日本の漁業が崩壊する本当の理由 片野歩

世界中で魚類資源が増えているのに、日本だけが減っている。
この現実を、恥ずかしいと思うべきである。

日本の漁業が崩壊する本当の理由.jpg

すべての漁協組合長、理事、参事、そして、任意の漁業団体の会長以下すべての役員たちは、この本を読むべきだ。
読みたくないならば、「日本の漁師は大バカものだ」を参照すること。
これを認識できないならば、役職に就く資格はない!

2012年05月02日

今年は、日本海へ行かないよ〜

みなさん、こんばんは。

昨日、造船場(正確には、宮古漁協造船工場)から船を降ろし、今日は、カゴのラインホーラーを積みました。
ということは、今年は、日本海へイカ釣りへ行かない、ということです。

先日、新潟漁協へ電話し、燃料価格(重油)をたずねたところ、消費税込みで、99円。
これでは、水揚げすれど、あまり利益があがりません。
新潟県沖合漁場は、だいたい40マイルから50マイル沖に形成されますから、往復80マイルから100マイル。
私の船では、どんなに頑張って節約しても、1日700リッターで、約7万円。
毎日7万円ずつ、手元から金が出て行く計算です。
もちろん、1日の水揚げが、最低20万円以上なら大丈夫ですが、それを下回ったら、危険信号。

重油価格が高い、というのが、日本海へ行かない理由の一つですが、理由は、もう一つあります。

乗組員がいない。

これが、真相。

ちょっと年をとった乗組員が一人いますが、もう一人、必要(もし、相手が若かったら、一人でも十分)。
乗組員が、やる気いっぱいなら、この程度の重油価格では、大丈夫なんです、本当は。
近年、リッター80円から100円の間を行ったり来たりですから、あとは、漁次第。
私の場合、毎年の水揚げは安定していて、だいたい1ヶ月400万から500万ペース。
しかし、これも、乗組員に恵まれてのことなのです。

強いて言えば、もう一つ、理由があります。
昨年は、無理やり、日本海へ行って、利益を得てきましたが、それも、借金があったから(この辺は、「津波の記憶 7」」を参照)。
今年は、ちょっと余裕があり、昨年、切羽詰ったために残した津波の後始末をしなければならないから。

まだ、ある。

ちょっと悲しい話ですが、母とおじが流されたのを目撃した人に、私は、話を聞こうと思っています。
高浜のある人に、苗字だけ知らされているのですが、今まで、探して聞く勇気がなかった。
でも、やっぱり、聞かないで済ますわけにはいかないと思う。
自分のけじめとして。




私は、家を建てれるかどうかわかりませんが、漁業をやる上での津波対策は、すでに終わっています。
流された倉庫の土地には、津波が来て流されてもいいようなものばかり置いています。
例えば、普段使わないロープ類、網類、船上に艤装する小屋、マスト類など。
これらは、仮に津波が来ても、高浜のどこかで見つけることができます(経験的事実となりました)。
モーター類、電機機器、油圧装置などの、水に浸ければ使い物にならないものは、津波浸水しない倉庫へ、すべて格納。

津波が来た時、地元なら、自転車でいいのですが(これも経験的事実)、神林港まで移動するには、どうしても車が必要です(船を沖合に避難させるため)。
せっかく手に入れたトラックを、再び津波にもっていかれるのは、もったいない。
そこで、腐った軽自動車を用意しました(もらった。笑)。

これで、たとえ、今回クラスの津波が来ても、事業は継続できます。

自分のことは、大丈夫。

あとは、みなさん、です。

みんなが、頑張って、自立するのみです。

私は、のんびり、タコを獲って、一杯やるんで〜す。

ではでは〜。

晴れ
posted by T.Sasaki at 21:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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