こんにちは。
先月24日、盛岡で、再度、水産庁と「するめいか資源に係る意見交換会」が行われた。
結論から言えば、何の進展もなかった。
特に、岩手県の2そう曳きトロールとの漁業調整について期待したのだが、ただ話をしただけ、だったようだ。
時間の無駄。
最初から荒れ模様の会議であったが、一応、研究者の話もまじえて報告する。
昨年暮れから今年初めにかけて、東シナ海の水温分布は、するめいかの産卵に良い環境であった、と報告された。
しかし、今年の漁は、昨年よりさらに悪い。
その原因は、親魚不足である。
このブログでも報告している通り、昨年暮れに八戸で行われた「
スルメイカ資源の意見交換会」では、秋に三陸沖に回遊するするめいかは、南下するか、しない場合は、津軽海峡を通って、結局は日本海へ戻って行って、南下し産卵する、としていた。
これは研究者らの共通認識であるようだ。
このことを前提として、私は、質問した。
秋に2そう曳きトロールがするめいかを獲らない場合、東シナ海の水温状況が良好だったことから、資源はきっと増えた、と考えていいですか。
研究者は、「その通り、増えると考えます」と言った。
そこで、今度は、水産庁の職員に向かって、「聞いての通り、あとは、漁業調整をどうやるかにかかっています。どうですか?トロールを管理しているのは、水産庁なのだから、ここのところを獲らないよう調整すべきではないですか」
しかし、これに、応えることは、もちろんない。
今年度は、するめいかの産卵海域は、非常に好環境だったのだ。
もう一つ、みなさんに報告することがある。
5月から6月頃、下北半島の尻屋沖で、八戸のトロール船が、非常に小さいするめいかを獲ってきて喜んでいる。
あれをどう考えればいいのか。
いいことではないと思う。
何かの関連で、「あの時期に尻屋にいるするめいかは、ローカル群ではないのか」と聞いたところ、あれは、東シナ海で生まれたするめいかが、はるばる回遊してきた、との回答であった。
これには、参加者は、みんなびっくりしていた。
本当にそうなのか。
春先の水温が低い時期に、岩手のいさだ漁では、小さいするめいかが混じることがある。
このことは、漁業者ならみんな知っていることである(今年のは、調べてもらったら、ひいかだったようだ)。
だから、低水温でも、するめいかは生存しているのは確かだ。
するめいかの研究は、まだまだ雲をつかむような話の段階なのかもしれない。
事前に、いか釣り部会と水産庁との間で意見交換した話から、ぜんぜん進んでいなかった(4月に行われた「
水産庁は、現状維持が大好きなようだ」参照)。
漁業者側からの意見は、ほとんど、事前に意見してあったものである。
だから、わざわざ八戸から出向いた人たちは、怒っているそうだ。
怒りの矛先は、いろいろとあるようだが、準備不足で意見交換会に臨んだ水産庁が、私は一番悪いと思う。
以上が、報告である。
私は、重要なことを、もう一つ質問して、水産庁側の回答に頭がカッとなってしまったが、そのことは書かない。
これは、またあとで使えるものである。
その他、2つくらい、会議で言わなかったことがある。
ここで先のことを書いてしまうと、へんな理屈を用意する人たちもいるから、今後、そのようなことは書かず、報告だけをする。
特に、権力に対する場合は。
いさだ許可に関する顛末でも、言っていないことも、ある。
心の中には、誰しも、強いものに対して、牙をもっているのである。
posted by T.Sasaki at 16:41|
Comment(3)
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いか釣り漁業
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「昨年暮れから今年初めにかけて、東シナ海の水温分布は、するめいかの産卵に良い環境であった、と報告された。」
この部分の報告書をお持ちではありませんか?
貴ブログを拙ブログで使わせていただきましたhttps://suisanshigen.com/2020/01/12/article13/
報告書は配布されませんでした。
中央水産研究所の加賀さんという方が、パワーポイントを使って説明していましたから、そちらの研究所へ問い合わせればいいかと思います。