日本の漁業が崩壊する本当の理由 片野歩

世界中で魚類資源が増えているのに、日本だけが減っている。
この現実を、恥ずかしいと思うべきである。

日本の漁業が崩壊する本当の理由.jpg

すべての漁協組合長、理事、参事、そして、任意の漁業団体の会長以下すべての役員たちは、この本を読むべきだ。
読みたくないならば、「日本の漁師は大バカものだ」を参照すること。
これを認識できないならば、役職に就く資格はない!

2018年08月05日

するめいかローカル群を大事にする施策を

こんにちは。
私は、自分の腕の悪さに感動している。
太平洋昼いかに来て、まだ100箱という数字を見ていない。
岩手県に水揚げされたするめいかは、昨年同期比で、4.8%である。
昨年の何割減というのではなく、95%減である。

http://www2.suigi.pref.iwate.jp/research/20180802fishery_during

非常に深刻な大不漁である。

青森県の統計はどうなっているのかわからないが、八戸の最初の漁が遅く、また、昨年より最初の漁も悪かった。
だから、こちらも、かなりの減少となっているはずだ。

日本海も、石川県をはじめ、昨年より不漁であり、北海道も、沖合い漁場(凍結船)の不漁から、稚内なども単発的な漁となるのではないか、と噂されている。

こうなると、太平洋ローカル群や新潟、山形沖のローカル群が重要だ。
八戸前沖のするめいかは、たぶん、ローカル群である。
早い段階から、バラいかを八戸のトロールが獲っているから。
もし、冬生まれ群が回遊してくるのなら、もっと水温が高くなってからのはずであり、実際に、水温の低い時期の三陸いさだ漁で、するめいかの稚魚が混じることがある。
3月に、東シナ海の冬生まれ群がここに到達しているとは考えられない。
したがって、1月以降は、太平洋ローカル群に産卵機会を与えるために、するめいかの禁漁を実施すべきである。
特に、トロール漁業は、そうすべきである。

今年の新潟、山形沖の漁は、かなり遅く始まった。
先発隊は、5月初日から操業しているが、初日は皆無だったらしい。
その後、ヒラ瀬と呼ばれるところで少し釣れたが、その後は、するめいかの顔を見るのが大変だったようだ。
私は5月13日から操業しているが、その日、知っている船に連絡をとってみると、ベタ凪だから、しかたなく中瀬で針を下げているだけだという。
こうなると、沖合いの瀬の調査しかなく、その日は、鎌瀬で7尾、向瀬で2尾、瓢箪瀬で8個であった。

ここで尊敬すべきは、C丸である。
彼は、とにかく広範囲に調査することで有名である。
今年も、誰も出漁しない時に、すでに佐渡島を一周している。
こういう人が、漁模様を作るのである。
実際、かすかな8個という模様で、その数日後、彼だけが瓢箪瀬に出漁し、数十個獲ったのをきっかけに、翌日から急に漁が出たのだ。
それでも、彼のことをよしとしない人間がいるらしい。
そういう人間が、世の中の憎悪を生むのである。

話が脱線したが、新潟、山形沖のバラいかもローカルではないか、と私は思っている。
先行する石川県では、すでに同時期、新潟沖のするめいかより、かなり型がよい。
また、北上群の獲れる北海道では、同時期の新潟沖のするめいかより、やはり型がよい。
これをどう説明したらよいのだろうか。
もし、東シナ海秋生まれ群が北上して、南から順番に獲れるのなら、各地、小さいサイズから、大きいサイズが順番に獲れるはずであるが、実際には、新潟、山形沖のするめいかは、他の地域より小さい傾向にある。

これは、地元のS丸さんから聞いた話であるが、佐渡島のいか釣り船は、1月と2月で、1000万円くらいは水揚げするようだ(県外船は1月から4月まで禁漁)。
ということは、新潟、山形沖の瀬で、この時期に、するめいかは産卵しているだろう。
だから、この海区で獲れるするめいかは、小さい傾向にあるのではないか。

結論。
東シナ海の産卵群に期待できない現在、日本各地のローカル群の資源を大事にするしかないのである。
この考えを基本とし、どの漁業に制限を加えるべきか、検討すべきである。

八戸昼いかは、今週末まで天候があやしい。

http://www.bioweather.net/chart/pressure.htm

今年の傾向は、悪天候が長続きする。
たった数十個の水揚げで、操業日数が減ってしまうのは、かなりの痛手である。


posted by T.Sasaki at 16:35| Comment(0) | いか釣り漁業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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