再び、こんにちは。
太平洋の超深海に、生き物はいるのか?
答えは、いる。
水深7500mには、シンカイクサウオという魚がいるし、水深10000mの海溝にも、カイコウオオソコエビが確認されている。
生き物であるからには、酸素が必要であるが、こんな超深海に酸素が存在する理由は、「ブロッカーのコンベアベルト」という全地球規模の熱塩循環にある。
現在では、温暖化のために、熱塩循環が弱まっている(これは「
気候変動は、二酸化炭素よ」でも触れている)。
https://www.geolab.jp/science/2004/09/science-016.php(「
地層科学研究所」)
南極付近で深層に沈み込んだばかりの底層海水は、冷たく、かつ溶存酸素に富んでいますが、矢印のように北上するにつれて水温は上昇し、溶存酸素濃度は減少していきます。このような海水の性質の変化から、海水の動きが類推できるのです。
(「太平洋その深層で起こっていること」p24)つまり、熱塩循環が止まってしまえば、生物の消費により、海底の酸素は使い果たしてなくなるということ。
熱塩循環がゆっくりになる、あるいは、止まると、海底からの地殻熱により、底層の水温は上昇する。
表層は地球温暖化によって昇温するから、空と地球本体の両方から、海水が暖められるわけだ。
困ったものである。
日本海は小さいながら、独立した熱塩循環のある海であり、世界的にも貴重であるようだ。
言うなれば、全地球的熱塩循環のミニチュア版。
日本海で今後起こることは、世界的にも起こりうること。
日本海では、すでに水温上昇や酸性化が進んでいる。
原因は、気候の温暖化であり、それにより、日本海独自の熱塩循環が弱くなっている。
そうなると、黒海のように、なってしまう。
黒海には、日本海のように高密度で重い表面水を自ら形成して沈降させるメカニズムが備わっていないのです。そのため、表面水と深層水の上下混合がほとんど起こりません。
光合成の起こる表層水だけはつねに酸素に富み、漁業もさかんですが、表層から下では酸素は有機物の分解のために急速に失われ、水深約150メートルから下では酸素濃度ゼロとなって、酸素呼吸をする生物は生きていくことができません。そのうえ、無酸素状態の海水中では、有機物の分解のために海水中の硫酸イオンが利用されるため、その副産物として有毒ガスである硫化水素が大量に発生しています。
(「日本海その深層で起こっていること」p31)未来は暗い。
さらに、もっと暗い話。
マイクロプラスチックである。
海に捨てられたプラスチックが粉々になって、海洋を漂う。
これを「魚類が誤飲して死んでしまう」という問題ではない。
石油からつくられるプラスチックは疎水性で、その表面に、やはり疎水性の性質をもつPOPsを吸着・濃縮してしまうのです。
(「太平洋その深層で起こっていること」p39)POPsとは、難分解性有機汚染物質のことであり、よく問題になるPCB(ポリ塩化ビフェニルが、それ。
世界中のどこの漂着プラスチックにも、すでに、PCBが含まれている。
そして、超深海は、もっとすごいことになっている。
なにしろ、工業地帯からの廃液に汚染された沿岸体積物(乾燥試料)に含まれるPCBs濃度の最高値でさえ、米国(グアム)で314ng/g、日本で240ng/g、そしてオーストラリアで160ng/g程度なのです。マリアナ海溝の横エビに含まれていた382ng/gがいかに驚くべき数値であるか、実感していただけることと思います。
(前掲書p254)したがって、プラスチックゴミは、海に捨てられない。
「
佐渡島は環境先進地」で書いたことは、ぜひ、実行すべきである。
そして、もう一つ。
海面を漂流するプラスチックゴミ(マイクロプラスチックも含めて)を、回収するロボット船を開発する。
家庭用自動掃除ロボットであるルンバを見ていると、できそうな気がする。
後発ルンバは、賢くなっている。
posted by T.Sasaki at 11:35|
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