日本の漁業が崩壊する本当の理由 片野歩

世界中で魚類資源が増えているのに、日本だけが減っている。
この現実を、恥ずかしいと思うべきである。

日本の漁業が崩壊する本当の理由.jpg

すべての漁協組合長、理事、参事、そして、任意の漁業団体の会長以下すべての役員たちは、この本を読むべきだ。
読みたくないならば、「日本の漁師は大バカものだ」を参照すること。
これを認識できないならば、役職に就く資格はない!

2009年03月23日

陸奥湾の海水で薄める

みなさん、こんばんは。

今日は休みだったので、野球観戦。
日本、やりましたね。

http://mainichi.jp/select/today/news/20090323k0000e050027000c.html?link_id=RSD03(「毎日jp

どうせなら、2連覇してほしいなあ。
岩隈先発で、彼の調子が良かったら、まず勝つでしょうね。
岩隈次第。



さて、再び、核燃リサイクルの話。
濃度的視点からは、一様に拡散されるという条件では、確かに安全かもしれません。
でも、そう簡単なものかどうか。

六ヶ所村の核燃再処理工場から、放射能汚染された水が、太平洋へと棄てられています。
一応、この事業を推進する側は、大量の海水で薄めることができる、としています。
確かに、時間が経てば経つほど、薄まることは確実。
しかし、棄ててすぐに薄まるかどうかは、誰もわかりません。

私は、10年以上、船頭をやっていますが、海の水はまるで生き物のようで、予測したようには動きません。
例えば、ムラサキイカのいる水は、どちらかといえば、カジキ類のいる水に近く、間違っても、鮭のいる水にはいません。
スルメイカは、ある程度バカなので、どこにもいますが、しかし、ムラサキイカと一緒に獲れるのは珍しい。

漁師たちは、ある特定の海水帯のことを「水」と呼んでいます。
水というからには、当然、水色には敏感です。
次に水温。
今ですと、イサダ漁の時期ですから、5℃の水、とか、7℃の水、とか、そんなふうに表現します。
また、宮古弁では「きよ水」と呼ぶ、何の魚もいない水が来ることがあります。
「きよ水」がそろそろ到来する季節ですが、この「きよ水」には、稀に、イサダがいることがあります。
こんな具合に、海水にもいろいろな種類があります。
これが、不思議なことに、境界をなしていて、混じり合う“気配”がないのです。
たぶん厳密には、混じり合っているんでしょうから、“気配”という言葉を使いましたが、航海していると、それでもやはり、その境界をはっきり確認できます。

地球上の海水をかき回す海流の存在がありますが、これとて、ペルー沖のでかいアカイカ(ペルーアカイカ)のいる水を、日本へ押しやったことは、いまだかつてありません。
だから、当然、日本近海で、ペルーアカイカは獲れません。
これって、不思議ですよね。

不思議なことは、もっとありますが、以上のことから、実験室でビーカーをかき混ぜるが如く、すぐに汚染水が薄まる、と考えるのは、ちょっと乱暴じゃないかなあ、と思います。

また、全く潮流がないことが、2、3日あることもあり、ましてや、核燃再処理工場の汚染水の排水口は、陸地からたった3kmで、水深もたったの44m。
浅くて、陸地に近いところほど、潮流もゆるい。
たぶん、潮流がないこともたくさんあると思います。
そして、タイミングが悪ければ、沼へ流入することも。

http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20071013151656.asp(「Web 東奥」)

これ、誰か予測しましたっけ?
何でこうなるの?
もしこれが、リッター当たり放射性ヨウ素2〜3ベクレルだったら、ちょっと怖いような気がします。

タイミング悪い人は、放射性ヨウ素やプルトニウムを飲んじゃった、食べちゃったをやりそう。
タイミング悪い人は必ずいますから。
しかし、その心配を解消する方法があります。
海へ汚染水を棄てて薄めるのが日本原燃の仕事なら、汚染水をそのまま棄てるのではなく、最初から、大量の海水を汲み、かき混ぜ、薄めてから棄てればよかったはず。
そうすれば、計算どおり、確実に薄まります。
ぷろどおむ えあらいん」の管理者の話では、プルトニウムという重そうな金属でさえ、ほとんどが水に溶けるそうですから、それなら、強制的にさらに海水で薄めれば、完璧!

“安全です”

豊かな三陸の海を守る会の会長さんが、運動の当初、青森県へ行って、「安全なら、太平洋じゃなく、陸奥湾へ汚染水を棄てればいいじゃないか」と言ってきたそうです。
彼らは、リスクを背負うためのカネをいっぱいもらっているんですから、当然といえば当然!(ところでリスクを負うためのカネって、本当はどういうカネ?)

まあそれは置いておいて、核燃再処理工場の位置は、下北半島の半分よりは太平洋側に位置しています。
でも、陸奥湾からの距離もそれほど遠いわけではありません。
これならば、陸奥湾から大量の海水をポンプで送り、それで強制的に薄めてから、太平洋に棄てることができます。
これなら、薄めることの好きな日本原燃の思惑通り。

ちゃんと薄めてから棄ててください!



ところで、一般の日本人の体内にもプルトニウムがすでに存在しているんだそうで、その原因は、過去にやった大気圏核実験や核施設から漏れ出た放射性物質にあります。

http://www.atomin.go.jp/atomica/09/09010107_1.html(「原子力百科事典ATOMICA」)

「いずれ薄まるだろう」なあ〜んて考えでやったんでしょうけれど、世界中の核発電関連施設では、現在進行形の出来事。
彼らは、

「人間の体内には、もう、このようにたくさんのプルトニウムがあるんだから、ちょっとくらい海に棄てても、その影響は、体内のプルトニウムに比べて、大したことないんだよ」

と、たぶん言いそう。
これって、ちょっとひどすぎますよね。
今のところベネフィットがぜんぜんない(未来にわたっても、たぶん、ない)核燃再処理工場が、自然界へジャンジャン汚染水を棄てているのは、特にひどい。

放射性物質の中には、何度も崩壊してようやく安定する物質もあり、単純ではありません。
長半減期の放射性物質は増える一方だし、人工放射性物質の総量も、たぶん、増えているんでしょう。
う〜ん、こんな状態で、“海水で薄める”という方法が正しいのかどうか、ちょっと、首を傾げざるを得ませんね。

え?
正しいとは言ってない、って?
へぇ〜。

ではでは〜。
posted by T.Sasaki at 17:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 反核燃料リサイクル運動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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