ふたたび、こんにちは。
差別の話から、ついでに、イギリスのことについて。
副島先生の判定では、アメリカよりも悪い国は、イギリスなのだそうだ。
イギリスの話を読めば、差別などいう生易しいものではない。
これは、「愛子天皇待望論」という本に書かれてある。
内容は、天皇家の考えと国家体制などを論じている。
例えば、共和政という言葉が、何なのか?みなさん、わかりますか?
私は今までわからなかった。
王様と貴族制度をなくした政治体制のことを、共和政(共和制も同じ。republic)と言う。
(「愛子天皇待望論」p48)そして、世界初の民主政国家は、どこか?
人類史で、初めて完全に民主政(かつ共和政)が実現したのは、1776年に独立宣言した、アメリカ合衆国(USA)だ。イギリスの植民地だったアメリカ国民は、イギリス王(ジョージ3世)の支配を拒否して、独立宣言を出して戦って、イギリス国から脱出した。
そして自分たちが選んだジョージ・ワシントン(独立軍の最高司令官だった)を大統領とする共和国(王様のいない国)になった。大統領(選挙で選ばれた指導者)の下に結集する民主政かつ共和政の国家となった。
この制度は、その前にオランダが、スペイン帝国から独立闘争(戦争)をしていた時に、軍事指導者のオラニエ家(オレンジ公ウイリアム家。元はドイツ人の貴族)が、オランダの諸都市の共和政に配慮して、国王を名乗らず、Stat hokder(シュターツ・ホルダー)即ち、総督と称した。このことをアメリカは、真似して大統領が生まれた。
合衆国の初代大統領になった(1789年)、ジョージ・ワシントン(1732-1799)の時から、「国民をpreside(プレサイド、差配する人)」という意味からpresidentを名乗った。
(前掲書p58)「ビッグテック5社を解体せよ」で書かれている大企業優先自由主義以前のアメリカは、ジョージ・ワシントンら建国の父たちの考えを基礎とした国であり、純粋に悪い国ではなかった。
むしろ、アメリカを植民地としていたイギリスが、極悪だ。
中国や日本などの東アジアの過去も、イギリスによって、かなりいじめられているのを考えると、本当に悪いのはイギリスだ。
なぜ、イギリスは、今でもスコットランド人、アイルランド人などと人種が分かれているのか、その疑問を解く文章を、少し長文で引用する。
イギリスは、United Kingdom「連合王国」である。
この制度思想で出来ている。略称UKという。この連合王国というのは、実はものすごく残酷な思想である。イギリス人(イングリッシュ)は、同じブリテン島の中でも、北のスコットランド人と、南西のウェールズ人、そしてアイルランド人を、この連合王国という思想で併合(併呑)して、どんどんイングリッシュの血に混ぜて、消滅させてしまうことを考え、かつこの策を実行した。
イングリッシュの王たちは、スコッチ(スコットランド人)や、ウェルシュ(ウェールズ)、アイリッシュ(アイルランド人)に対して、苛酷な徴税による支配を行った。
それに反抗して、反乱を起こした者たちを、打ち破って捕えて大量に処刑した。その代表は、1297年のスコットランド独立の英雄ウィリアム・ウォレスである。ウィリアム・ウォレスは車裂きの刑(八つ裂き)で殺された(1305年)。今でもスコットランド最大の英雄だ。
だが、イングリッシュはもっとも残酷なことをした。それは民族の血を混ぜたことだ。イギリス人の司祭(ビショップ)と領主(ランドロード)たちが、自分の領有する村の、スコッチとアイリッシュの若い女たちを、結婚する前に、司祭館や領主館に差し出させて犯した。そして身籠らせた。
この司祭と領主の権利を初夜権(nocturnal right、ノクターナル・ライト)と言う。なんということをしたのだろう。これがイングリッシュが本当にやったことなのである。イギリスの僧侶には司教がいる。イギリスは、英国国教会で、一応、プロテスタントということになっているのに、カトリックと同様に司教がいる。この僧侶たちは少しもお坊さんらしくない。
(中略)
私は40年前の昔、イギリスの投資銀行の日本支店に勤めて、ロンドンに行かされた時に、スコットランド人の若い同僚の社員(当時、彼も下級職)とパブで飲んでいて、この初夜権(ノクターナル・ライト)の悲しい話を、彼がとつとつとしてくれたことを、今思い出す。イギリス人(イングリッシュ)の司教や領主が、村の結婚直前の若い女たちを、館に差し出させて処女を奪い、イングリッシュの血の入った赤ちゃんを生ませようとしたのである。真に悲しい話である。
