日本の漁業が崩壊する本当の理由 片野歩

世界中で魚類資源が増えているのに、日本だけが減っている。
この現実を、恥ずかしいと思うべきである。

日本の漁業が崩壊する本当の理由.jpg

すべての漁協組合長、理事、参事、そして、任意の漁業団体の会長以下すべての役員たちは、この本を読むべきだ。
読みたくないならば、「日本の漁師は大バカものだ」を参照すること。
これを認識できないならば、役職に就く資格はない!

2017年08月14日

漁船漁業の近未来

再び、こんばんは。

スルメイカの大不漁で、イカ類の輸入を増やすようである。

 経産省は、日本近海でのスルメイカの不漁で加工業者の原料不足が深刻化している状況を受け、今年度輸入割当を3万8千トン追加する方針を決め、7月29日に追加案を公表、意見募集を始めた。追加枠は昨年度の2倍。当初の割当7万4950トンと合わせて今年度輸入枠は11万2950トンと過去最大となる。
 イカの輸入枠は平成19年、毎年度7万4950トンに設定。加えて過去3年間は不漁のため、追加輸入を認め、昨年度の追加枠は1万9千トン。輸入元は中国やタイなどが多い。
 輸入枠の増枠は、函館市、松前町や福島町の水産関係者が国に求めていた。
 追加枠の内訳は、輸入実績のある商社1万5250トン、水産庁が承認した団体(需要者)2万1650トン、海外漁場で操業する漁業者など1100トン。
 意見の受け付け期間は8月27日まで。追加枠の申請受け付け期間は商社割当=10月4日と同5日、需要者割当=9月28日から12月27日、漁業者割当=9月28日から30年4月16日。
(平成29年8月7日付「週刊水産新聞」9面)


この記事を読んだ時、少し考えた。

原料不足に悩む加工業界は、結局のところ、釣りとは違って、確実に一網打尽できるまき網漁業やトロール漁業の水揚げに頼ることになる。
しかし、いか釣り漁業者の総意は、資源回復するまでは、まき網漁業とトロール漁業は禁漁なのであり、これは筋の通った話である。
原料確保に悩む加工業界にとって、これらの漁業がするめいかを獲らないならば、あとは、輸入に頼るしかない。
そうだ。
加工業界をつぶさないために、この際、日本近海のするめいか資源が回復するまで、いかの輸入をどんどんやったほうがいい。

と考えたが、水産庁自体に、魚類資源を増やそう、という態度(つまり、まき網、トロール漁業に対する大幅な制限)が見られないし、「日本が獲らなくても外国船が獲る」という話から、「外国船に獲られるくらいなら、日本が獲ってしまえ」という話になる。
こうなると、外国の側(中国や韓国など)は、「日本は今まで獲ってきたじゃないか。我々に獲らせないなんて、卑怯だ」と言うだろう。
例の二酸化炭素排出削減の話と一緒だ。
これでは、この東アジアでの資源回復は、ますます望めない。
日本の漁師は大バカものだ」で引用したFAOや世界銀行の予測は、確実に当たる。

さんま業界も同じかもしれない。
外国船がさんまを公海で獲っているから、日本も獲り始め、それが資源減少の原因である、という人もいる。
本当のところ、どうなのかわからないが、「外国船が獲ってはならん」という法律は、どこにもない。
相手も、大して変わらない頭脳を持っている同じ人間なのだ。
今までたくさん獲っていた日本が、今さら、「資源管理しよう」と言っても、マグロ資源管理の会合で口裏あわせをやっている水産庁の態度を見せられると、説得力に乏しいのである。

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/10164

身近な岩手沖合を見ても、最悪の2そう曳きトロールの勢いは衰えそうにもなく、また、同業の小型船にも「獲りすぎ」という認識がない。

こんな有り様を見せられると、日本で漁船漁業はやるべきでない、と本当に思うようになる。

いったん、みんな瀕死になり、やめるところはやめて、漁船が減り、それが、資源回復の道筋となる。

これが、日本の近海漁業の近未来だろう。
posted by T.Sasaki at 22:05| Comment(0) | 漁業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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