日本の漁業が崩壊する本当の理由 片野歩

世界中で魚類資源が増えているのに、日本だけが減っている。
この現実を、恥ずかしいと思うべきである。

日本の漁業が崩壊する本当の理由.jpg

すべての漁協組合長、理事、参事、そして、任意の漁業団体の会長以下すべての役員たちは、この本を読むべきだ。
読みたくないならば、「日本の漁師は大バカものだ」を参照すること。
これを認識できないならば、役職に就く資格はない!

2017年02月21日

魚類資源減少について 7

こんばんは。

今月19日の日曜日、資源管理型漁業かご漁業者協議会の会合に出席してきた。
ミズダコ資源は上昇傾向であるが、水温上昇により減少に転じる可能性があるようだ。
一方、毛がに資源は減少傾向にあり、来年から甲長8cm未満の毛がには、放流することに決まっている(現在は、7cm未満を放流)。
今年の毛がに漁は、史上最低を記録するかもしれない。
そして、今後、数年間は、そのまま推移するのではないか、と私は思っている。

岩手県水産技術センターでは、2年後以降に漁獲できるほどの小さい毛がにはいる、としているが、私の実感として、異常といえるほど、小さい毛がにが少ない。
むしろ、昨年のほうが、たくさんいた。
かご部会の副部会長は、マダラが毛がにを食べたのではないか、という意見を言っていたが、それには、私も同感である。
マダラは、獰猛な魚だ。
何でも食べる。
釣り上げられたマダラの口からは、タコやカニが吐き出される。
6尾入れサイズのマダラなら、5cmくらいの毛がになど、容赦なく食っているだろう。
そこで、マダラ資源と毛がに資源の増減に相関関係があるのか、質問してみたが、今のところ、そのような研究論文はないらしい。

私は、昨年までたくさんの小さい毛がにがいたから、7cmの毛がにも獲っていいと思っていた。
だから、8cm未満の放流には、あまり賛成できなかった。
しかし、現実に、異常なほど少ない資源を目の当たりにすると、放流して資源を増やしていくしかない。
昨年のこの会合でも言ったことだが、私は、資源を増やすために、4月の試験操業(特別採捕)もやめたほうがいいと思っている。
来年はあきらめるとして、再来年以降に望みをかけるためにも(昨年は4月初めには道具を揚げたし、今年も実質3月末でやめる予定)。

私は、「かご漁業の周年操業はよくない。地区ごとでいいから、2ヶ月か3ヶ月くらいは、休漁すべきではないか」と言ってきた。
これが今回出席するにあたって、絶対に発言しようと思っていたことだ。
かごに入るのは、毛がにやタコだけではなく、かごの入り口から入り得る魚は、全部入る。
それらの魚類資源にとって、いいはずがない。
これは断言できる。
「資源管理型漁業」と銘打つなら、これぐらいはやってほしい。

今や、魚類資源は、減少する一方である。
岩手県は、再び、10万トン割れ。

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20170207_5(「岩手日報 Web News」)

天下の北海道も100万トン割れ。

http://mainichi.jp/articles/20170202/k00/00m/020/023000c(「毎日新聞」)

震災年を除けば、どちらも統計史上最低の漁獲高である。
環境の変化を理由にあげたりしているが、私は、それだけではないと思う。
きっと人間が獲りすぎている。
今後、以前の環境が戻るという保証はないし、もっと悪くなるかもしれない。
その中で、各漁業が、どうやったら資源を増やしていけるのか、考えるべきである。
posted by T.Sasaki at 22:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚類資源の減少について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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