日本の漁業が崩壊する本当の理由 片野歩

世界中で魚類資源が増えているのに、日本だけが減っている。
この現実を、恥ずかしいと思うべきである。

日本の漁業が崩壊する本当の理由.jpg

すべての漁協組合長、理事、参事、そして、任意の漁業団体の会長以下すべての役員たちは、この本を読むべきだ。
読みたくないならば、「日本の漁師は大バカものだ」を参照すること。
これを認識できないならば、役職に就く資格はない!

2023年10月06日

リンゴカッター

5回目。

ダイソーで買ったリンゴカッター。

リンゴカッター.JPG

やってみた。

リンゴカッター2.JPG

芯に付いている果肉がもったいないので、これもかぶりついた(笑)。
飽きたら使わないかも?

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いか刺しの準備

4回目。

何年ぶりかの高浜のお祭りが開催される。
奮発して、30入れ1箱を分解して、御神輿興行が終わった後のご苦労会用。

いか刺し直前.JPG

こうやっておくと、準備する人たちが喜ぶんだよな。
非力ないか釣り漁業 2」の時、帰港してからさばいた。
私の手では、1時間かかってしまった。
冷凍ストッカーが壊れたので、その代替品を買い、漏電ブレーカーもいかれてて、それも交換(時間が経過すると落ちるようになるらしい)、その試運転も兼ねて。
全部、ちゃんと動いたみたい。


posted by T.Sasaki at 16:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

人工シロップと農薬

3回目、こんにちは。

はちみつシリーズ5回目。
はちみつが非常に健康にいいといことは、前3回でわかったと思う。
しかし、これを売るほうは、すごいことをやっている。
果糖ブドウ糖液糖をいう毒を盛っている。(※1)
スーパーで売っている安いはちみつは、まず、信用しないほうがいい。
目安として、キロあたり3000円以上のものを選ぶこと。

これは養蜂業者の問題になるが、みつばちに人工シロップを餌として与えると、いろいろと不具合が発生する。(※2)
いつもお世話になっているKさんによると、ちゃんとしたはちみつを餌として与えないと、元気にならないそうだ。
彼のみつばちは、他の人にあげても、すこぶる元気がいいそうだ。

みつばちの大敵はすずめばちであり、ややもすると養蜂業者も刺されることがあるという。
2度目は、アナフィラキシーショックが起こるため、対応する注射器と薬液を準備しておくようだ。
史上最大の敵は、なんといっても農薬である。
みつばちは、バッタバッタ死ぬ。
農薬で弱ったはちの健康を保つため、抗生剤も使う。(※3)

はちの受粉に頼る農家は、農薬を使い、はちを殺す。
世界の受粉の8割は、はちが担う。(※4)
頭は大丈夫かね。
はちがいる環境というのは正常であり、炭鉱のカナリアと同じに考えていいだろう。

みつばちにとって害があるのだから、みつばちが作ってくれるはちみつにも、多少たりとも影響がある。
そういう理由から、崎谷先生は外国産のはちみつを推奨している。(※5)
一方で、ミツバチ自体が農薬を避ける傾向にあるという話もある。(※6)
私はこれを信じたい。

はちみつは、加熱すれば毒が増えるから、非加熱であること。(※7)
花粉入りのはちみつは、健康状態によって避けなければならない場合もある。(※8)
はちみつの保存容器は、ガラス瓶にしたほうがいい。(※9)
とにかく、みつばちのいる環境に気をつけて、はちみつは購入したほうがいい。(※10)
スーパーで売られている中国産は、私なら買わない。
宮古市(旧川井村)の大峠養蜂場は、森林地帯にある養蜂場だ。
たぶん、安全なはちみつだと思う。



(※1)
 世界3大アダルトレーションという言葉を聞いたことがありますか。アダルトレーションとは、英語で「混ぜ物をすること」を意味します。つまり食品偽装です。
 世界で市場に出回っている食品の中で最も混ぜ物によって偽装が行われている食品第3位にハチミツが入っています。
 第1位 オリーブオイル
 第2位 牛乳
 第3位 蜂蜜
 市場に出回っているその9割以上のハチミツに人工シロップが入っていることが報告されています。人工シロップとは、ブドウ糖果糖液糖(HFCS)・異性化糖などです。
 ブドウ糖果糖液糖は、主に遺伝子組み換えのとうもろこしを原材料としており、そのため安価に大量生産することのできる人工甘味料です。
 人工シロップの毒性は、医学論文でもさまざまなところで証明されています。
・原料が遺伝子組み換え(GMO)のとうもろこしであること。それゆえ私たちの遺伝子にダメージを与える
・グリホサートの問題。遺伝子組み換え作物が育つ場所には殺虫剤や除草剤が必ず撒かれているため、GMOコーンが原材料である人工シロップにもネオニコチドや、グリホサートなどが混入している。これらはエストロゲン様作用を持ち、炎症の原因となる。
・複雑な化学合成過程における、重金属汚染や澱粉質の混入。
・2019年の研究では、ブドウ糖果糖液糖がガンを促進させる、肥満、高脂血症などのメタボリックや行動異常(躁うつ病など)を引き起こすことが報告されている。
 簡単に言えば、本当ならばハチミツを摂取することで、エネルギーの賦活を行いたいのに、シロップ入りのハチミツを食べると逆に、私たちが生き残るためのエネルギーを奪い、さらには私たちの体にダメージを与え、病気の原因になってしまうということなのです。
(「ハチミツ自然療法の最前線」p230)

(※2)
 働きバチに餌として人工シロップを与えてしまうと、また別の問題も起こります。
 ミツバチはブドウ糖果糖液糖やショ糖シロップといった人工シロップをうまく自分で代謝することができません。それゆえハチミツに人工シロップが残存します。また、ブドウ糖果糖液糖は、ミツバチのエネルギー代謝経路である解糖系をブロックしてエネルギー代謝を止めてしまうことが報告されています。寒い時期、花蜜の不足を補うために良かれと思ってブドウ糖果糖液糖を餌として与えていると、結果的にハチの生命力を奪うことになり、ハチのコロニー自体の弱体化やハチミツの収穫量の減少という結果になりかねません。
(前掲書p234)

