日本の漁業が崩壊する本当の理由 片野歩

世界中で魚類資源が増えているのに、日本だけが減っている。
この現実を、恥ずかしいと思うべきである。

日本の漁業が崩壊する本当の理由.jpg

すべての漁協組合長、理事、参事、そして、任意の漁業団体の会長以下すべての役員たちは、この本を読むべきだ。
読みたくないならば、「日本の漁師は大バカものだ」を参照すること。
これを認識できないならば、役職に就く資格はない!

2016年10月17日

魚類資源の減少について 2

みなさん、こんばんは。

するめいかは非常に少なくなり、自主休漁しています。
1週間に1度くらい、様子見に出る程度かな。
切り上げてもいい状態。

さて、「魚類資源の減少について」のつづきです。
ご存知の通り、資源減少の原因を作っている最右翼は、まき網漁業と沖合底曳網漁業です。
近年、まき網漁業の魚探能力が向上し、彼らの船には、魚種や魚の大きさまで判別できる魚群探知機が搭載されています。
網を使う前から、その魚群がどんなものなのかがわかるらしい。
したがって、「大不漁なのに、今年もまき網はするめいかを獲るのか?」で書いたように、水産庁がまき網漁業にスルメイカの禁漁を申し付けた場合、スルメイカ以外の魚を、選択的に獲ることができます。
本当のところ、このような優秀な魚探がなくても、間違って入ったスルメイカを生きたまま逃がすことができますし、小さい魚ばっかりなら、同じように生きたまま放流できます。
このことは、次のリンクの説明図を見て、想像できると思います。

http://jamarc.fra.affrc.go.jp/work/makiami3.htm水産研究・教育機構「開発調査センター」


厳格な資源管理をするため、漁獲調整するならば、まき網漁業は、優れた漁法かもしれない。
しかし、船を動かす人間様のほうに、信用がない。

次に、沖合底曳網(トロール)漁業。
これには、1そう曳きと2そう曳きがあり、1そう曳きには、開口板(オッターボード)を使用するものと使用しないもの(かけまわし)に分けられます。

http://jamarc.fra.affrc.go.jp/work/okisoko.htm水産研究・教育機構「開発調査センター」

沖底の場合、どの漁法も、網を揚げた時点で、魚はすでに瀕死の状態なので、まき網漁業のように、選択的に、小さい魚などを生きたまま放流することはできません。
したがって、一度に大量に獲る漁法としては、良い漁法とは言えません。

かけまわしは、網を入れて、曳きロープの幅が狭くなれば、網の開口部も閉じたような状態になり、それ以上曳いてもあまり意味がないので、網を揚げます。
開口板を使用すると、いつまでも網の開口部は広がったままなので、ずっと曳いていることができます。
2そう曳きは、開口板を使用した状態よりもさらに開口部が広く、足を重くすれば、少々馬力を上げて曳くことができ、魚を逃がさない。

さて、どれが一番乱獲できる方法か?

以上の説明でも分かるとおり、答えは、2そう曳き。

しかも、岩手沖の小さい根や海底定着物を平らにしてしまった元凶とさえ言われていて、海底に生えている「ガマツ」と呼ばれる植物みたいなものをすべてなぎ倒し、小魚の育つ楽園を消滅させました(このことに関し、私は「岩手日報紙」に投稿したことがあります。水産庁に後ろ盾をもつトロール業界が、岩手日報紙上で、小型船と岩手県を攻撃しました。私は、たまたま足を骨を折っていて日本海へ行かなかったため、それを目の当たりにし、逆上して投稿。やっつけました)。
海底環境や魚類資源にとって、最も最悪の漁法である、と言えそうです。

この2そう曳きは、岩手以外にもあるようで、日本全国では、6県(山口,島根,岩手,愛媛,神奈川,徳島)。
岩手県は、2そう曳きが5カ統で、かけまわしが1隻。

沖合底曳船の説明が長くなりましたが、資源に関する記述は、ここからが本番。

2そう曳きは、よく、とんでもない小さいマダラなどを獲ってきたりします。
何十トンも。
さらには、キチジのミニ版も、万丈かごで市場に並んでいたりします。
曳く魚がいなくなると、何でも獲ってくる始末ですから、とにかく、魚類資源にお構いなし。
理由は、「獲るのがないから」と「他のTACをすぐに消化してしまうから」。

魚類資源の減少について」で紹介した論文からもわかるとおり、小さいマダラを獲らなければ、生産量は増大するのです。
トロール業界の社長たちは、このことをどう思っているのか。

そして、近年のスルメイカの大不漁。
私は、これにもトロール漁業の乱獲が関わっていると思います。
それは、「税金が魚類資源を減らす?」に記述している通りで、これには閉口します。

大不漁の今年、スルメイカの単価が異常といえるほど高い。
キロ単価600円を超えたとか。
つまり、たった2トン獲っただけで、120万円也。
彼らはもう、資源維持のことなど、ほとんど考えていないに等しい。
これでは、どんな魚類資源ももちません。

宮古魚市場の中で、2そう曳きの水揚げ金額は、無視できる量ではありません。
今まで、私は、「2そう曳きの水揚げが、宮古魚市場を支えてきたのだから、しかたないかな」と考えてきました。
しかし、もう、そう考える次元ではない、と思う。
2そう曳きはやめさせて、すべてのトロール漁業は、かけまわしにすべきです。
海のために良くない。

さらには、2そう曳きという漁法は、秋鮭のためにも良くない。
本来、鮭を獲ることのできる漁法は、定置網、河川捕獲、延縄の3つです。
だから、トロール漁業は、鮭を獲ってはダメ。
しかし、魚市場には、堂々と水揚げしています。
もちろん、入網して死んでしまった魚を捨てて来い、などと乱暴なことを言うつもりはありません。
そこで、トロール漁業の鮭の混獲を少なくするには、どうやったらいいのでしょう。
それは、かけまわしです。
かけまわしのトロールは、ほとんど鮭を水揚げしません。
だから、再度書きます。

2そう曳きはやめさせて、すべてのトロール漁業は、かけまわしにすべきです。
posted by T.Sasaki at 19:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 魚類資源の減少について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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