日本の漁業が崩壊する本当の理由 片野歩

世界中で魚類資源が増えているのに、日本だけが減っている。
この現実を、恥ずかしいと思うべきである。

日本の漁業が崩壊する本当の理由.jpg

すべての漁協組合長、理事、参事、そして、任意の漁業団体の会長以下すべての役員たちは、この本を読むべきだ。
読みたくないならば、「日本の漁師は大バカものだ」を参照すること。
これを認識できないならば、役職に就く資格はない!

2015年10月28日

「地方消滅」

再び、こんにちは。
 
「地方消滅」という本に言及したついでに、読んでいない人のために。

その前に、この本の中で対談メンバーの一人、小泉進次郎さんは、消滅可能性都市のことを次のように言っています。

 今度のリストを初めて目にしたとき、これは「事実から目を逸らすな」というメッセージなのだ、と僕は受け取りました。自治体の首長はもちろん、政治や行政に関わる人間にとって、「こういった現実を履修しなかったら、わが町のことは語れませんよ」という、「必修科目」のようなもの。
(「地方消滅」p174)


私は意地悪な人間なので、日本じゅうとはいいませんが、岩手県や宮古市の特別職の方々に、「この本を読みましたか?」というアンケートをとりたい(笑)。
そういう私は、今回、「地球の破綻」と「地方消滅」を一回勝負に読みました(バラバラのジャンルを読むと、すぐに忘れるから。でも、きっと来月には忘れます。笑)。
この初版は、2014年8月25日で、およそ1年前に一般の人たちが読めるようになりました。
それからさかのぼって、その年の5月には、日本創成会議から、「消滅可能性都市」として発表されています。

「地方消滅」のメカニズムは、「地球の破綻」と違って、簡単に説明できます。

人口移動は、地方から都会へ、特に、東京へと向かいます。
ここで重要なのは、若い男女の移動。
もうこれだけで“地方消滅”です。
一方、日本全国の出生率では、東京はダントツの最低。
つまり、東京の人口増加は、地方の若夫婦が、非常に仲良くして、子どもと作ったから(笑)。
「地方消滅」では、これを人口のブラックホール現象と呼び、東京をブラックホールだとしています。
地方の若夫婦がせっせと作った子どもたちは、東京へ行き、いろいろな原因(著書ではちゃんと書いてあります)で、子どもを作れない。
東京の低出生率に、せっかくの若夫婦が、現実を見るのです。
しかし、それだけでは終わりません。
今後、東京ほど、超高齢化に見舞われます。

 特に、東京圏は2040年までに現在の横浜市の人口に匹敵する「388万人の高齢者」が増え、高齢化率35%の超高齢社会となる。生産年齢人口は6割まで減少するうえ、人口10万人当たりの医師数や人口当たりの介護施設定員数も低いため、医療、介護における人材不足は「深刻」を通り越し、「絶望的」な状況になる。その結果、辛うじて地方を支えていた医療・介護分野の人材が地方から東京圏へ大量に流出する可能性が高いのである。
(前掲書p27)


つまり、地方は消滅し、いずれ低出生率の東京も人口が減り、さらに、高齢者のケアもままならない世の中になる、ということ。
対談で、増田寛也さんは、東京の現実を次のように語っています。

 東京のことも述べておきたいと思います。人口流入が続いているのだからとりあえずノープロブレムだろう、というのはとんでもない思い違いです。たとえば、「介護待機老人」が現状で4万3000人います。2040年には後期高齢者が倍になり、逆に若年層は4割減る。どんな世界になっているのか、見当もつきません。東京オリンピックが開かれる2020年まではしゃにむにに突っ走れたとしても、その先、世界に伍していくための成長エンジンとして機能できるのかといえば、このままではかなり危ういでしょう。
(前掲書p173)


このまま行政的に無策であると、「地球の破綻」より、先に「日本の破綻」が来るのです。

以上が、「地方消滅」の概要です。

さまざまな地方の取り組みも紹介されていますが、須田善明女川町長の次の発言は、特に読んでもらいたい。

 説明会では、復興の絵を示しつつ必ず三つのことをお話ししました。第一に「復興財源の多くは国費だが、1000億かかれば一人800円、2000億かかれば1600円、全国民からの負担で成り立つ復興であり、それを踏まえれば、復興のための国費だからこの際何をやってもいい、という考えはありえない」と。次に「安全な宅地を作れば復興、ではない。それを通じて将来世代が引き継げる街を創れるかが問われている。“今”だけを捉えるのではなく将来像を見据え今を乗り越えることが重要」、そして最後に「復興は当事者である我々一人ひとりが皆で取り組むものであり、自ら立ち上がる姿勢がなければ支援の手さえ離れる」という認識の共有を求めたのです。
(前掲書p164)