(※3)
 ネオニコチノイド系農薬成分として、イミダクロプリd、アセタミプリド、ジノテフランなどがあります。ネオニコチノイド系農薬は、昆虫の神経に作用する農薬です。神経伝達物質であるアセチルコリンが結合する部位(ニコチン性アセチルコリン受容体)に結合し、神経の電気の流れをブロックします。昆虫の神経伝達を攪乱することで殺虫効果を持つ殺虫剤の一種です。
 農薬には日本の住化武田農薬(現:住友化学)が開発したクロチアニジン(2001年日本で農薬登録)、ニテンピラム(1995年販売)などがあり、バイエルクロップサイエンスと共同で欧州市場で展開しています。
 2016年欧州委員会は、ハチなどの送粉者を生態系から守るために、クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサムの3種類のネオニコチノイド系殺虫剤の屋外使用の全面的禁止を決定しました。
 2009年には日本の長崎県の壱岐、五島、平戸、的山大島などで、ミツバチの大量死が発生し、住化武田農薬のダントツ(農薬の商品名)で、ミツバチは全滅すると報告されています。
 日本では食品の残留ネオニコチノイドの許容基準値がEUよりも大幅に緩いのが現状です。
(前掲書p265)
 グリホサートは除草剤です。商品名「ラウンドアップ」という除草剤の有効成分として含まれています。グリホサートが含まれる除草剤や、植物や農作物に散布されると、葉から吸収され、その後根の部分を含め植物全体に行き渡り、成長を抑制します。植物全体が機能不全に陥るため、除草剤としては非常に効果的なものになります。
 この除草剤を農作物に散布すると、雑草だけではなく農作物自体もその生命を絶たれてしまうので、ここで対となって出てくるのが、遺伝子組み換え作物です。グリホサート耐性のとうもろこしや大豆、小麦などは、除草剤の標的部位を改変したタンパク質を産生する遺伝子を挿入する方法で遺伝子が操作されており、グリホサートに曝されても植物の機能には影響がないようになっています。
 2006年秋から翌年にかけてセイヨウミツバチが一夜で大量に失踪する現象がアメリカ各地で発生しました。この時、アメリカの養蜂家は養蜂箱の30〜90%を失ったと言われています。巣の中にハチミツと花粉はあるのに、働きバチが突然いなくなったのです。これは蜂群崩壊症候群(CCD)と呼ばれるようになりました。アメリカのみならず、カナダ、ヨーロッパのほぼ全域の各国、イギリス、オーストリア、スイス、ドイツ、ベルギー、フランス、オランダ、スペイン、ギリシア、イタリア、ポルトガル、ポーランド、において同様の現象に遭遇しています。また、CCDの可能性のある現象は台湾でも2007年4月に報告があります。
 1971年から2006年にかけ、米国における野生種のミツバチ数が激減(今ではほとんど存在しなくなってしまった)し、養蜂家の保有しているミツバチのコロニーはゆるやかに、しかし顕著に減少しています。その背景にモンサント会社の開発したラウンドアップが大きな原因として注目を浴びました。大々的にラウンドアップが導入された2004年の冬にCCDの発生が認められ、2006年の終わりから2007年の始めにかけ、ミツバチの減少率が拡大し、突発的なミツバチ失踪現象が多く目にされました。
 ネオニコチノイド系農薬はこの時期も一定の量で使われていましたが、CCDの発生のタイミングがグリホサートの広範な使用とタイミングを同じくしていることからも、ハチに対する悪影響というのは、もちろんネオニコチノイド系農薬を無視することはできませんが、グリホサートの脅威のほうが甚大であると推測できます。
 グリホサートは、人体に発癌性を持つことが報告されています。また農業に使用する通常量のグリホサートに曝露した働きバチは、脳の機能障害を起こし、ナビゲーション能力に障害が出ることもわかっています。ネオニコチノイド系農薬への曝露とのコンビネーションで、グリホサートは間違いなくCCDの原因となっています。
(前掲書p274)
 殺虫剤や農薬が撒かれている土壌で育つ花から集められたハチミツには、いろいろな薬剤がそのまま残っていることになります。さらに、そこにいるハチたちの健康も害され、弱ったハチになってしまうのです。その弱ったハチに何をしているかというと、病気になったら、もしくは予防という理由で抗生剤を投与するなど、人間界と同じことが起きています。健康を取り戻すには、薬剤を投与することではなく、健康を害している原因を排除し健全な体という土壌を育てることです。ハチの健康においては、ハチが蜜を集めてくる飛距離範囲に農薬を使用している農地があってはならないのです。それが、人が健康のために食べるハチミツとしても決して無視できない条件になります。
(前掲書p277)
 国によって、ミツバチの天敵は異なりますが、その昔からハチが自然に生き延びてきたことを考えると、不自然な薬剤の投与が必ずしも必要だとは思えません。
 そして、わざわざ薬剤を添加しているということは、言い換えれば「そこのミツバチたちは元気ではない」、「そこはハチが生きていくための衛生環境が十分に整っていない」ということになります。抗生剤ほか薬がなければ病気になってしまう状態ということは、そこで生きるミツバチが弱ってしまう原因が何かあるということなのです。
(前掲書p285)

(※4)
 ハチの活動はもともとはボリネーター(花粉を運び受粉の手助けをする)としての役割を持ち、農業をする畑ではハチは非常に大切な存在です。世の中の農作物の多くはハチの存在に依存しているのです。つまり、巣箱を置くその場所は、ハチミツを採るだけのためではない場合、農地であることがほとんどでしょう。ハチの存在がなくなってしまうと、世界の農作物の8割もが取れなくなると言われるほど、ハチはポリネーターとして、さまざまな植物の受粉の手助けをしています。
(前掲書p277)

