みなさん、こんばんは。
昨日、放射線の味方(?)をしたので、「ついに、寝返ったか!」と思っているかも?
でも、寝返ろうと、寝返るまいと、起こってしまった事実は、消しようがありません。
その辺の分別は、つけるようにしましょうね。
さて、みなさん、「レイメイ」というイネの品種をご存知でしょうか。
私は知りません(笑)。
この品種は、ガンマ線照射による突然変異育種であり、わが東北地方を救ったのです。
その頃の東北は、本当に貧しかった。
食うものがなかった。
昭和初期の1931年から1935年まで立て続けに東北地方の稲作を深刻な冷害が襲った。それは「寒さの夏はおろおろ歩き」と宮澤賢治が詩につづった世界であった。蓄えの食糧も尽き農村は疲弊し、東北六県から六万人近い女性が身売りや出稼ぎで故郷を離れることになったと伝えられる。
(「植物が語る放射線の表と裏」p124)
子どもの間引きが行われたのは、たぶん、この頃なのでしょう。
それに比べて、現在は、恵まれています。
モノが売れなくて、余っているんですから。
「レイメイ」は、日本一の品種になったこともありますが、あまり美味しくないので、米が余る時代になると、売れなくなり、淘汰されました。
でも、面白いことが発見されたのです。
「レイメイ」には、突然変異遺伝子sd1があります。
その遺伝子sd1は、北九州に昔からある品種「十石」のもつ短稈遺伝子と同じ。
カルフォルニアの突然変異品種「カルロース76」、台湾の自然突然変異品種「低脚烏尖」とも同じ。
つまり、放射線による突然変異品種と自然突然変異品種には、同じ遺伝子があるわけだ。
そこで、結論を引用。
結局、人為突然変異で得られた遺伝子のほとんどは、自然にもいつかどこかで生じることがあるというのが結論のようである。だからといって人為的に突然変異を誘発することが無駄かということにはならない。同じ遺伝子が遺伝資源中に見つかっても、それが在来種であると近代品種に交雑によって取り込むには長い年月がかかる。突然変異によって近代品種中に直接誘発できれば、近代品種の優れた性質をくずさずに新しい性質を付与できる。また自然に生じることがあるとしても、多くの突然変異は自然界では淘汰されていまは残っていない場合が多い。そのような場合にも人為的に突然変異として誘発して得ることができる。
ちなみに、逆は真実ではない。自然突然変異のすべてを人為突然変異として得られるという保証はない。人為突然変異はほとんどすべて優性から劣性の方向への変異であるが、自然突然変異には優性方向への変異もあるからである。
(前掲書p117)
ナシの品種「ゴールド二十世紀」も、ガンマフィールドでできたもの(誕生までに、何と19年もかかった)。
このナシの登場で、農家は、減農薬、経費節減、労働軽減と、三拍子そろった恩恵を受けました。
ということで、コムギの祖先種の一つを発見した京都大学の木原均さんは、次のように述べています。
「X線照射が奇形をしばしば伴なう理由でこの方法を排斥する人々がある。しかし鉱石中の不必要な物質が多少混じっていても冶金家はこれを捨てる事はない。種々の操作を施してその中から目的の金属を取り出す。それと同様に不用の変異形質を除き利用できる変異を取り出すのは育種遺伝研究者の責務であると信ずる」
(前掲書p122)
みなさん、誤解が解けました?
さきほど、ガンマフィールドが登場しましたが、ガンマフィールドの最初の目的は、核戦争後の被害予測をすることです。
もちろん、アメリカが、一番最初。
類似品に「ガンマフォレスト」があり、もっとすごいのが、「フォールアウト減衰シュレータ」。
もっともっとすごいのが、「ニューロン・フィールド」。
これは、遮蔽壁のない裸の原子炉をその辺に置いて、中性子照射実験したものです。
さすがは、アメリカ!
日本のガンマフィールドは、当初から、品種改良目的です。
それも、ちゃんと地震対策しているんですから、当時の農林省は、しっかりしていますよね。
それに比べて、六ヶ所村の核燃施設は、どうなんでしょう?
農林水産省の管轄でないから、対策してないのかな?
ではでは〜。