日本の漁業が崩壊する本当の理由 片野歩

世界中で魚類資源が増えているのに、日本だけが減っている。
この現実を、恥ずかしいと思うべきである。

日本の漁業が崩壊する本当の理由.jpg

すべての漁協組合長、理事、参事、そして、任意の漁業団体の会長以下すべての役員たちは、この本を読むべきだ。
読みたくないならば、「日本の漁師は大バカものだ」を参照すること。
これを認識できないならば、役職に就く資格はない!

2018年08月08日

長いものに巻かれたくない

再び。

まき網は減船すべきである。
もちろん、日本近海の魚類資源減少を食い止めるためである。
反論として、「政府で定められた漁獲量を守っているのだから、減船する必要はない」と主張するかもしれないが、それはその漁獲量設定自体、そして、魚種制限もおかしいからである。
これは、過去の歴史が証明している。

以前の大型まき網の船体には、ちゃんと「いわし・さば」と目的の魚種がちゃんと書いてあった。
それが、今はない。
「いわし・さば」と書いてあっても、混獲と称して、混獲率99%のするめいかを獲っていたのは、誰も知っていることである。
これを容認していた水産庁の責任は、非常に重いのだが、何一つ責任を取ったことはない。
各地の漁協を相手に、責任問題を裁判で追及するとか、そんな脅し話を聞いたりするが、どうせ裁判を起こすなら、そんなちっぽけな相手ではなく、水産庁自体を訴えればいいと思う。
情けない。

まき網漁船を減船すべき理由の一つは、超効率的な漁法だからである。
今や、魚群探知機類の飛躍的な向上により、まき網漁船が、日本近海の魚を取り尽くす能力がある、ということは、すでに書いたが、いくら「漁獲量制限の範囲内で獲っているよ」と言っても、その設定した漁獲量が多すぎれば、資源管理の意味がない。
少ない魚群をすべて獲る能力があるのだから、本当の資源量に対し、設定する漁獲量が多すぎれば、確実に魚類資源は減るのだ。
このことは、冒頭に紹介してある本を読んでもらえれば、日本の国がやっていることがわかる。

マグロの漁獲割り当ての関する件もそうである。
まき網漁業よりも、沿岸漁業や定置網漁業に割り当てることによって、地域の台所は潤うのである(「マグロに針をやられる」参照)。

もう、まき網漁船の減船しかない。
合理的に考えるなら、それしかないのである。


私は、若い時に比べれば、角が取れて、反骨精神はかなり衰えたが、それでも、旺盛なほうである。
自営業者というのは、反骨精神がなくなったら、やめるしかない。
小型漁船の漁業者は、環境が厳しい分、短気で、反骨精神旺盛な人が多い。
酒を飲むと、すぐに喧嘩する人が多いのも、そういう影響があるのだろう。
喧嘩するは困ったものだが、それでも、反骨精神がないよりは、まだマシだと思う。
特に、魚類資源の敵である、まき網漁業やトロール漁業に対する反骨精神がなくなったら、小型漁船の経営者として、資質を疑う。

自民党支持者には、「長いものには巻かれろ」的思考の人間が多い。
それでは、改善すべきものも、改善されない。
困ったことに、漁協組織は、自民党支持が多い。
この性質を変えない限り、水産行政は変わらないような気がする。
自民党がそんなにいいのか。
「長いものに巻かれる」のがそんなにいいのか。

ある程度年をとってくると、自分の過去を振り返り、過ちを反省したりする。
やっぱりみんな過去を振り返ると、「あの時は、自分はおかしかった」と思うことがある。
そして、やる気のある若い人たちの足を引っ張りたくない、という気持ちも持つものである。
「長いものに巻かれろ」的思考では、今後の人たちにとって、害でしかなく、何も発展しないのである。
posted by T.Sasaki at 14:18| Comment(0) | 漁業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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