(※5)
 イミダクロプリドとチアクロプリドは、継続的な曝露によってエストロゲンの過剰発生を促すことがわかっています。細胞に作用し、アロマテース(aromatase)というエストロゲンを合成する酵素の活性が報告されています。ネオニコチノイド系農薬によるハチミツを含む食品汚染が乳がんや子宮がんの誘発にも関与しているということです。
(前掲書p272)
 農薬の怖さは、ハチの行動範囲である半径3km圏内に農薬が撒かれている農地がないところに巣箱を置いても、農薬の混入の可能性があるという点です。農薬は雨や風、そして地下水などを通じて、農薬が使われてない土地へも知らぬ間に拡散していくのです。
 それゆえ、健康改善のためにハチミツを摂取する場合は、できるだけこれらの農薬の使用が規制されている場所のハチミツを選択することが望まれます。
 現在、グリホサートの使用を禁止している国は33ヶ国あります。
アルゼンチン、オーストラリア(州ごとに違う)、オーストリア、ベルギー、バミューダ、バハレーン、バルバドス、ブラジル、カナダ(10州のうち8州にて)、コロンビア、コスタリカ、チェコ、デンマーク、エルサルバドル、フィジー、フランス、ドイツ、インド、イタリア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、オマーン、カタール、セントビンセントおよびグレナディーン諸島、サウジアラビア、ポルトガル、スコットランド、スロベニア、スペイン、スリランカ、タイ、ベトナム
 2020年にオーストラリアの科学者によってグリホサートによる土壌の汚染に関してレポートが出されました。結論は、世界の農地の中でグリホサートに汚染されていない地域はほぼゼロに近い、というものでした。
 同研究の中で、ここまで世界的に土壌がグリホサートに汚染されている理由の一つに、グリホサートが非常に分解されにくい化学物質であることが挙げられます。仮に今グリホサートの使用が禁止されている国でも、ハチミツにグリホサートが混入していないという保証にはならないことを示唆しています。
(前掲書p278)

(※6)
 玉川大学の実験で明らかになっていることですが、ミツバチは、農薬にあうとすぐに死んでしまいます。つまり、農薬にとても敏感な益虫なのです。
 また、ミツバチは、気象条件、化学物質、物理的変化に非常に敏感で、農薬がほんの少しでも含まれているミツ源には近づかないのです。
(健全社 イラスト・元気文庫「ミツバチからの贈り物・ハチミツ」p2)

(※7)
 加熱されたハチミツは色、香り、風味、栄養素、効能も損なわれます。市販されているハチミツでも非加熱やRawと表記されているものを選びましょう。
 ハチミツは高温で加熱することにより、メチルグリオキサールの含有量が増えることがわかっています。それゆえ、メチルグリオキサールの含有量によって「抗菌」の効果を謳っているマヌカンハチミツの中には加熱によって抗菌度を偽装されているものも少なくありません。メチルグリオキサールは、それ自体が体にとって毒なので、マクロファージなどの貪食系の免疫細胞を活性します。それを以って免疫力向上になる、とマーケットでは宣伝されていますが、ここでの免疫の刺激は、炎症を引き起こすということと同義です。免疫が上がったのではなく、毒が入ることで免疫細胞が活発に貪食活動をしているにすぎません。
(「ハチミツ自然療法の最前線」p283)

(※8)
 花粉には環境に浮遊しているさまざまな物質が付着します。大気汚染、環境汚染のある地域で採れたハチミツは、花粉を介して汚染物質も一緒にハチミツに含まれてしまう可能性が高まります。
 また、リーキーガットのように粘膜が弱っている人が花粉の含まれるハチミツを摂取すると、壊れた腸粘膜から花粉が血中に入り込んでしまい、全身炎症の要因となりかねません。もちろんその環境によって花粉が汚染されている場合は健康な人にも害があります。
 ハチミツには花粉が入っているものと、もともと花粉がほぼ入っていないものがあります。また意図的に花粉を取り除いているハチミツも存在します。
 コーデックスという国際的な食品規格の定義では、ミツバチが集めてくるものでハチミツとして認定されるものは、以下の3つになります。
@花の蜜
A植物の生きている部位の分泌物
B植物の生きた部位からの分泌物を吸った昆虫の分泌物
 いわゆる花ハチミツ(Blossom Honey)が、@の花の蜜からできたハチミツで、自然な状態であれば花粉が入っています。もう一つ、甘露ハチミツ(Honeydew Honey)というのが、AとBになり、Aは花粉の混入が限りなく少なく、Bは花粉が入っていないハチミツになります。
 これら以外は加工ハチミツとなり純粋なハチミツとは言えません。
(前掲書p286)

(※9)
 プラスチック容器のポリタンクにハチミツを入れたままにすると、プラスチックが溶けてBPA(ビスフェノールA)が溶出します。
 最終形態としてお店に並んだ時にプラスチック容器にハチミツが入っているものは論外です。ガラス瓶とは違い、プラスチックのほうが熱伝導が高いので熱をたくさん吸収するのです。特にハチミツは黒い色をしたプラスチック容器に入っていることが多いので余計にプラスチックが熱によって溶かされ、エストロゲンの害が増大してしまいます。エストロゲンは炎症物質です。
 また、商品としてガラス瓶に入っていることは大前提ですが、商品として容器に入れる前までにどういった容器で保存されていたかも重要です。通常、ハチミツは、ドラム缶やステンレス缶、もしくはプラチック容器に入れられて保管されています。保管の際にプラスチック容器を使っていないところ、または採蜜したその時に、保存せずにそのまま瓶詰めしているところのハチミツを買うことで、BPAの害を防ぐことができます。
(前掲書p289)

(※10)
 安全はハチミツを見つけるために第一歩として、ハチの巣箱がある場所から半径3キロメートル以内に汚染されていないことが非常に重要になります。
1. ミツバチの生活圏半径3キロメートルに農薬が散布されている田畑がないか
2. 遺伝子組み換え作物(GMO)を育てている畑が近くにないか
3. 大気汚染がないか
4. 水源の汚染がないか
5. 人口密度の多い場所が近くにないか
 糖自体は皆さんのエネルギーブースターではありますが、その中に一緒に毒性の高いものが入っていれば、それは逆に皆さんの体調にマイナスに作用することになります。
(前掲書p291)


posted by T.Sasaki at 16:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 病を駆逐せよ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

