みなさん、こんばんは。
スルメイカの今年の大不漁は、このままの状態で、年末を迎えそうな気配です。
各地区にある水産研究所の方に、この大不漁は何が原因なのか、聞いてみたい。
私だけでなく、水産加工関係者を含めて、みんなが聞いてみたいのではないでしょうか。
しかし、彼らに答えられるかどうか。
魚類資源の減少は、漁獲圧が大きすぎるか、あるいは、環境の変化によって魚がその海域で育たなくなったか、のどちらかです。
漁獲圧の大きな漁法は、何といっても、大型まき網漁業と沖合底曳網漁業。
魚を獲り尽すことにおいて、他のどの漁業も、彼らには敵いません。
漁獲圧が大きすぎる、ということは、つまり、魚の増加分よりも獲る量のほうが大きい、ということです。
こんなことは、誰でもわかりますよね。
そして、そのことを裏付ける論文が、発表されていたようです。
震災後のマダラの資源変動です。
「
東日本大震災以降の漁獲圧の減少がマダラ資源に及ぼした影響」(「
東北区水産研究所」)
いろいろな理由で、福島沖のマダラの幼魚を獲らなかったために、その数年後、たらふく食べて育ったマダラは太り、でかくなった。
それを漁師が獲ったため、数倍の漁獲量となったのです。
つまり、大きくなってから獲った。
この論文の示唆するものは、漁獲圧に対し、魚類資源は、意外にも、敏感だということです。
私が、「意外にも」という言葉を使うのは、変に思われるかもしれませんが、本当に、意外でした。
実のところ、魚は、人間の知らないいろいろな所を回遊していて、全体の資源量はあまり変動しないし、減少しても簡単に回復するものだ、と考えていたからです。
しかし、現実は、違った。
スルメイカの極端な資源減少を目の当たりにしたり、岩手県水産技術センターから、毛がに資源への憂慮を伝えられたりしていて、最近、考えさせられるようになりました。
どういう漁業を行っていったらいいのだろうか、と。
今、いろいろと資料を探し、勉強している最中です。
ちなみに、この論文の図1は、2月末に行われた資源管理型漁業かご漁業者協議会の会合(「
毛がに資源は、あまりよくない」参照)の会合で配られた資料の中にあり、水産技術センターの方が説明しています。
それにしても、この論文は、下手くそ!
私も下手だけど、プロにしてはお粗末。
(2)で、2010年、2011年にマダラがたくさん生まれたことを否定したいのなら、(1)の最後の文章を、「2010年および2011年に生まれたマダラが多かったために、資源が増加したことが明らかになりました。」と書かずに、「2010年および2011年に生まれたマダラが多かった、と推定されます」と書けばいい。
論文の流れが悪く、読んだ人は、さまようことになりますよ。
posted by T.Sasaki at 22:11|
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魚類資源の減少について
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