再び。
今日もFRPの仕事。
船のエンジンは、海水冷却です。
もちろん、途中で清水と海水の熱交換したりして、清水が循環する部分もありますが、基本的にエンジンの冷却は海水です。
その海水の取水口がキングストンと言われるもの。
もちろん、金属でできていて、ほぼ真ちゅうかな?
鉄は海水で腐りますが、真ちゅうや銅は腐りにくい。
今の新造船はステンレス配管だそうで、ステンレスはピンホールが心配です。
そこで、ところどころに防食亜鉛を使っているとか。
私の船はすでに22年?経過していて、機関室の中は、すべて銅配管。
当時は、銅配管が主流だったのです。
腐りにくいというので、防食亜鉛は使っていません。
完全に「使っていません」というわけでもなく、もちろん、海水こし器やエンジン、クラッチなどには、防食亜鉛は入っています。
その他、キングストンに亜鉛を付けています。
それも船外に。
今は、付けていない船がほとんどかな?
私の船は、エンジン取水用のキングトンが両舷の船底に付いています。
つまり、2つのキングストンがあるわけです。
片方は、散水ポンプ用にキングストンと一緒のところについていて、そこには、新造の時から防食亜鉛をつけていました。
もう一方のほうには亜鉛をつけていなかった。
船も古くなり、何となく不安だったので、2年前に防食亜鉛をつけました。
私が。
こういう工事は、造船場に頼んでも、思ったようなものはできないので、自分でやるしかない。
キングストンボックス。

亜鉛をつけるところには、亜鉛のゴムしかありませんが、これに磨いた亜鉛か新品亜鉛をつけます。
そして、カバーをボルトで止めるようにします。

新造の時からあるキングストンボックスは、亜鉛交換する時にいちいちサンダーでFRPの接着部分を削り取ってはずしていました。
毎度、粉だらけになるのは嫌なので、今回、これも改造して、ボルト止め方式のキングストンボックスに。

これがそのカバー。

その他、ヘラ巻き(プロペラにロープや網などを巻くこと)を確認できる点検口の工事。
鏡(取り外しできる丸い窓みたいなもの)を取り外して、巻いたものを鎌などで切ったりできるところですが、この排水管が機関室へと通じています。
鏡を閉じて排水する時、バルブ操作で排水しますが、一度も使ったことがありません。
ほぼ、移動ポンプで排水するからです(昔はバケツで排水した)。
配管も古くなっていて、どこを通っているのかもわからないので、どうせ使わないのだから、これも塞いでしまおう、ということになりました。

FRPの接着で大事なのは、ちゃんとサンダーをかけること(接着面に細かい傷をつける)。
つまり、粉だらけになること。
こういう狭い場所だと、本当に粉だらけ。
ダクトファンや掃除機をがんがん稼がせても、やっぱり粉だらけ。
マスクやめがね(私の場合二重めがねになります)をしても、鼻や目は粉だらけ。
たぶん、肺まで吸い込んでいて、うがいをしても、肺までうがいしたい心境。
私はきっと肺がんで死にます。
ここでFRP工事の基礎。
サンダーかけは、接着面に対し広すぎるくらいやる。
サンダーをかけた部分をはみ出して貼ってしまった場合、剥げる可能性があるから、そこはサンダーで削ったほうがいい。
接着力は、接着面積で決まる。
FRPの強度は、材料の枚数(特にクロスの枚数)で決まる。
水分、油分は、はがれる原因だから、厳禁!
最後にFRP用のペンキを塗る。
ペンキがFRPを保護するから。
FRPは、乾ききらないうちなら、重ねて貼ってもOK(もちろんペンキもOK)。
しかし、完全に乾いたら、サンダーをかけてから貼ること(あるいは塗ること)。
posted by T.Sasaki at 21:30|
Comment(0)
|
TrackBack(0)
|
日記
|

|