いか納豆

ふたたび。

佐渡のD親分に「20個や30個じゃあ、商売にならないよ」と言われ、ショックを受けた。
こっちは、20個掛ける平均単価5000円で満足しているというのに。

やけ酒のつまみに、いか納豆。

いか納豆.JPG

古くなった納豆に、いか刺しとネギをからめる。
良いつまみだ。

そして、これが今朝の朝食。

朝食20231006.JPG

納豆、ほうれん草のおひたし、しめじの大根おろしあえ、するめいかゲソの大根汁。
刺身以外は、やりいかよりするめいかのほうが美味しい。
プーファ・フリーな健康食。
posted by T.Sasaki at 14:29| Comment(0) | TrackBack(0) | うまいもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

非力ないか釣り漁業 2

こんにちは。

一昨日、するめいかが近くにいなかったので、しかたなく久慈前沖へ。
たぶん、これは、するめいかの反応だろうけど、針に食わない。

長い反応.JPG

非力ないか釣り漁業」の画像とは明らかに違い、これなら、だれでも命中させることができる。
しかし、船がこの通り集中していて、何度も縦横斜め十文字に行ったり来たりする。

ごちゃっと.JPG

私がこの船の塊に行った時には、食い付きが悪くなっていた。
すでに何百本もの針を見せられているため、いかは騙されない。
しかし、底曳き網は、これらのいかを逃さない。

以前たくさん獲れた頃は、トロールとも話をしたりした。
私は、離れてポツンといる方で、2そう曳きが寄ってきた時も、私がちょうど真ん中になるように曳かせた時もあった。
お互い、うまくやっていこうと考えていたからだ。
しかし、それは、間違っていた。
まさか、こんなに魚が減るとは。

だんだんと海じゅうの魚が減ってきた時だ。
私は、2そう曳きは良くない、と言い始めた。
それからだ。
私が2そう曳きと全く話をしなくなったのは。
だいたいにして、あの船頭たちも大人げがない。
反省することなしに、不都合なことを言うと、もう話をしない、と言い始める。
これは船主も同じで、岩手県底曳網組合の会長など、水産庁がいないと話をしない、と言う。

彼らは、魚類資源にとって、史上最大の大敵であり、今や、人的災害の一つでもある。
こんなになっても、誰も反省しない。
日本人も堕ちたものだ。

2023年10月03日

はちみつは万能食品

本日、3回目、こんにちは。

はちみつシリーズ4回目。

はちみつは、ギリシア神話のゼウスが大好きだった。
そのため「メリッサ」という女神が登場した。(※1)
はちみつは数千年も変質せず、その強い抗菌作用を利用して、ミイラの防腐剤としても使われた。(※2)
しかし抗菌作用というのは、最終的に、糖による免疫力の強化によるものである。(※3)
ゼウスが最高神である理由は、ここにあるだろう(と勝手に解釈する。笑)。

はちみつは、ミツバチがすでに体内で消化しているおかげで、食べれば直接エネルギーとして吸収できる。(※4)
さらに、ビタミンやミネラルも豊富であり、万能食品である。(※5)

夢のような食品であるが、私もそれを実感している。
逆流性食道炎に効果があるのがわかった。
食道のヒリヒリした痛みは消えたし、胸焼けも穏やかになった。
効能は多岐にわたり、はちみつのほか、フルーツやドライフルーツでも代用になる。(※6)

美肌作用もあり、若く見せることも可能だ(笑)。(※7)
そして、眠りも助けてくれる。(※8)



(※1)
 ギリシャの最高神であるゼウスは、ハチミツで育てられたと言われるぐらいハチミツ酒(Meed)とハチミツが大好物でした。そのゼウスを育てた女神の名前がハチミツという意味の「メリッサ」です。そんな神話もあるくらいですから、太古の昔からハチミツの存在が生活の中で活かされ、また健康を保つ秘薬として大事に取り扱われてきたことがわかります。
(「ハチミツ自然療法の最前線」p202)

(※2)
 ハチミツは人間や動物、微生物などの生命体に食されない限り腐敗することなくずっと残ります。それゆえ、ハチミツは保存食として最適といえます。
 腐敗しない理由の一つには、よく言及されるいわゆる抗菌作用も含まれます。そしてもう一つはその粘度ゆえ酸素量と水分量が少なく、そこに微生物の繁殖がないことがあります。
(前掲書p196)
 1913年、アメリカの考古学者である、T・M・デービス博士が、エジプトのピラミッド発掘の時、3300年前の、ハチミツの壷を発見しました。ところが、中身は全く変容せず新鮮そのものであったのです。
(健全社 イラスト・元気文庫「ミツバチからの贈り物・ハチミツ」p4)
 ハチミツはミイラをつくる時に使われたほど、防腐、つまり腐敗を防ぐ作用が強力です。
 ハチミツ自体、数千年もの間、いささかも変質せず、新鮮のままであるという驚異の食品ですが、このハチミツは、赤痢菌なら10時間、大腸菌、チフス菌でも、48時間で殺してしまうといいます。
 この殺菌力は、ハチミツを水で10%までうすめても失われません。
(前掲書p14)

(※3)
高濃度のグルコースはバクテリアから水分を引き抜き、その結果としてバクテリアは活性を失い増殖できなくなります。
 同時にグルコースが入ることによって私たち自身のエネルギーが活性し、自然と体内の菌バランスを調整します。
 また、ハチミツはpHが高いので(pH3.2〜pH4.5)、外用した場合バクテリアを緩やかに抑制する静菌作用を持ちます。ただその高いpH値は人間の体内に入った時点で消滅してしまうので、それ自体を体内で抗菌性を発揮する効力としてみなすことはできません。
(「ハチミツ自然療法の最前線」p225)
本当は糖の力で元気になって、その回復したエネルギーを使って自分の免疫を活発に発動させることで、その場の微生物を処理する。その処理された微生物などのゴミを掃除するために起きた炎症もその仕事が終われば自然と静まっていく。これがハチミツが持つ本来の「抗菌作用」という、菌を制圧する力なのです。
(前掲書p229)

