日本の漁業が崩壊する本当の理由 片野歩

世界中で魚類資源が増えているのに、日本だけが減っている。
この現実を、恥ずかしいと思うべきである。

日本の漁業が崩壊する本当の理由.jpg

すべての漁協組合長、理事、参事、そして、任意の漁業団体の会長以下すべての役員たちは、この本を読むべきだ。
読みたくないならば、「日本の漁師は大バカものだ」を参照すること。
これを認識できないならば、役職に就く資格はない!

2019年12月15日

どんこの消費拡大

こんばんは。

10日ぐらい前だったか、それより前だったか忘れたが、1回だけ出漁し、5枚ほど縄を使って、2匹獲った。
ちょっと大きめの光ったオスと3キロぐらいの小さなメス。
初物なので、水揚げした。
まだ早いと思って、その後出なかったが、出ている船は、毎日、ゼロか1匹だそうだ。
いつもなら盛漁期なのに、この漁では、釣れる気配がない。
水揚げしないで、食べればよかった。
正月に鮭がない、というのは、漁運丸という名前を名乗ってから、一度もない、と父親には言われた。

ということで、しかたなく、どんこを獲っている。
これもまた、それほど漁があるわけでもなく、しかも安い。
乗組員の給料30万円を引けば、たぶん、ゼロだろうし、支払いがあるから、完全に赤字である。

最初の頃、18尾入れが500円しかなかったので、その後は、地元高浜の人たちに配っていたが、試しにまた3日前に売ってみたら、何と!300円。
もうバカくさくなって、市場に出さないことにした。
箱代氷代を引くと、タダ。
タダなら、近所や知り合いにあげたほうがいいに決まっている。
半端なものは、すべて、自分で食べるか、干す。

どんこの干物.JPG

この大きさのどんこを、ちゃんとこしらえて、はたいて食べると、3尾でけっこうな量になる。
白身の魚で、たんぱく質豊富。
干したものは、焼き魚定食!
今日は、来宮した妹が、干したやつを3匹持っていった。
それにしても、あまりにバカにした値段である。
食べ物には価値がある。
量的に余っている、というのならまだ理解できるが、通常よりも少ないくらいであるのだから、こうなると、魚屋さんの良心を疑ってしまう。

どんこを干すにあたって、昨年までは、頭をつけて、頬ざしにして干していたが、どうせ頭なんか食えないから落として、写真の通り、逆さに干してみた。
なぜ、そうしたか、というと、塩分も自由落下の法則に従うであろうから、身の厚いほうを下にしたほうが理想ではないか、ということで、こうやってみた。
私は、塩水を使わず、ただ塩を手で擦りこみ、30分放置し、すぐにぶら下げるだけ。
帰ってくると、疲れて早く寝たいから、こうやっている。
それでも、食べた人は、美味しいと言ってくれるから、まあいいだろう、ということ。

18尾入れは、もう売るつもりはない。
みんなにタダであげて、どんこの美味しさをみんなに知らせて、魚屋さんに代わって消費拡大するしかない、という気持ちである。

5軒くらい隣のおばさんから聞いた話だが、数年前、北海道から、復興工事で来ていた人たちが、「どんこは、だしにしかならない」と言っていたそうだ。
そこで、はたきや味噌汁にして、ご馳走したら、その美味しさにびっくりしていったという。
天下の北海道は、きっと金持ちしかいないから、どんこなどという低級魚は食べないのかもしれないが、でも、どんこをはたいて食べる、ということは、宮古の料理屋(おもに寿司屋かな)でも、あまり知られていなかった。
どんこのはたきを、料理屋で出し始めたのは、ごく最近のことである。
私ら漁師は、子どもの時から食べていたのに、意外にも、そういう食習慣の交流がなかったのではないだろうか。



posted by T.Sasaki at 20:38| Comment(0) | うまいもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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