日本の漁業が崩壊する本当の理由 片野歩

世界中で魚類資源が増えているのに、日本だけが減っている。
この現実を、恥ずかしいと思うべきである。

日本の漁業が崩壊する本当の理由.jpg

すべての漁協組合長、理事、参事、そして、任意の漁業団体の会長以下すべての役員たちは、この本を読むべきだ。
読みたくないならば、「日本の漁師は大バカものだ」を参照すること。
これを認識できないならば、役職に就く資格はない!

2010年01月27日

植物は語る

みなさん、こんばんは。

ここ数日、忙しくて、飲みすぎて、また、忙しくて。

毎年ワンパターンのイサダ漁が、もうそろそろです。
先日、総会が釜石で開かれ、解禁日が2月22日に決定しました。
私は、初めて、総会に出席したので、わからなかったのですが、大船渡以外での総会開催は、初めてのことなのだそうです。
乗組員だった頃から、いろいろと話は聞いていましたが、「進歩したなあ」というのが、実感です。

エンジンのオーバーホールや宮古地区イサダ漁飲み会などが、多重放送になって、私の脳みそが、少し発酵していました。
今日は、毛がに漁のお手伝いに行ってきて、また、一杯やりました。
でも、汗をかいてきたので、頭の中は、スッキリクッキリ、です。
やっぱり、人間は動物、つまり、「動く」「物」なのですから、動いたほうが、いろいろと機能するようになるのだと思います。
みなさんも、布団の中だけでなく、布団の外でも、動くようにしましょう!(笑)

さて、前回の「身近な放射線利用 2」で、放射線照射が、農作物の品種改良に利用されていることを紹介しました。
放射線による農作物の品種改良は、結局は、遺伝子の突然変異を促すこと。
突然変異といえば、どうしても、その遺伝的影響を考えてしまいます。

長崎市に投下されたプルトニウム爆弾は、一瞬のうちに、7万4千人もの命を奪いました。
その影響は植物にも及び、イネに対する大規模な調査も行われました。
イネへの遺伝的影響は、放射線によるもののほかに、爆風や熱戦によるものも考えられます。
そこで、調査を行った九州大学農学部の永松土巳氏は、イネ種子を用いて、さまざまな実験を試みました。
引用します。



理学部の超高速遠心機を借用して爆風圧の模擬試験をおこない、工学部の電気炉を使って超高熱の影響を調べた。また理学部のラジウムのガンマ線源や医学部のX線発生装置を用いて放射線照射を試みた。その結果、イネで観察された遺伝的影響は、爆風や熱線ではなく、もっぱら放射線被ばくによって生じたことをつきとめた。
(「植物が語る放射線の表と裏」p173)



そして、被ばくした種子を植えた結果は、次の通り。



穂の種子稔性は40%〜80%程度の個体が多かったが、中には数%の粒しか実らないものもあった。形態の突然変異には、細葉、広葉、巻き葉、短粒、長粒、三角形籾、短稈、矮小などさまざまなものが現れた。これらの突然変異の形質は安定していて世代から世代へと遺伝した。染色体変異も見いだされ、半数体、三倍体、四倍体、減数分裂で染色体が対合しないものなどがあった。稔性が低下した個体を細胞学的に調べると、約半数が染色体の転座をもっていた。
人間では原爆放射線が被曝二世に遺伝的影響を与えたかどうかが大きな議論の焦点になっているが、突然変異および染色体異常が原爆放射線で確かに生じ、のちの世代へ伝達されるという植物での調査結果は、原爆放射線による遺伝的影響を示すきわめて貴重な証拠である。
(前掲書p175)



1947年3月10日、アメリカ合衆国大統領指令により、原爆傷害調査委員会が設置され、生き延びた人々の晩発性影響を調査しました。
目的は、核戦争に備えての資料作り。
そのため、治療は全く行われず、つまり、被曝した患者は、モルモット扱いだったわけで、もちろん、大きな反発を受けました。
その後、調査は、放射線影響研究所によって続けられ、被曝二世への影響についても調べられました。
1990年、ミシガン大学のジェームス・V・ニールらによる「原子爆弾に被爆した親の子供たち:人類における遺伝倍加線量の推定」という論文が発表されましたが、これは、ある勢力により、利用されます。



この論文は、著者らの意図を逸脱して、原爆による遺伝的影響は人間については「証明されていない」、あるいはさらに「存在しない」という否定的な証拠として扱われるようになった。日本でも「放射線の遺伝的影響は心配無用」などと主張する人が少なくない。
(前掲書p225)



ニールらが、次のように書いているにもかかわらず。



「この調査は原爆により被爆二世に突然変異が生じたかどうかを検証するためのものでは決してない。植物および動物で行われたすべての実験で照射により突然変異が起こっている。同じことが原爆による放射線被ばくでも人間に起こっていることはほとんど疑いがない」
(前掲書p224)



このニール論文の紹介や考察は、「植物が語る放射線の表と裏」の第17章「放射線が人体に与える遺伝的影響は心配無用か」というところに書いてあります。
ちょっと難しい遺伝用語などが出てきますが、非常に興味深い記述が盛りだくさんです。勉強になりました。
興味のある方は、「買い」です。

ところで、「カリウム40とヨウ素129の対決!」(←誤記を修正しておきました。はは・・・)で登場するカリウム40は、自然放射線被ばくの代表選手。
よく、人工放射線被ばくと比較されますが、昔はそれも濃かったんですね。



中でも人体の被ばくの点でもっとも影響が大きいのは、カリウム40である。この放射性核種は地球誕生の当初に比べて十分の一に減っている。
(前掲書p5)



ということで、せっかく放射性核種が減っているんですから、やっぱり、放射能のある物質は、できるだけ、海や空へ棄てないほうがいいと思いますけれど。

ではでは〜。
posted by T.Sasaki at 22:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 反核燃料リサイクル運動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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