 (※4)
 ミツバチが花から集めてくる花蜜や甘露の主成分はショ糖です。単糖ではなく、ニ糖類のショ糖になります。
 ミツバチは花蜜を蜜袋に入れて、そこで酵素反応を起こして、吐き出します。酵素反応を起こすことによって、ニ糖類であるショ糖をバラバラにし、単糖類であるブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)に分解します。このように単糖に分解された形でハチミツとして巣に保管されています。
 完全に花蜜が分解されてハチミツになるには、この吐き出したものを他のミツバチに口移ししていく、という作業を20分以上続ける必要があるとされています。このプロセスを経て、ショ糖だったものが単糖になっていくのです。
 ハチミツは消化分解のプロセスがすでにミツバチによって行われています。私たちが自らのエネルギーを使って分解しなくても、エネルギー源としてすぐ吸収できるようになっているのです。糖としてはこれ以上分解の必要のない単糖になっているミツバチは、腸ですぐに吸収され、エネルギー源として使われます。それゆえ、即効性があるのです。これがハチミツのとても優れている点なのです。
 例えば傷口に塗れば傷口で吸収され、皮膚再生を促進します。食用で利用すれば、そのままエネルギー源となります。
(前掲書p203)

(※5)
 さらにハチミツの優れているところは、単糖類がエネルギーを生み出すのを助けるビタミンやミネラルも一緒に含んでいる点です。特にビタミンB群など、細胞が単糖を使ってスムーズにエネルギー生産するために必要なサポーターとなるビタミン類を全部まとめて入っているのです。
 エネルギーであるATPを生み出すには糖が足りなければ脂質やタンパク質もエネルギー源として利用しますが、この時にもこれらビタミンB群は必要になります。
(前掲書p209)
体内では特にナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムは大切な存在です。細胞内外の電位差を変え、電子の流れを調整する働きを担っています。電気的な場の調整をすることで生体反応を起こします。
 そもそも電位差がなければ電流は流れず、そこには電子の受け渡しが生じません。電気の流れがなければ、電子伝達系というエネルギー生産の回路もうまく回らないのです。ハチミツに入っているミネラルたちは、細胞の電気の流れも促進します。
 カルシウムは通常、私たちの体のあちこちに存在し、また多くは保管されています。ある程度のストレス状態までは体に確保されている量で対処できるようになっています。保管量では足りずにストレス状態に対応できなくなると、骨をはじめとした体の構造の部位を溶かして抜いてくることもあるのです。
 ストレスを感じた時にはまず、身体に貯蔵されているカルシウムが引き抜かれ、細胞の中に入っていきます。そして、流入した細胞内のカルシウムイオンによって、細胞内外の電位が変わります。
 特にカルシウムとマグネシウム、そしてカリウムとナトリウムがセットになって働き、細胞内外の電気の流れを調整し、エネルギー生産量にも影響を与えています。
 ハチミツにはもちろんカルシウムも入っています。
(前掲書p211)

(※6)
 ハチミツを食べることで体内で使えるエネルギー量が増えますが、ハチミツを外用すると、壊れた粘膜部分からすぐにハチミツが浸透し、その部分の細胞の回復が早くなります。切り傷などの傷口にハチミツを塗ると皮膚の再生が促進され、傷の治りが格段に早くなります。
 切り傷や火傷の場合、患部を綺麗にした後、ハチミツを塗布し、範囲が大きい場合には、箇所をラップなどで覆い、その上から包帯で抑えるのもいいでしょう。
 こういう外用の時のハチミツは、出来るだけ花粉の入っていないものがオススメです。また、マヌカンハチミツのように高い抗菌作用が謳われているものでも構いません。もちろん、その品質には注意してください。
その他の効能
口内炎、消化管の潰瘍である十二指腸潰瘍や逆流性食道炎、咽頭の腫れ、鼻腔の炎症、小腸に問題があるSIBO(小腸内細菌異常増殖症)、便秘と下痢を繰り返す潰瘍性大腸炎、痔
抜け毛、脱毛症
不眠
生理不順
甲状腺機能低下
糖尿病
(前掲書p298)
もちろん、ハチミツだけでなく、旬の熟れた果物や、ドライフルーツでも構いません。
(前掲書p304)

(※7)
 皮膚のビタミンといわれる、ニコチン酸、ビタミンB6などが、ハチミツにはたっぷりと含まれています。
 ハチミツが理想的な美顔薬として古くから愛用されてきたのもそのためです。
 ハチミツそれ自体は水分が少なく、吸湿性に富むため、皮膚に直接塗りますと、皮膚の表面の水分をハチミツ自体が吸いとって、皮膚をおおいますので、外気に皮膚がさらされて乾燥するのを防ぎます。
 ハチミツ入りの石けんは市販されていて、使用中の洗顔石けんに、ハチミツを混ぜた即席ハニー・ソープで、ひげそりあとの皮膚をいたわると効果的です。ニキビ、冬の肌荒れなどの応急処置に、ハチミツとの併用は一段と効果があります。
(健全社 イラスト・元気文庫「ミツバチからの贈り物・ハチミツ」p16)

(※8)
皆さんは、とても疲れている時にはかえって眠れない、ということを経験したことはないですか?
 寝る前にハチミツを一匙舐めるだけで寝るためのエネルギーが補給でき、眠りの質は格段に向上します。さらに効果的なのが、「ハーブティ+ハチミツ」のコンビネーションです。
 ハーブはもちろんさまざまな種類がありますが、その成分で睡眠を促すサポーター(司令)として働きます。その指令を実行するエネルギーとしてのハチミツが一緒に入っていると、さらに効果が高まるのです。
(「ハチミツ自然療法の最前線」p198)