立派ですよね。
住民自らに、地方の将来を考えさせながら、復興を進める。
こういう町長が、自治体の長であるべきです。
この対談の中で、小泉進次郎さんは、私が大嫌いな利益誘導型選挙について、次のように語っています。

 たとえば行政コストの削減のため、集落にある公共施設を畳む必要がある、といった議論になったとします。選挙になれば、たとえ中長期的には無責任であっても、「反対」と唱える人が通りやすいという現実が、今はあります。でも危機感をみんなが共有したら、「こんな未来が予測されているのに、なんと無責任な」という形で、政治家の淘汰が進んでいくのではないか、と僕は思うのです。そうなれば、地方自治も国政も、真の自覚と責任と、将来に対する明確なビジョンを持った人間たちで担われることになるでしょう。
(前掲書p175)


やっぱり、これも、政治家なら、絶対読むべき本ですね。

ところで、選挙制度について、「地球の破綻」でも、次のようにやってみたらどうか、ということを書いています。

 筆者がいつも提案しているのは、選挙という社会システムに未来を仕込むことである。いかなるも二票性とする。比例区と選挙区という区別ではない。現在票と未来票に分けた二票性である。現在票は、今のあなたが良いと思う候補者に入れる。そして、もう一票の未来票は、20年後の社会にとって良さそうな候補者に入れる。これで何が起きるのか、と言えば、すべての選挙の候補者は、20年後の未来について語らなければならなくなる。これは様々な意味で、非常に大きな変化を起こすことになることだろう
(「地球の破綻」p333)


でも、問題は、投票するみんな。
私は、政党信者たちの票に、何らかのハンデを与えるか、無党派層の票を1.5倍にする、とかしたほうがいいと思う。
そうすれば、あきらめ感のある無党派層も、投票する気が起きるかもしれない。
しかし、問題点があり、政党信者たちが、無党派層に成りすます可能性が非常に大きい。
何といっても、信者ですから(笑)。

ごめんなさい。
脱線しました。

「地方消滅」では、その他、いろいろな対策などを提言していますし、また、がんばっている自治体もあるし、日本人は、真面目に解決法を考える民族ですから、大丈夫。
あとは、今の若い人たちに未来を託すしかありません。

???

そうなのです。
今の若い人たちが、今までの日本人のような性質を維持することこそが大事!
普通に「がんばりなさいよ」と言っても、「がんばれるかなあ?」とか「いっぱいいっぱいです」と。
でも、まだ返事をする人はいいほう。
無言で仕事を放りなげていく人もいる。
私は、心の中で、「この親は、どういう育て方をしてきたのだろう」と常に思います。

仕事中、手が空いているにもかかわらず、他の人の作業を手伝わない若者に、よく次のようにいいます。

「君は、困っている人を助ける、という気持ちがないんじゃないか?」
「見なさい。彼が仕事をしているのだから、手元だけでも手伝いなさい!」

と。
こんなことまで、私が言わなければならないの?
今年は、見てられなかったので、他の船の乗組員にも少し説教してしまいした。
最近は、船頭に相談してからにしています。

「言ってあげっか?」

すでに、口うるさい船頭として、私のことが通っているかも!

この通り、若者たちの最低限のやる気と子どもをもった親の最低限の教育がないと、いくら対策を施そうと、地方は消滅し、日本は破綻します。
だから、大元の人材育成をしっかりやるべきです。
それも基本中の基本を。
(それでも、最終的には、資源問題に関わるイノベーションが起こらないと、人口が減ることが望ましいことになるんですよ。)



最後におまけ。
編集者の増田寛也さんは、素朴にも次の疑問を書いています

たとえば、なぜ企業の本社が地価も物価も人件費も高い東京に集まるのか、その理由すらはっきりとわかっていない。都市の集積効果を理由に挙げる人もいるが、ニューヨークのマンハッタンには、金融を除き大企業の本社はなく、それらはいずれも地方都市に存在する。まず正確なデータや事実を積み上げ、検討していきたい。
(前掲書p203)


私は、天下りや接待に関係するのではないか、と思います。
天下りは、社会の元凶ですが、接待はどうなのかなあ。
もし、大企業が地方に本社を構えたら、接待も地方でやったほうがいい。
増田さんの検討結果を楽しみにします。



小泉進次郎さんが、良い奥さんに恵まれればいいですよね。
かっこいいし、頭もいいし、ちゃんとした考えを持っている。
きっと小泉家は、いい血筋なんですね。
3人くらいジュニアが生まれて、少子化を阻止!
3人で足りないなら、何人でも(笑)。
posted by T.Sasaki at 16:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 本の紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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