みなさん、再び、こんばんは。
ちょっとFRPの仕事をしようかなあ、と考えていましたが、そこで、思い出したことを書きます。
昔々、春の鱒縄をやっていた頃(10号漁運丸の時代)、沖出し中、船首楼の中にアカが浸み出してきました(外部からの不要な水。アカがきた、などと使う)。
防舷材を固定しているボルトから。
船を造る時、これらのボルトからアカが来ないように、しっかりシリコンを注入するとか対策をしていないとこういうことになります(でも造船業界ではそこまではやっていないと思う)。
私の船でも、船を陸揚げした時、なぜか、機関室にアカがほんの少しずつ浸み出していました。
なめてみると、真水。
いろいろ考えてみましたが、舷側の内側にたまった雨水が、同じく防舷材のボルト穴から、FRPの貼りあわせたところを伝わって、機関室へと浸み出していった、と解釈しました。
船齢が20年を超えると、こんなものなのでしょう。
対策として、ここ数日、晴天であることから、ほぼ乾燥したと考え、防舷材固定ボルトに、シリコンをごったりと被せました。
話を戻して、春鱒縄の時、どうやったか、というと、少しぐらい濡れていても、シリコンは、効きます。
ゴタゴタに塗ったら、シリコンに親水性があるのか、そのまま固定され、アカが来なくなりました。
前後バラバラになりますが、その後ことも少々。
今の船で、いさだ漁の準備中、たまたま、飲料水の漏水を発見!
この時は、まだ、私は船頭という地位ではなく、ただの平社員、兼、船主のドラ息子。
漏水の場所が、船尾の舵箱の中。
船尾は、いさだ漁では、網の積み下ろしの場所であり、要の場所。
解禁直前だったので、例のごとく突貫工事(この時代から突貫工事だった)。
船主の息子というのは、いざとなると、夜があるのかどうか。
夜を必要とする新郎新婦とは縁がなかったから、余計に不幸にならなかった(笑)。
10時頃まで操業。
飲料水の配管は、ただの塩ビだったので、凍ってしまえば、破裂する運命にあります。
この時は、水抜きしないまま造船場へ陸揚げしたので、凍ってしまいました。
通常のように海に浮かべてあれば、凍らないのに。
でも、破裂せず、ひび割れで済んだのは幸い。
漏水をどうやって止めたか、というと、過去の経験から、これもシリコン。
シリコンで亀裂の周りを覆い、乾いてから、FRPのパテを塗る。
これも乾いてから、ヤスリで粗い傷をつけて、その上にFRP加工。
以後、修理した配管からの漏水はありません(というより、冬季に造船場に上げる場合、水抜きをやっている)。
しみ出る程度ならば、シリコンで漏水は止まります。
止まればしめたもので、その後の対策は、たくさんあります。
海の上では、シリコンとシリコンガンは、必需品ですよ。
先日、岩手大学工学部を褒めましたが、逆に、「これはちょっと・・・・」というのもあります。
「
岩手大学の漁業貢献」に反する部分になってしまいますが、これって・・・・。
岩手大学工学部社会環境工学科の地域防災研究センター防災まちづくり部門というところで、FRPを陸上の土木に活用しようという研究をしています。
こうなると、ますます、FRPの材料が高騰するでしょう。
これは、小型漁船漁業にとって、非常に大きな問題となります。
私は特に、FRP製の船ですから、修理などで、負担が大きくなります。
お先真っ暗、とまでいかなくても、あまり気持ちのいいものではありません。
私は、“復興”という錦の御旗を、どんどん嫌いになっています。
復興事業は、土木事業のことです。
土木事業は、沿岸漁業の敵です。
いろいろな場面で、沿岸漁業の労働者を奪っているからです。
その労働者が、漁業関連産業に戻ってくる前に、漁業者たちが、もつかどうか。
岩手大学は、頭のいい人たちがいるのだろうから、その辺を勘案して事業を行ってほしい。
私には、もう卒業証書とか、いろいろな資格とか、それを証明するものは残っていません。
しかし、卒業生として、その辺は、もうちょっと何とか考えられないのかなあ、と常に疑問に思っています。
土木事業は、国を滅ぼすか!
「君は本当に岩手大学の卒業生なのか」と問われれば、それは、「はい!」と。
だって、私の名前は変わっていますから、大丈夫、それだけで証明できます。
こういう時は、変な名前も役に立つものだ(笑)。