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里見甫について

ふたたび、こんにちは。

麻薬を使った戦争」に登場する里見甫について、ふたたび、取り上げる。
筆者の佐野眞一が、彼を“阿片王”と名づけたのは、アヘンに関する販売についてすべて里見がすべて引き受けたからだ。
その利益の管理を日本の国の機関がやっていたのは、「麻薬を使った戦争」のとおりである。
すべてのアヘン取り引きを、彼が中国で独占できた理由は、カネを自分のふところに入れないで、ちゃんと動かし、そこに信用が生まれたことにある。(※1)
他の者たちは、里見にたかり、私利私欲に走った者ばかりだった。(※2)
その中でも、特に田中隆吉元陸軍少将は、最低の人間である。
仲間の児玉誉士夫に要らぬことをけしかけたりした。(※3)
巣鴨プリズンに収監中、あさましい連中は、残飯を争ったりさえしたという。(※4)

驚くことに、里見は和平工作もやっている。(※5)
和平工作に関することは、小倉音次郎の『長江の流れと共に―上海満鉄回想録―』にも記述があり、「満鉄若葉会会報」では、丸山進氏もこのことにふれている。
さらに、日本映画にも影響を及ぼしている。
映画監督であったマキノ雅広が、里見の様子を『映画渡世・地の巻』に描いている。(※6)

里見は、宏済善堂という里見機関で阿片を取り引きして儲けたのだから、極悪人なのだが、一言も弁解がましいことは言わなかった。(※7)
GHQの取調べでも、自分のやったことだけ正直に話し、知らないことは知らないと供述したという。

彼の性格を表すエピソードが残っている。
麻薬を使った戦争」にニセ札の話があるが、この使用テストは、里見がやったというのだ。
失敗しても他人にせいに絶対にしない!
信念を曲げない!(※8)

筆者の佐野眞一さんは、さかんに里見を持ち上げているが、実際に彼は、上海にいた時だろうが、阿片愛好者だったようだ。(※9)
この事実を見逃すことはできないだろう。
彼の性格から、本当は、宏済善堂という名前の通りに事業をやりたかった。
だが、彼が満州に行く前から、中国人たちは阿片を吸飲していた。
「どうにもならないか」という諦めというのは、私たちも酒で紛らしたりするのと同じように、当時の里見には、それが阿片だったのだろう。
私が筆者なら、そういう考察で締める。

中国人というのは、日本の愚考の証拠を取り壊さないで、そのまま利用する。(※10)
非常にしたたかである。
対立の火種がなくなったら、「偽満州国」へ旅行してみたくなった。

最後に(※8)にある「人は組織をつくるが、組織は人をつくらない」という里見の言葉は、卓見である。
特に、公務員にあてはまるだろう。
公務員に就職する前の人間は、少しはマトモな人が多いと思う。
しかし、組織で要らないものに染まり、やがて無感覚になる。
定年前の公務員など、保身しか考えない人が多いのではないか。
これでは、人をつくれない。



(※1)
 里見の個人財産に関しては、後に「週刊読売」(昭和30年6月5日号「生きている戦争商人―アヘンが彩る大陸秘史―」)でも取りあげられている。里見がインタビューに応じたのは、後にも先にもこれが一回だけなので個人資産以外の部分も含めて主要部分を紹介していおこう。
〈【問】戦時中上海でアヘンの密貿をやったといわれているが。
【答】確かに上海でアヘンの仕事はやっていた。が、密貿などとんでもない話で、そんなことをいう人は私を全くしらない人だろう。軍の委託をうけ、汪(精衛)政府の財源となる重要政策としてやったもので密貿なんて笑止千万のこと、正々堂々としたものだ。
【問】アヘンを取扱うようになった動機はなにか。
【答】安いものが高く売れる。アヘンはばく大な利益があるものである。そのため、どうしても不正事件が多く起こるのだ。軍部がやっても政府がやっても失敗した。自分のフトコロにいれようとする人が多かったからである。そこで民間人である私が一切の利益を離れ、これを引受けることにしたのである。日本人はごく少数、ほとんど中国人を使用するという私なりの方法をとって成功した。その総額をしっかりつかんで、その行方さえ見守っていれば、それでいいんだよ。
【問】しかしそれで随分もうけたといううわさがあるが、この点はどうか。
【答】全くのデマだ。それを防止するために私が引受けたのだよ。アヘンというものは生産高の三分の一ぐらいしか政府にわたらないのが普通といわれていたが、私の場合、その大部分の収集に成功した。蒙疆政府の財源の八割は私が扱った。また私は同じアヘン関係の会社に関係していたので、その方の利益、給料で十分であった。一人暮らしで金ばかりもったところで、どうしようもないではないか。
【問】東条元首相に、多額な贈与をしたという話もあるが。
【答】アヘンの金は興亜院が直接管理していたので私はその行方については何にもしらない。個人で贈ったことは全くない。
【問】終戦後日本に帰るとき、現金になおせば何億という宝石や金の延棒を持ち帰ったというが・・・・。
【答】中国人の間でもそんなうわさがとんだそうだ。ところが持って帰ったのはバッグ二つ。それも中身はチョコレートとキャンディだったんだ。何しろ日本には甘いものがないというのでね、みやげにもってきたんだ。もともと私はそのまま日本にいついてしまう気持ちは全くなく、二ヵ月もすれば、また中国へ帰るつもりで、夏服一枚きたっきりで帰ってきたのだ〉
(「阿片王 満州の夜と霧」p250)

(※2)
 里見が阿片で稼いだ資金目当てに、小遣いをたかりにくる輩はあとをたたなかった。
 里見はピアスアパートの部屋に風呂敷に包んだ札束をいくつも用意しており、それを目当てに訪ねてくる憲兵、特務機関員から大陸浪人にいたるまで、いつも気前よく呉れてやった。
 昭和17(1942)年の翼賛選挙に立候補して念願の政治家となった岸信介もその一人だった。前出の伊達によれば、このとき里見は岸に200万円提供したという。
「鉄道省から上海の華中鉄道に出向していた弟の佐藤栄作が運び屋になって岸に渡したんだ。これは里見自身から聞いた話だから間違いない」
(前掲書p173)

