去を考えていたのだと思う。でも、いつの間にか設計図から消されてしまった。
(中略)
原発事故が起きた段階で、トリチウムの除去の研究にもっと予算をつけるべきだった。いや、再処理工場建設時から宿題をやらずにごまかしている子どもみたいにみっともない状態だ。除去にかなりの金がかかるとしてもやるべきだ。今までのつけだからだ。
(「豊かな三陸の海を守る会ニュース」p17)私は、この「予防原則」に、風評被害の予防も含めて欲しいと思うのだが。
風評は、特に都会や韓国で生まれやすい。
ロシアには、トリチウムを除去する技術があるそうだ。
https://jp.sputniknews.com/opinion/201606222347671/(「ス
プートニク日本ニュース」)
近畿大学でも、福島原発汚染水対策として、除去技術を開発したとか。
https://www.u-presscenter.jp/article/post-39661.html(「
大学プレスセンター」
原子力規制委員会は、もっと真面目にやってほしい。
posted by T.Sasaki at 21:57|
Comment(0)
|
反核燃料リサイクル運動
|

|