だから現在でもスコットランド独立党(国民党 SWP)やアイルランド人の、イングリッシュへの深い怒りと恨みがあるのである。イングリッシュは、こんな「領主と司教の初夜権の行使」というヒドいことを、スコッチやアイリッシュにしたのである。同じブリテン島やアイルランド島の民族を根絶やしにしようとしたのである。だから彼らはイギリスからの独立運動を今も根強く、激しくやっている。分かりますか。
最近死去した映画「007」の俳優のショーン・コネリー(2020年10月31日。90歳で死去)が、スコットランド独立運動の看板の一人だった。
(前掲書p215〜p219) 私たちからすれば、話にならないくらいひどいと思う。
同じブリテン島でさえ、こんなことをやっているのだから、中国人をアヘン漬けにし、日本を手玉に取ることなど、彼らにとって朝飯前のことなのである。
だから、結果として、アメリカのネオコン(=ディープ・ステイト連中)は、イギリスの悪い連中の系譜と見ることもできる。
人権は、日本国憲法を作ったアメリカから、輸入されたものだ。
この新憲法の第11条で「国民はすべての基本的人権の享有を妨げられない」と決めた。その前は日本には人権(じんけん)という言葉が無かった。今から考えれば、驚くべきことだ。たった77年前に初めて人権(基本的人権)という言葉が、日本に出現したのである。
それまで人権(ヒューマンライツ)というコトバは日本に存在しなかったのだ。それまでは、吉野作造が、天皇主権体制に遠慮して、「民本主義」と言った。大正デモクラシーの運動のときからである。「基本的人権」は、日本国憲法と共に、日本に初めて出現し誕生したのだ。アメリカから移植(トランスプラント)されたのだ。
(前掲書p60)イギリスは、日本人に対して、もちろん、中国人にも、人権を伝えなかった。
だから、イギリスよりもアメリカのほうが、まだマシだったと言える。
この本の中には、極悪人として、山縣有朋が登場する。
さすがに、この部分は、ここには書けない。
買って読んでくだされ。
写真掲載から、あっと驚く推論である。
大正天皇は、まずは、たれ目である。
しかし、昭和天皇の兄弟には、たれ目は一人もいない。
一人ぐらいいてもいいはずなのだが。
副島先生の論では、結局のところ、天皇家の万世一系ではなく、必ず、何度か、途切れている。
したがって、必ずしも男である必要はない。
むしろ、女を前面に出したほうが、家庭でもうまくいく、論である。
日本は、古くはポリネシア系の島嶼国であって、母権社会(matriarchy、母系制)である。だからこの伝統も大事にすべきである。ヨーロッパ諸国と同じように、放っておけば自然にどうしても女性の王(女王)が生まれるに決まっている。何の問題もない。男系にこだわる方がおかしい。
(前掲書p132)ここからは、オマケ。
同書には、「カルト・オブ・ヤスクニ」と外国から呼ばれた故安倍晋三元首相のことが載っている。
一方、天皇家は、A級戦犯が靖国神社へ合祀されてから、一度も参拝に行っていない。
このことからも、安倍元首相と天皇家は、仲良くないのがわかる。
実際に、写真付きであるが、2016年の慰霊祭で、天皇と美智子皇后は、安倍首相を睨みつけ、最後の万歳三唱のとき、さっさと壇上から消え、参加者たちは、その光景に驚いたそうだ(p241)。
世界基準では、戦死者の墓は、The Tomb of Unknown Soldiers 即ち「無名戦士の墓」と言う。各国の元首(大統領、首相、国王)は外国に行くと、その国の無名戦士の墓に行って花輪を献げる。だが、日本の靖国神社は、その性格(国家神道の神社である)からして、世界基準の無名戦士の墓の役割を果たすことはできないのだ。だからどこの国の元首も靖国神社には参詣しない。
(前掲書p175)こういう事実を知らないと、なぜ、カルト・オブ・ヤスクニという言葉が出てくるかもわからない。
副島先生は、ムーニー一派と呼んでいるが、彼らは、こういうことに疎いのだろう。
安倍晋三と高市早苗、櫻井よし子、三浦瑠璃たち、統一教会(Moonie ムーニー。本当の真実の反日人間たち)は、自分が天皇翼賛伝統保守であるふりをしながら、本当は徹底した今の天皇家ぎらいだ。反日本の奇怪な宗教集団の影響下にある。その表面団体(フロント)が日本会議である。
(前掲書p22)この本を出版されるにあたって、時期が微妙であった。
あとがきに記してあるのだが、「愛子天皇待望論」は、6月までには、ほぼ完成していた。
その後、7月8日に安倍元首相は銃撃されて亡くなった。
出版は10月10日となっている。
この時系列は、幸運だった。
もし、本の出版が、銃撃事件の前だったら、扇動したのではないか、という疑いを持たれていたかもしれない。
特に、ムーニー連中から、非難の矢が飛んできただろう。