(※3)
 田中はアヘン売買について調べるなら、里見だけでなく、児玉誉士夫も調べなければならない、そうでなければアヘン売買の全容を明らかにしたことにはならない、とも言っている。
 この件に関しては、児玉に長時間取材した大森実の『戦後秘史T 崩壊の歯車』(講談社・1975年8月)が一つの傍証となっている。
 児玉は大森実のインタビューに答えて、次のように述べている。田中がキーナン検事とともに、児玉に東京裁判の法廷でアヘン問題の証人になるよう要請し、証人になれば、「きみはその日のうちに巣鴨から帰れる」と甘言を弄した。だが、児玉が「オレはアヘンについては何も知らん」と言ってその申し出を断わったため、田中は「せっかくきみを助けてやろうと思ったのに」と言って怒り、里見に関して表沙汰になっていない事件をばらすと脅しにかかった。
 結局、アヘン問題に関しては里見ひとりが東京裁判の法廷にたつことになった。それが決まると、田中は今度は「里見に頼んで、彼が証言することになった。きみなんかもういらないよ」と昂然として児玉に言い放ったという。児玉は、「田中は脳梅(毒)だた。あいつのおかげで十人くらい絞首刑にされた」とも語っている。
 自分が起訴されなければ(田中は実際に極東国際軍事裁判で起訴されなかった)、硬軟とりまぜた策を弄して“犯人”を仕立てあげる田中のこの態度は、多くの日本人から、帝国軍人にあるまじき無節操さと批判された。
(前掲書p233)

(※4)
上海で里見のアヘン取引のパートナーとなった徳岡照が死の直前に綴った前掲の「徳岡ノート」に、巣鴨プリズンに収監中の里見の様子を記したこんな走り書きが残っている。
 ―巣鴨における里見の態度は極めて平静だった。巣鴨で面会した際も平然として自分の行く末を覚悟していた様子。里見は自己弁明は一切せず、阿片資金を私することもなったくなかった。これがA級戦犯を免れた最大の理由だったと思う。
 ―A級戦犯の大部分は、位人臣をきわめた連中だったが、残飯を争って貰うようなあさましい人間ばかりだった。その点里見はきわめて小食で、そういうことはまったなかった。同房の牧野(伸顕)内大臣が人を押し退けて残飯をあさっていたことを、里見が笑いながら恬淡として語っていたことを憶えている。
「徳岡ノート」には、GHQは里見のサムライ精神に感動したというニュアンスの記述もある。たしかに里見の供述には、自己正当化や責任転嫁の色はなく、逆に、里見の人間的おおきさのようなものが伝わってくる。
(前掲書p264)

(※5)
 前掲の「徳岡ノート」で最も驚かせるのは、里見が終戦に向けての和平工作に動いたいたらしい事実がうかがえることである。徳岡の文字は乱れに乱れ、文意もはっきりしないところが多い。だが、繰り返し和平工作について述べているところからみて、この話の核となった事実があったことはほぼ間違いないとみていいだろう。徳岡が述べる里見の和平工作の概要は、およそ次の通りである。
 里見は終戦間際、フランス租界の瀟洒な屋敷に住む老三爺とい完全なアヘン吸飲者と頻繁に会っていた。その会見の多くには小生も同行した。老三爺は広東訛りの中国語をしゃべり、小生にはまったく理解できなかったが、里見はその点完全にマスターしていた。
 老三爺と里見の会談は、連日三時間ほど行われた。議題はもっぱら重慶の対蒋介石工作だった。老三爺は太平天国の乱を鎮圧した曾国藩の末裔だった。そんな国民的英雄の血筋を引いていた人物だったkら、蒋介石も老三爺の言うことをむげにはできない様子だった。その上、老三爺は湖南の生まれだったので、同じ湖南の生まれで次第に勢力を増していた中国共産党の毛沢東とも精神的には結びついていた。 老三爺を通じて重慶側からもたらせた和平の条件は、鈴木貫太郎総理大臣を特使、米内光政海軍大臣を副使として派遣するなら、和平交渉に応じてもよい、というものだった。
 これに対して里見は満鉄上海事務所所長の宮本通治に、重慶側から提案されたこの親書を託した。このとき日本側が交渉のテーブルにつくための前提条件として里見の考慮にあったのは、次のような腹案だった。
 @日本側現職内閣の即時総辞職
 A撫順炭鉱、南満州鉄道、大連埠頭、その他満州各地の大都市の権益譲渡を含めた満州国の消滅。
 B台湾の領有問題については後刻相互に検討する。
 Cこの条件がのめないときは、日本は首都を満州の長春に遷都し、徹底抗戦を辞さない。
だが、宮本通治の出発が遅れた上に、予想だにしなかったソ連軍の突然の参戦もあって、この和平工作は失敗に終わった。
(前掲書p204)

(※6)
 里見とマキノの関係は、戦後、里見が住んでいた東京・成城の家をマキノが買い取るほど深い間柄だった。二人の関係は、マキノのところに突然かかってきた一本の電話からはじまった。
 昭和17(1942)年、マキノが市川猿之助、原節子、高峰秀子らの豪華キャストで「阿片戦争」の製作発表をしてから間もなく、「わしは阿片の親分だ」と言ってかかってきた電話があった。聞くと、里見機関からだという。
 マキノが電話で言われた通り、里見の東京での定宿になっている帝国ホテルに駆けつけると、初対面の里見は上機嫌でこう言った。
「阿片はアングロサクソンの代わりにわしがやっとるんだ」
そして、こうつづけた。
「マキノくん、20万円やるから、上海へ来い。これはわしの罪滅ぼしだ。たしかに現在の阿片はわしが握っている。しかし、儲けてはいないんだ。『阿片戦争』という映画を上海で撮れ」
 里見は、アヘン戦争で大量のアヘンを海中に沈めて敵のイギリスに対抗した林則徐の名前を出し、その林則徐を主人公にした映画をつくってくれ、とも言った。
 里見の申し出た20万円はマキノが固辞したため、結局、製作会社の東宝が受け取ることになった。里見が望んだ上海現地ロケも、スタッフが危険すぎると二の足を踏んだため、実現せずに終わった。
(中略)
マキノは最後に述べている。
〈東宝や松竹の映画が、そしてその後大衆の妻三郎映画が上海で上映出来るようになったのも、里見氏の金に支えられてのことであった。昭和17年(1942年)2月に日本軍がシンガポールを占領した時、東条英機総理は、里見甫から、蒋介石の金として20億円貰って、中国との戦争終結をする約束だったのを、東条英機は金だけ受け取って、総理をやめて逃げてしまったのだという話も聞いた〉
妻三郎映画とはいまでもなく、戦前のスーパースターの坂東妻三郎主演映画のことである。
(前掲書p169)

(※7)
 里見は戦後、阿片について語ることはほとんどなかったが、ごく親しい関係者にはこんな主旨のことを洩らしている。
「安済善堂の安済は社会救済、善堂は慈善の意味です。目的と名称が違うといわれるかもしれませんが、批判は自由にして下さい。安済善堂の目的はもちろん阿片の販売です。その売上利益に対し、一定の課税を安済善堂が取った。その金を大本営に流したといわれますが、決済はすべて現地の陸軍部とやりました」
 前述したように、阿片問題を直接管理していたのは興亜院である。里見は、そこに入った金が、大本営に献上されたり、現地派遣軍や特務機関に還流されたりしたかについては何も知らない、とも述べている。
(前掲書p190)

(※8)
 昭和12(1937)年8月、第二次上海事変が勃発したとき、日本軍は敵の経済を攪乱するため、ニセ札を大量につくる謀略工作を計画した。ところが、いざニセ札が刷りあがりテストをやろうという段になると、みな怖じ気づいて引き受けようとする者もでてこない。
 そこで手をあげたのが、里見だった。里見がフランス租界のハイアライ遊技場に行って試すと、一回目は無事通ったが、二度目に見破られて領事館警察に突き出され、ブタ箱に叩き込まれる羽目になった。
 しかし、取り調べがはじまっても、里見は「オレ個人でやったんだよ」とシラを切り通したので、警察もやむなく里見を釈放した。
 この一件で、陸軍内部での里見株は一段とあがった。その頃、第二次上海事変の戦闘は上海北方の閘北で膠着状態に陥り、日本軍は攻めあぐねていた。強攻すればいたずらに犠牲が多くなるばかりなので、ここは外交交渉で行くほかないという結論になった。
 軍は考えた末に支那側に知り合いの多い里見に折衝役の白羽の矢を立ててきた。里見は伝手を求めてフランス租界で敵将とひそかに会い、折衝の結果、相応の大金を代償に支払うという条件で支那軍総退却の合意をとりつけた。
 しかし、この約束に一抹の不安を感じた日本軍側は、代償金の前渡しを例のニセ札で行おうと言いはじめた。里見はこれに烈火のごとく怒り、軍首脳を怒鳴りつけた。
「何を言うか。これだけのことをのませておきながら、それに報いるのにニセ札とは何事か。そんなことで武士の一存が立つか」
 里見のこの一言で信義は守られ、かねてからの打ち合わせ通り、敵は約束の日時に小銃を空に向けて発砲し、これを合図に総退却をはじめた。そして呼応した日本軍の総攻撃で、難攻の戦線もついに破れた。
(中略)
 阿片という悪の華の世界にどっぷり浸かりながら、不思議なことに里見には、このときの日本軍がとろうとした組織悪のいじましさも、権力にたかることでしか生きられない児玉のような国士気どりのさもしさもない。
「人は組織をつくるが、組織は人をつくらない」
 里見は晩年、秘書役の伊達によく、そう言ったという。
(前掲書p176)

(※9)
 里見の遺体が荼毘に付されたとき、会葬者たちは、里見の頭骸骨が淡いピンク色に染まっていることに気がついた。しかし、それが阿片常習者の特徴だということに気づく者はほとんどいなかった。
(前掲書p428)

(※10)
 里見と甘粕が接触し、交差した新京(現・長春)の旧関東軍司令部の、屋根に日本の天守閣を配したグロテスクな建物は、歴史の皮肉そのままに、いまは共産党吉林省委員会の建物となっている。
 中国人民のたくましい現実感覚を物語るように、里見の案内で松本重治が泊まった大連の「ヤマトホテル」も、「国通」とロイターの通信提携契約が結ばれた旧新京の「ヤマトホテル」も、いまもそのままホテルとして使われているし、かつて東洋一の規模を誇った満鉄病院は、大連医院の本院として再利用されている。満鉄本社の壮麗な建物は、大連自然博物館となっていた。
 それらの建物にいずれも「偽満州国」時代のものだということを示す表示が掲げられている。なかでも傑作なのは旧新京の人民大広場にある旧満州国国務院である。日本の国会議事堂を模してつくられたこの建物は、皇帝・溥儀がバルコニーから二万の兵を閲兵したことで知られている。
 今は吉林省の医科大学の研究所に変わったその建物の一画の薄暗い展示室には、岸信介をはじめとする「偽満州国」要人の肖像写真が飾られ、鹿の角を粉末にした強精剤などと一緒にお土産品として売られていた。
 このしたたかなビジネス感覚には思わず吹き出すほかなかった。こうした光景を見るにつけ、里見や甘粕が満州でやろうとしたこの善悪とは別次元に広がる索漠たる胸中に思いを馳せずにはいられなかった。
 中国人民は、甘粕の謀略にも里見の宣撫にも、ほとんど心かき乱されることなく、大河の流れにも似た悠久の歴史を刻んだ。甘粕も里見も、行けども行けどもたどり着けない満州の地平線にも似た徒労感にとらわれつづけたのではないか。
 しかし、里見も甘粕も賽の河原に石積みするにも等しい行為をやめることなく、時代の狂気そのままの暴走をさらに重ねていった。
(前掲書p129)

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やばい雲

こんにちは。

これ、一昨日の午後の雲。

やばい雲.JPG

おっかなくなってきて、帰ってきた。
posted by T.Sasaki at 11:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする